注目のスタートアップ

革新的なカーボン新素材を開発・製造・販売する「3DC」が資金調達

company

2022年5月31日、株式会社3DCは、資金調達を実施したことを発表しました。

また、「研究開発型スタートアップ支援事業/NEDO Entrepreneurs Program(NEP)」に採択されたことも併せて発表しました。

3DCは、独自開発の新カーボン素材「グラフェンメソスポンジ(GMS)」の開発・製造・販売を展開しています。

「GMS」は、炭素原子がハチの巣のように六角形に結びつくグラフェンと同様に、ほぼ炭素1原子分の厚みでスポンジのような3次元構造を備えた素材です。

導電性、柔軟性、多孔性、化学的耐食性において高い数値を誇っており、様々に応用することが可能です。

従来のグラフェンは耐久性や製造コストに課題があり、商業的な普及が遅れています。一方3DCは「GMS」の量産性を高め、製造コストを大幅に下げる製造技術の確立に目処をつけつつあります。

今回の資金は、「GMS」を使用した製品の開発や素材のチューニングなど、各製品の早期実用化に向けた、国内外の多数の電池・機械・自動車メーカーとの研究開発に充当します。

グラフェンとは、炭素原子が六角形の格子構造で結びついたシート状の物質です。

ダイヤモンドよりも結びつきが強く、平面ではダイヤモンドよりも強固な物質と考えられており、さらに電気の伝導率は銀より高く、熱の伝導率は銅の10倍とすさまじい数値を誇っています。

こういった特性から夢の新素材と呼ばれることもあり、高速トランジスタ、タッチパネル、太陽電池向けの透明伝導膜、電気配線、革新的な電池の素材など、様々な可能性が期待されています。

一方で現状の生産技術では生産コストが高く、大量生産が困難であるという課題があります。そのため研究は進んでいるものの、商用利用が進まないという状況にあるのです。

「GMS」はこの量産性の課題をクリアした炭素素材です。

特に3DCは電池の長寿命化・高容量化の両立のために適用できるとして、「GMS」の研究と普及に取り組んでいます。

現在スマートフォンなどの電子機器で広く利用されている電池はリチウムイオン電池です。

しかしリチウムイオン電池の寿命は1年半から2年といわれています。

近年は電気自動車(EV)の普及や、家庭への太陽光発電システムの設置が推進されています。しかしEVに搭載されているのもリチウムイオン電池で、太陽光発電システムとセットで利用する蓄電池もリチウムイオン電池です。

こうした用途での活用を考えるとリチウムイオン電池はまだ性能が不足しています。

「GMS」はこのリチウムイオン電池において高容量化・長寿命化・高電圧化を実現するため、ブレイクスルーをもたらすものとして期待されています。

株式会社3DCのコメント

このニュースを受けまして、株式会社3DCよりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

今回調達した資金は、「GMS」を使用した製品の開発や素材のチューニングなど、各製品の早期実用化に向け、国内外の多数の電池・機械・自動車メーカーとの研究開発への投資を予定しています。

・今後の展望を教えてください。

まずは小さいマーケットから参入し、しっかりと事業化・量産の実績を作っていき、最終的には電池の進化を加速することで次世代のインフラを担っていきたいと考えております。

・読者へのメッセージをお願いします。

次の世代に何を残せるか、その一心で事業を立ち上げました。
弊社に興味を持っていただいた方は、ぜひ気軽にご連絡ください!

研究開発には多くの資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなどを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ 3DC GMS カーボン カーボン素材 グラフェン グラフェンメソスポンジ リチウムイオン電池 新素材 株式会社 炭素 炭素素材 研究開発 製造 販売 資金調達 開発 電池
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

副業募集プラットフォーム「Kasooku」運営の「ドゥーファ」が1.9億円調達
2020年4月30日、株式会社ドゥーファは、総額約1億9,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 副業募集プラットフォーム「Kasooku(カソーク)」を運営しています。 副業で働く人と、…
農業特化のWebマーケティング支援「ファームコネクト」 農作物のネット販売をフル代行するサービスを開始
2022年5月4日、株式会社リタテラスは、展開する「ファームコネクト」において新サービス「ネット販売代行プラン」をリリースしたことを発表しました。 「ファームコネクト」は、農業に特化したWeb制作・マ…
代理店営業管理SaaS「PartnerSuccess」運営の「パートナーサクセス」が1億円調達
2020年12月15日、パートナーサクセス株式会社は、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 代理店営業の売上を最大化する代理店営業管理クラウド「PartnerSuccess」を開発・提供…
ブロックチェーンエンジニアリングを行う「Omakase」が資金調達
2024年5月24日、株式会社Omakaseは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、野村ホールディングス株式会社です。 Omakaseは、Web3領域のインフラストラクチャエンジニアリン…
不動産投資アプリを運営する「Propally」が1.1億円調達
2025年7月3日、Propally株式会社は、総額1億1000万円の資金調達を発表しました。 Propallyは、個人投資家向け不動産投資アプリ「Propally(プロパリー)」と、不動産会社向け顧…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集