創業手帳が選ぶ起業経営ニュース 2020年11月25日 注目のニュース 大久保の視点 解説入り 創業手帳編集部 デジタル庁平井大臣「日本はデジタル敗戦」「産業界はDX遅れている」「全手続をスマホで60秒以内に完了させたい」DX化に気炎 平井大臣がスタートアップ関係者にデジタル化の方向語る 2020/11/25に平井卓也デジタル改革担当大臣が「全手続をスマホで60秒以内で完了したい」とスタートアップ関係者の前でDXの意気込みを語った。 虎ノ門ヒルズのCIC Tokyoの開所イベントに参加した起業家、投資家、イノベーション関係者に平井大臣が参加しデジタル化の方向について語った。CIC Tokyoはマサチューセッツ州ボストン・ケンブリッジ発祥のイノベーションセンターで、虎ノ門にオープンした。日本の代表は梅澤高明氏(CIC Japan会長/A.T. カーニー日本法人会長)。創業手帳も参加し現場から平井大臣のスタートアップ向けの発言をお届けします。 日本はデジタル敗戦。システム分断された日本を統合する。 平井大臣 日本はデジタル敗戦した。政府のDXで言えば、例えば給付金で10万円振り込むのに経費・人件費1500億円かかってしまった。 国民がお金をもらう方なので、協力してもらいやすいはずなのにそうなってしまった。 デジタルの時代には考えられない。 一事が万事で、デジタルの重要なポイントである「つながる」ということができなかった。 例えば通信インフラで言えば光ファイバーの普及率などは海外に負けてはいない。 ただ、DXの実質的な進み方が悪いのが大きな問題点。 その出遅れを取り戻して、変えてやる、というのがデジタル庁だ。 起業やスタートアップは高い志ではじめるが、それに対する行政プロセスは柔軟であるべきだ。 そこに対応するのがデジタル庁だ。 そのデジタル庁にはスタートアップの皆さんの力を借りたい。 政府のデジタル化の恩恵が国民にあるようにしたい。 一方で、デジタル化を進めても役所がやるとUI・UXの問題が出てくる。 見た感じが駄目であればユーザーは使わない。 提供側の霞が関の論理ではなく、ユーザー側でアーキテクチャを見直したい。 例えばデジタル庁ではアイディアボックスを設置しており、そこに民間からアイディアを出してもらっている。 若者からの投稿が多い。 アイディアボックスでアイディアを募って民間と対話集会をしている。 点数上位に来たものを実行している。 例えばZIPファイルをやめたのもその一つだ。 良いアイディアはすぐに実行に移して意味がある。 そのビジョン、姿勢でデジタル省庁を立ち上げようとしている。 産業界もDXをやりきれていない デジタル化のメリットがまだまだ理解されていないが、COVID-19で日本が遅れているということに気づいたはずだ。 遅れていた政府も自らDXの先頭を走ろうとしている。 産業界もデジタル化で出遅れている。 古い産業の経営者はDXを真剣に考えているか問いたい。 一方で新しい産業は反応が速い。 デジタル庁は官民の出入りを自由にして、起業家やエンジニアを登用したい。 期待が大きい分、プレッシャーも大きい。 一方で、デジタル化につなげないアナログのところのお手伝いも含めて仕事だと思っている。 地方でも高齢者でも取り残されない「優しいデジタル」をやりたい。 民間が行政の手続きに時間を取られるようにしたくない 全ての手続をスマートフォンで60秒以内で終わるようにしたい。 こう言って自分にプレッシャーを掛けています。 ワンスアンドオンリー(1回で行政手続きが済む)ということを考えると、国中にある分断された行政システムという問題をどうするかということがある。 今まで行政システムはそれぞれの予算、それぞれの権限で予算を作っていた。 デジタル予算の8000億円の多くが維持管理コスト。だから新しいものを生んでいないじゃないか、と思う。 行政システムは、国と地方もバラバラになっている。 だからコストがかかる。 これをシームレスにしたい。 自治体ごとにバラバラのシステムなので、一つのクラウドはさすがに無理だが、いくつかのクラウドで実現するようにして、システムの保守に度を越えたお金がかからないようにしたい。 現実問題として、行政でなにかを変えると全国バラバラで作られているシステムを変えないといけないのでシステムの改修費がすごいかかる。 システムはモジュールにしクラウドベースにするのが基本になる。 そして、無駄遣いをなくし、その結果、国民とのタッチポイントが、どれだけ良くなったかが大事だ。 「今でしょ!」 デジタル庁でIt’s now or never、つまり「今でしょ!」というTシャツを作った。 そういう意気込みでやっている。 産業界のDXということでいうと、日本の上場企業3600社とGAFA 4社では時価総額で負けている。 やはり成長率では、DXをやっていない会社は低い。 産業界も内部留保よりは投資して欲しい。 アマゾンも20年間1回も配当をせずに、投資に回している。 そういう攻めの姿勢が大事だ。 DXが、ただのバズワード、表面的なはやりになってしまうことを危惧している。 経営者や現場の皆さんがやる気にならないとできないのがDX。 今回デジタル庁が新たにでき菅政権は新しい取り組みを作ろうとしている。 ただ、新しい仕組みを作れる人は、今の役所・霞が関にはいない。 民間と上手くコラボレーションしないといけない。 ただ下請けになると霞が関のやり方になってしまうので、そうではなくてメンバーとして一定の民間の人を迎え入れたい。今回のデジタル庁は、公共事業的なベンダー丸投げにはしない。 省庁出身も、この人は何省ではなく、デジタル庁という意識にしたい。 志は高く。Fast「(高速)」「Fair(公平)」「Fun(楽しい)」 スタートアップの皆さんは志をでっかく持って欲しい。 マザーズ上場を目標にやらないで、グローバルに打って出て欲しい。 そのポテンシャルはある。 来場しているスタートアップの皆さんには、台湾のIT大臣のオードリー・タンの3Fという言葉を贈りたい。 「Fast(高速)」「Fair(公平)」「Fun(楽しい)」 ということだ。 皆さんは仕事で楽しい雰囲気を作って欲しい。 霞が関は、今は、昔の働き方ブラックそのものだ。 ハッピーな感じがしない。 覚悟にまさる準備なしという。 デジタル庁はそのつもりでやる。 その気持は、ベンチャーにも通じるかもしれない。 将来、時代の転換点だったよな、と思われるようにしていきましょう。 創業手帳代表 大久保の解説 菅政権の目玉であるデジタル化。各省庁・自治体でシステムがバラバラで莫大なコストが掛かっている。 また、許認可で行政手続きのシームレスな連携ができていない。 はんこの廃止は進みつつあるが、デジタル化はまだ前途多難だ。 平井大臣は60秒で手続きが完了するようにしたい、とぶち上げた。 まだまだ紆余曲折はあるだろうが、実現すればスタートアップには無駄な労力の削減という恩恵がある。 実現するか見守りたい。 読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。 解説者紹介 大久保幸世 創業手帳 株式会社 代表取締役 大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら カテゴリ イベント 関連タグ DX デジタル・トランスフォーメーション この記事を読んだ方が興味をもっている記事 【2024年最新版】法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能? 持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは? クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた 普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳の大久保が解説! なぜもう有限会社は設立できないの? 【2024年最新】クラウドファンディングのやり方とは?種類や始め方の基本手順を押さえよう 創業関連の最新情報を毎日お届け! イベントの創業手帳ニュース 「KANSAI DX AWARD 2024」 DX推進に取り組む関西企業を表彰(7/19締切) (2024/5/9) 【8/21-22】第17回「アグリフードEXPO東京2024」 (2024/5/2) ニコニコ超会議・学生ピッチ甲子園ビジネス部門優勝&1000万円獲得はウェルヘルス土井久生馬さん 注目のニュース 大久保の視点 解説入り (2024/4/28) 【4/26開催】「Grow Startups for the Future」 (2024/4/17) 【7/3~7/5開催】九州・山口地区のものづくりの展示会「中小企業テクノフェアin九州2024」 (2024/4/4) 「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催 注目のニュース 大久保の視点 (2024/3/19) 【10/23-25開催】「食品開発展2024」 出展者募集中(5/10締切) (2024/3/14) 明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」 注目のニュース 大久保の視点 (2024/3/13) 【5/13開催】創業・成長期スタートアップ/起業家の祭典「ROCKET PITCH NIGHT SPRING 2024」 登壇者募集中 (2024/3/8) 「SusHi Tech Tokyo 2024」グローバルスタートアッププログラムなど3つのプログラムが同時期に開催 (2024/3/7) キャンペーン 女性対象 有望企業 トレンド 便利なサービス イベント 制度改正 公募 関連するタグのニュース AI映像対話システム「Talk With」を開発・提供する「シルバコンパス」が2.9億円調達 2023年9月1日、株式会社シルバコンパスは、総額2億9,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 シルバコンパスは、AI映像対話システム「Talk With」を開発・提供しています。 実在… 【東京都】「新事業展開のための設備投資支援事業」助成金 公益財団法人東京都中小企業振興公社は「新事業展開のための設備投資支援事業」について発表しました。 直面する経営課題の解決を目指す新たな事業展開に必要な最新機械設備等を購入する取り組みに助成金を交付しま… 構造解析をベースとした創薬事業を展開する「キュライオ」がAI創薬の「iSiP」と戦略的業務提携に関する契約を締結 2022年8月5日、株式会社キュライオは、iSiP株式会社との間で、戦略的業務提携に関する契約を締結したことを発表しました。 キュライオは、クライオ電子顕微鏡による構造解析をベースとした自社創薬事業と… 【3/27締切】「ものづくり補助金」第18次公募が開始 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)」の第18次公募が開始されました。 中小企業・小規模事業者などが今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の… クラウド物流管理ソリューション「MOVO」と物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」を展開する「Hacobu」が14.7億円調達 2023年5月23日、株式会社Hacobuは、総額14億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Hacobuは、クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」シリーズと、物流DX… 大久保の視点 ニコニコ超会議・学生ピッチ甲子園ビジネス部門優勝&1000万円獲得はウェルヘルス土井久生馬さん 2024年4月27日(土)~2024年4月28日(日)に幕張メッセでニコニコ超会議実行委員会で『ニコニコ超会議2024』が開催された。 『ニコニコ超会議20… (2024/4/28) 「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催 2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH… (2024/3/19) 明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」 2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各… (2024/3/13) 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら 注目のニュース ニコニコ超会議・学生ピッチ甲子園ビジネス部門優勝&1000万円獲得はウェルヘルス土井久生馬さん 「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催 明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」 最新の創業手帳ニュース キャリアSNSを運営する「YOUTRUST」が2億円超調達 (2024/5/14) スポーツ・エンタメ予想アプリ「なんドラ」を手がける「なんでもドラフト」に「やらまいかファンド」が出資 (2024/5/14) 「2024年度貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)」 (2024/5/14) 【東京都】「バリアフリー情報発信支援事業補助金」 (2024/5/14) 日本円ステーブルコインを取り扱う「JPYC」が資金調達 (2024/5/13) 半導体領域特化型転職エージェントサービスを手がける「半導体総合研究所」が2,000万円調達 (2024/5/13) 解体工事DXプラットフォームを運営する「クラッソーネ」が12.2億円調達 (2024/5/13) 【東京都】「TOKYO地域資源等を活用したイノベーション創出事業」助成金 (2024/5/13) 令和6年度「農福連携技術支援者育成研修(第8期・第9期)」受講者募集 (2024/5/13) 【5/20締切】「小規模事業者持続化補助金」第16回公募 (2024/5/13) 記事についてのお問い合わせはこちら 創業時に役立つサービス特集 低コストで成果の出るプロモーション動画を作るには? 経理担当者の負担を軽減する3つの方法とは? 決裁者・経営者からのアポ獲得にはECApoがおすすめ!ワンクリックで商談獲得 バーチャルオフィスFIRMならローコストで一等地にオフィスが持てる 賃貸・売買・管理全ての不動産業務の成果最大化と業務効率化をかなえるシステムとは 会社設立時に顧問税理士をつけるべき理由とその役割 注目インタビュー記事 ヴァンガードスミス 田中慶太|『事件未満』のトラブル解決で新たな防犯インフラの確立を目指す サイエンスアーツ 平岡秀一|ワンプッシュでコミュニケーション!デスクレスワーカーをつなげるプラットフォーム「Buddycom」で社会課題を解決 レンティオ 三輪 謙二朗|カメラ・家電のレンタル事業で急成長! 代表に聞く資金調達のコツと事業拡大戦略 軒先 西浦 明子|隙間を活かす軒先ビジネス Jocy 鈴木 みずほ|元部下・元上司コンビで起業!? 定額制美容サービスアプリ「MEZON」で女性が輝く瞬間をつくる じゅそうけん|X(旧Twitter)フォロワー数8万人以上!SNSを伸ばすコツ
創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2020年11月25日 注目のニュース 大久保の視点 解説入りデジタル庁平井大臣「日本はデジタル敗戦」「産業界はDX遅れている」「全手続をスマホで60秒以内に完了させたい」DX化に気炎
平井大臣がスタートアップ関係者にデジタル化の方向語る
2020/11/25に平井卓也デジタル改革担当大臣が「全手続をスマホで60秒以内で完了したい」とスタートアップ関係者の前でDXの意気込みを語った。
虎ノ門ヒルズのCIC Tokyoの開所イベントに参加した起業家、投資家、イノベーション関係者に平井大臣が参加しデジタル化の方向について語った。CIC Tokyoはマサチューセッツ州ボストン・ケンブリッジ発祥のイノベーションセンターで、虎ノ門にオープンした。日本の代表は梅澤高明氏(CIC Japan会長/A.T. カーニー日本法人会長)。創業手帳も参加し現場から平井大臣のスタートアップ向けの発言をお届けします。
日本はデジタル敗戦。システム分断された日本を統合する。
平井大臣
日本はデジタル敗戦した。政府のDXで言えば、例えば給付金で10万円振り込むのに経費・人件費1500億円かかってしまった。
国民がお金をもらう方なので、協力してもらいやすいはずなのにそうなってしまった。
デジタルの時代には考えられない。
一事が万事で、デジタルの重要なポイントである「つながる」ということができなかった。
例えば通信インフラで言えば光ファイバーの普及率などは海外に負けてはいない。
ただ、DXの実質的な進み方が悪いのが大きな問題点。
その出遅れを取り戻して、変えてやる、というのがデジタル庁だ。
起業やスタートアップは高い志ではじめるが、それに対する行政プロセスは柔軟であるべきだ。
そこに対応するのがデジタル庁だ。
そのデジタル庁にはスタートアップの皆さんの力を借りたい。
政府のデジタル化の恩恵が国民にあるようにしたい。
一方で、デジタル化を進めても役所がやるとUI・UXの問題が出てくる。
見た感じが駄目であればユーザーは使わない。
提供側の霞が関の論理ではなく、ユーザー側でアーキテクチャを見直したい。
例えばデジタル庁ではアイディアボックスを設置しており、そこに民間からアイディアを出してもらっている。
若者からの投稿が多い。
アイディアボックスでアイディアを募って民間と対話集会をしている。
点数上位に来たものを実行している。
例えばZIPファイルをやめたのもその一つだ。
良いアイディアはすぐに実行に移して意味がある。
そのビジョン、姿勢でデジタル省庁を立ち上げようとしている。
産業界もDXをやりきれていない
デジタル化のメリットがまだまだ理解されていないが、COVID-19で日本が遅れているということに気づいたはずだ。
遅れていた政府も自らDXの先頭を走ろうとしている。
産業界もデジタル化で出遅れている。
古い産業の経営者はDXを真剣に考えているか問いたい。
一方で新しい産業は反応が速い。
デジタル庁は官民の出入りを自由にして、起業家やエンジニアを登用したい。
期待が大きい分、プレッシャーも大きい。
一方で、デジタル化につなげないアナログのところのお手伝いも含めて仕事だと思っている。
地方でも高齢者でも取り残されない「優しいデジタル」をやりたい。
民間が行政の手続きに時間を取られるようにしたくない
全ての手続をスマートフォンで60秒以内で終わるようにしたい。
こう言って自分にプレッシャーを掛けています。
ワンスアンドオンリー(1回で行政手続きが済む)ということを考えると、国中にある分断された行政システムという問題をどうするかということがある。
今まで行政システムはそれぞれの予算、それぞれの権限で予算を作っていた。
デジタル予算の8000億円の多くが維持管理コスト。だから新しいものを生んでいないじゃないか、と思う。
行政システムは、国と地方もバラバラになっている。
だからコストがかかる。
これをシームレスにしたい。
自治体ごとにバラバラのシステムなので、一つのクラウドはさすがに無理だが、いくつかのクラウドで実現するようにして、システムの保守に度を越えたお金がかからないようにしたい。
現実問題として、行政でなにかを変えると全国バラバラで作られているシステムを変えないといけないのでシステムの改修費がすごいかかる。
システムはモジュールにしクラウドベースにするのが基本になる。
そして、無駄遣いをなくし、その結果、国民とのタッチポイントが、どれだけ良くなったかが大事だ。
「今でしょ!」
デジタル庁でIt’s now or never、つまり「今でしょ!」というTシャツを作った。
そういう意気込みでやっている。
産業界のDXということでいうと、日本の上場企業3600社とGAFA 4社では時価総額で負けている。
やはり成長率では、DXをやっていない会社は低い。
産業界も内部留保よりは投資して欲しい。
アマゾンも20年間1回も配当をせずに、投資に回している。
そういう攻めの姿勢が大事だ。
DXが、ただのバズワード、表面的なはやりになってしまうことを危惧している。
経営者や現場の皆さんがやる気にならないとできないのがDX。
今回デジタル庁が新たにでき菅政権は新しい取り組みを作ろうとしている。
ただ、新しい仕組みを作れる人は、今の役所・霞が関にはいない。
民間と上手くコラボレーションしないといけない。
ただ下請けになると霞が関のやり方になってしまうので、そうではなくてメンバーとして一定の民間の人を迎え入れたい。今回のデジタル庁は、公共事業的なベンダー丸投げにはしない。
省庁出身も、この人は何省ではなく、デジタル庁という意識にしたい。
志は高く。Fast「(高速)」「Fair(公平)」「Fun(楽しい)」
スタートアップの皆さんは志をでっかく持って欲しい。
マザーズ上場を目標にやらないで、グローバルに打って出て欲しい。
そのポテンシャルはある。
来場しているスタートアップの皆さんには、台湾のIT大臣のオードリー・タンの3Fという言葉を贈りたい。
「Fast(高速)」「Fair(公平)」「Fun(楽しい)」
ということだ。
皆さんは仕事で楽しい雰囲気を作って欲しい。
霞が関は、今は、昔の働き方ブラックそのものだ。
ハッピーな感じがしない。
覚悟にまさる準備なしという。
デジタル庁はそのつもりでやる。
その気持は、ベンチャーにも通じるかもしれない。
将来、時代の転換点だったよな、と思われるようにしていきましょう。
創業手帳代表 大久保の解説
菅政権の目玉であるデジタル化。各省庁・自治体でシステムがバラバラで莫大なコストが掛かっている。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。また、許認可で行政手続きのシームレスな連携ができていない。
はんこの廃止は進みつつあるが、デジタル化はまだ前途多難だ。
平井大臣は60秒で手続きが完了するようにしたい、とぶち上げた。
まだまだ紆余曲折はあるだろうが、実現すればスタートアップには無駄な労力の削減という恩恵がある。
実現するか見守りたい。
解説者紹介
大久保幸世 創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。
イベントの創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
2023年9月1日、株式会社シルバコンパスは、総額2億9,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 シルバコンパスは、AI映像対話システム「Talk With」を開発・提供しています。 実在…
公益財団法人東京都中小企業振興公社は「新事業展開のための設備投資支援事業」について発表しました。 直面する経営課題の解決を目指す新たな事業展開に必要な最新機械設備等を購入する取り組みに助成金を交付しま…
2022年8月5日、株式会社キュライオは、iSiP株式会社との間で、戦略的業務提携に関する契約を締結したことを発表しました。 キュライオは、クライオ電子顕微鏡による構造解析をベースとした自社創薬事業と…
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)」の第18次公募が開始されました。 中小企業・小規模事業者などが今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の…
2023年5月23日、株式会社Hacobuは、総額14億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Hacobuは、クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」シリーズと、物流DX…
大久保の視点
2024年4月27日(土)~2024年4月28日(日)に幕張メッセでニコニコ超会議実行委員会で『ニコニコ超会議2024』が開催された。 『ニコニコ超会議20…
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
注目のニュース
最新の創業手帳ニュース