CXOバンク 中村 一之|「社員を雇わない起業家」がTECCの労務相談を徹底的に活用するワケ

※このインタビュー内容は2019年07月に行われた取材時点のものです。

「逆張り起業家」の中村一之氏に、起業家がTECCを利用すべきポイントを聞きました

(2019/07/11更新)

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中村一之氏は、商社系ベンチャー、コンサルティングベンチャー、法律事務所など様々な業種を経て、2018年8月に経営者支援事業を展開するCXOバンク株式会社を創業しました。「逆張り起業家」として、社員を雇わずフリーランスとともに組織を作り、将来的に上場ではなく、バイアウト(株の買い占めによる買収)を目指す、という経営モットーで注目を集めています。

そんな中村氏は、事業のために東京圏雇用労働相談センター(TECC)を活用しています。経営者向けに、人を雇う際に整えるべき「労務」領域について、専門家によるサポートを全て無料で提供しているTECC。「社員を雇わない」をモットーにしている中村氏が、TECCを活用し、さらに周りの起業家に勧めている理由はどこにあるのでしょうか。TECCのメリットについて、話を聞きました。

中村一之(なかむら かずゆき)CXOバンク株式会社 代表取締役社長CEO
これまでにThe CFO Consulting株式会社、弁護士ドットコムグループ法律事務所、アライアンスパートナーズ株式会社などの役員やCOOを経て、2018年8月にCXOバンク株式会社を設立。経営者同士のマッチングプラットフォーム作りに携わる。

数多くの企業経験で一番大変だった「労務」のトラブル

ー最初に「逆張りの起業家」というスタンスに至ったきっかけを教えてください

中村:私は36歳で起業する前、5社の企業を渡り、そのうち4社では役員となり、人を雇って組織を作ることに携わってきました。その中で一番苦労したのが「人=労務」の問題だったんです。

50人規模の部下を持ち、マネジメントしていたのですが、部下に自分の仕事のクオリティを厳しく求めてしまった結果、優秀な人材が自分のもとを去っていった、という苦い経験もあります。

そんな経験を経て、「社員を雇わずに企業を作る方法はないか」と考えるようになりました。ちょうど、最近プロのフリーランスとして働く人が増えてきたということもあり、将来的なことを考えて、フリーランスのみで事業を展開し、将来的にバイアウトを目指すという、前例の無い経営モデルを作ろうと思ったのがきっかけです。

ーTECCを利用するようになった理由を教えてください

中村:法律事務所の幹部時代、様々な企業の顧問となって、いろいろな相談を受けましたが、「労務」関係の相談が一番多かったんです。例えば「組織のナンバー2が会社を辞めて、競合会社を立ち上げてしまった。どうしたらいい?」、といった話ですね。

法律事務所のあと、財務コンサルティング会社の幹部を務めたときも、やはり労務の課題に向き合いました。多くの経営者は、資金調達をした時に人を雇います。しかし、就業規則など労務まわりの整理をしていない状態で大量の人を雇ってしまって、トラブルが起きる、というパターンが非常に多かったです。

コンサルとして100社以上の企業のリーガル、ファイナンス部分を見る中でわかったのは、多くの起業家・経営者が労務で苦労しているということです。私自身も、所属していた会社で「労務をしっかりしておけばよかった!」と思うことが多々ありました。

また、労務に悩む起業家は、誰に相談すればいいかも知らない人が多い。自分の事業に合う専門家を一から探すにも時間がかかります。この苦労を知っていたので、自分が起業家になってから、労務関係について無料で相談できるTECCさんの存在を知った時、「これはいいぞ!」と思いました。

労務の問題は「起きてから」では遅い!トラブル予防でTECCを活用する重要性

ー実際にTECCをどのように利用していますか

中村:私は基本的に業務委託のフリーランスメンバーで事業をやっていますが、将来バイアウトに向けて企業価値を最大限に高めるためには、労務・コンプライアンスを意識した組織づくりをしなければならないという認識を持っています。TECCさんには

  • メンバーごとに源泉徴収が必要なのかどうか
  • 将来バイアウトを考えるのであれば、私一人しか従業員がいなくとも就業規則をつくっておいたほうがいいのか
  • 一人で事業を行う場合、役員報酬の設定はどうすればよいか

といった労務周りの相談に乗ってもらっています。他にも

  • 人を雇うとき・逆に退職するときもしっかり誓約書を取っているか
  • 就業規則が自社の従業員に合った最新の内容になっているか
  • 業務委託と雇用の違いをきちんと整理し、理解しているか
  • 起業パートナーのポジションや、どういった形態で携わってもらうか明確にしているか

など、労務に関するあらゆる疑問が出てきます。私にとってTECCさんを使うことは、フリーランスの専門家に仕事を依頼する時と感覚が似ていますね

ー起業家がTECCを利用する時、どんなポイントを意識すればいいでしょうか

中村:起業家が事業について誰かに相談をするのは、たいてい「なにか問題が起きてから」です。それでは遅いですね。起業家は、特に労務に関する話では、問題が起きる前の予防としてTECCを頼るべきだと伝えたいです。

会社を作ると、間違いなく「人」の問題で揉めます。気になることはなんでもいいから相談したほうがいいです。さらに、スタートアップ、中堅、上場後など、企業のステージごとに発生する問題も変わってきます。TECCさんは何度使っても無料なので、事業ステージごとに予防の相談をするくらいの気持ちで使うといいと思います。

ーこれからTECCを利用する起業家に向けてメッセージをお願いします

中村:法律事務所の幹部として、労務に関する情報や契約書などの法的部分について詳細に確認し、プロの弁護士相手に仕事をしてきた経験を持つ私でも、労務関係でわからないことがまだまだたくさん出てきます。また、調べれば調べるほど自分の組織に合う答えが出てこなくなるというジレンマもあります。

だからこそ、起業家の皆さんにはまずTECCの存在を知り、なんでも相談してみてほしい。特に起業したてで、労務関係の情報に明るくない起業家の人は、今すぐにでも行って!と言いたいくらいです。

起業時の労務の悩みはTECCに相談しよう!

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(監修: TECC(東京圏雇用労働センター)
(編集: 創業手帳編集部)



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