Hajimari 木村 直人|課題解決にコミットできる即戦力のフリーランスと企業をマッチング

創業手帳

「自立」し「幸せな自分の人生を生きていく人」を増やせる企業でありたい

フリーランスのプロ人材と企業とのマッチングサービス「ITプロパートナーズ」。登録しているフリーランス人材は8万人以上、サービス利用社数は3,500社、そして売上高の伸び率が年平均159%と、破竹の勢いで成長している注目の人材サービスです。

運営するのは「Hajimari(ハジマリ)」。代表取締役の木村直人さんに、サービスが支持される理由から、変化が激しい時代においてこれからの人材に必要とされる能力、同社のビジョンと今後の展望まで、創業手帳の大久保がお話を伺いました。

木村 直人(きむら なおと)
株式会社Hajimari 代表取締役
早稲田大学卒業後、大手損害保険会社を経て、株式会社アトラエ入社。成功報酬型求人サイト「Green」の立ち上げから関わり、仕組みを作る。その後人材系のベンチャー企業に参画し、取締役COOに就任。新規事業としてIT分野のプロフェッショナル人材を活用する「ITプロパートナーズ事業」を立ち上げる。
2015年4月より「ITプロパートナーズ事業」を業務移管させる形で、株式会社ITプロパートナーズ(現:株式会社Hajimari)を創業。代表取締役に就任。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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大手損保から無名のベンチャーへ「自立した生き方」を求め転職

大久保:大手の損保会社から社会人のキャリアをスタートされたそうですね。

木村:ええ、しかし私は、大手損害会社を1年で退職してしまいます。理由は「こうなりたい」と思える先輩や上司がおらず、将来像を描けなかったから。私は「ここでずっと同じ仕事を続けて、この会社のことしかできなくて、もし会社が倒産でもしたら生きていけるんだろうか」と、危機感にも似た不安や不満で爆発しそうになっていました。ある時同僚が「定年まで40年ワープしたい」と言った事に自分も共感してしまって、一度しかない人生これじゃだめだなと思い転職を決めました。

今思い返すと当時の私は若手社員が感じる典型的な不満を抱え、その不満を自ら変えていくにはあまりにも無力であり、転職することでしか解決することができなかったということだと思います。

現場に不満を言うことしかできず、何も変えることが出来ない無力な自分から、力をつけることで、会社がどんな状況になっても自分で解決していくことができる。そういう自立した人材になりたい。そのためには「当事者意識を持って働ける、規模の小さい会社に行きたい」と考え、当時はまだ実績もなかったベンチャー企業「アトラエ(当時:I&Gパートナーズ)」に転職しました。

大久保:超大手から無名のベンチャーへの転職、どのような気持ちでしたか。

木村:「もう元のレールには戻れない」「大企業の看板なしで生きていける実力はあるのか」といった不安は大きく、覚悟の必要な転職でした。周囲にもずいぶん反対されました。

今でこそ「アトラエ」は転職サイト「Green」を擁し、東証プライムにも上場している優良企業ですが、当時はまだまだ実績がない、人材紹介メインの会社でした。業界初の成功報酬型転職サイト「Green」の立ち上げに関わり、そこから6年半、大阪支社の立ち上げなども含め、営業に駆け回りました。毎日を生きているという実感がありましたし、「自分が選んだ道を正解にしていく」という言葉の意味が分かった時期でもありました。多くの失敗と少しの成功を積み重ね「会社がどんな状況になっても自分で解決していくことができる。そういう自立した人材になる」という目標を少しずつ達成しつつありました。すると、今度は心の中に「自分がビジネスにおいて実現したいことは?」という命題が浮かび上がってきたのです。

大久保:その問いへの答えはなんだったのでしょう。

木村「情熱をもって自立し、自分ごととして人生を生きる人を応援したい」ということです。私は強い覚悟の必要だった最初の転職を経て、人生が変わりました。その喜びを広めたかった。「覚悟」や「自立」はパーソナルなものですが、そういった人を応援する仕組みをビジネスで創出すれば、多くの人の人生を楽しく充実したものにするお手伝いができるのではないかと思ったのです。

苦労の道であることは分かっていましたが、今度は経験もあるので、前回のような不安に苛まれることはありませんでした。同じ方向性のビジョンを掲げている社員2名のベンチャーにジョインし、そこで弊社の前身となる「ITプロパートナーズ」事業部を立ち上げました。最終的に「ITプロパートナーズ」事業を業務移管していただき、2015年に運営会社「Hajimari(当時:ITプロパートナーズ)」を起業したという経緯です。

課題解決にコミットできる即戦力のフリーランスを企業に繋げる

大久保:今一度「ITプロパートナーズ」の事業をご紹介ください。

木村優秀な起業家・フリーランスのIT人材と企業のマッチング提供サービスです。IT系企業が喉から手が出るほど欲しい「即戦力人材」を、必要な部分に業務委託の形で補っていきます。業務委託と言っても作業の外出しではありません。企業の課題を解決できる、本質にコミットできる即戦力人材をマッチングします。

「アトラエ」時代に数千社の営業をする中で、IT系の企業が、特にエンジニアやマーケターなどの即戦力人材を採用できない事に悩んでいる様子をつぶさに見てきました。一方で優秀なIT人材は、独立したものの、収入確保のために低単価の仕事を受けて消耗している人も多かったのです。両者をマッチングすれば双方の問題を解決できます。また、私のミッションである「情熱を持って生きる人を支援する」こともできるのです。

今後も企業のニーズに合わせてこの領域は拡大していく予定です。

大久保:しかし当初は特に企業側からあまり理解が得られず、ご苦労されたとか。

木村:最初は企業様に理解頂くことに苦労しました。「週3日から」「業務委託のフリーランス」と聞いた途端「守秘義務は大丈夫なの」「指示を聞いてくれないんじゃない」など散々な反応でした。しかし、当時から欧米ではIT現場でフリーランスが増えているという状況でした。日本には副業解禁といった流れはまだ来ていませんでしたが、タイムマシン式に日本でも必ず業務委託を入れた業務の進め方が広まっていくと感じていました。

最初の数件は、前職で培った私自身の信用で導入を決めていただきました。「まず1人」との依頼に優秀な人材をアサインできると、そこからは次々と依頼が舞い込んできました。今ではフリーランスという働き方も珍しくはなくなり、肌感で全体の30%ぐらいの企業は、業務委託での課題解決に積極的で、すでに業務委託を活用している企業は事業成長への大きなインパクトを感じているようです。

自分で考える能力から主体的な行動が生まれる

木村:先行きが不透明で変化の早いこの時代、「自分で考えて行動し、どこの職場でも結果を出す事ができる能力」はますます重要になってきています。日本の労働人口はどんどん減っていきますから「必要な時に必要なところに即戦力を入れる」という企業のスタンスもますます強まっていくでしょう。

とはいえ、全ての人にとってフリーランスが最適解であるとは全く思っていません。組織の一員として皆で同じ目標を持って頑張る事は素晴らしい事だし、チームで大きな事を成し遂げる事にやりがいを感じる人も多いと思います。大事な事は会社員、フリーランス関係なくどこの職場でも結果を出す事ができる能力を身につけていく事かなと思います。

大久保:どこの職場でも結果を出す事ができる人材になるために、どのような能力が必要でしょうか。

木村「自分がワクワクできることを自分で考えられる能力」は大事だと思っています。そういった情熱があってこそ、主体的で能動的な学びや行動が起こせるからです。「こうありたい」という姿を考える機会を持ち、そこに向かっていく力があれば、変化する時代にも順応していけますし、本質的な幸せにつながっていくと思います。

とはいえ、起業や自分探しなど、特別なことを勧めているわけではありません。「夢を見つけなくちゃいけない」というのも語弊があります。身近な世界の中で、その都度自分のしたいことを能動的に見つけ、情熱を持って自立した人生を生きていける人が増えればいいと思っています。

大久保:なるほど。ほかに大切なことはありますか。

木村圧倒的な「顧客志向」「貢献志向」でしょうか。その仕事に対して、自分がどう役に立てるのかを考えている人は、高い評価が得られます。普段支援しているフリーランスの方々を取ってみても、「“フリー”ランス」という名称とは裏腹に「自由に自分のやりたいことをして成長し、評価を得たい」という思考は非常に危険です。フリーランスは貢献して対価を得るのが仕事ですから、ベクトルが自分にばかり向いている人はやっていけません。「徹底的にパフォーマンスを出しお客様に貢献する」「自己成長の道筋は自分で考える」そういう方でないと継続して活躍していくのは難しいと思います。

トータルで自立した幸せな自分の人生を生きていく人を増やしたい

大久保:海外にも進出されているのですね。

木村:アメリカの西海岸からサービスを始めています。現在日本での登録者は8万人を超えましたが、将来的にトータルで日本の労働市場はシュリンクしていく可能性が高いので、早い段階で海外進出を見据えていました。

ところがグローバル市場で、日本人エンジニアはあまりにも存在感がありません。海外大手のクラウドソーシング「Upwork(アップワーク)」にも日本人エンジニアの登録は少ない。これは非常にもったいないことです。海外の報酬は、日本とは数倍違います。弊社の例では、業務委託での活躍を評価されて、1,700万円の年収をオファーされたエンジニアもいます。優秀な日本のエンジニアには、世界で戦ってもらいたいと思っています。

大久保:「Hajimari」の理想の姿はどのようなものでしょうか。

木村自立した幸せな自分の人生を生きていく人を増やしたい、それに足る能力や機会を増やすための企業でありたいと思っています。その一環として、グローバルに進出すると同時に、長野に拠点を設け、地方人材の都内案件へのマッチングにも取り組み始めました。地方で働く人の中には、本当は地元で働きたいけれど、得られる経験や金銭面の問題から大都市の仕事につく方も多い。でも今の時代はしっかり能力がある人であれば、地方で働きながら大都市にいるのと同じ経験や報酬を得る事だって出来る。そうやって地方でも自立した人材を増やしていきたいと考えています。

また、ITの分野だけでなく、幅広い職種でフリーランスとして働くプロフェッショナルを企業にご紹介できるよう、事業領域も拡大しています。現在はマーケター、人事、経理・財務、社外メンターを対象とした事業を展開しており、今後も企業のニーズに合わせてこの領域は拡大していく予定です。

木村:創業したての1~2年こそ、楽しんでやってほしいと思います。私も経験したので、基本的に辛い時期であるのは分かっているのですが、熱量の高いこの時期を、思い悩みながら過ごすのはもったいない。自分で選んだ起業の道ですから、初心を忘れず、自らのミッションに向き合って、ワクワクする気持ちを大切に進んでいってほしいですね。

大久保写真大久保の感想

ITプロパートナーズが立ち上がった直後から注目していました。

クラウドソーシングなどと違い、案件をオーガナイズする力が特徴と言えそうです。海外に日本の人材が通用するのかという挑戦が気になるところです。

人材不足や新事業へのニーズ、円安の追い風もあるので今後注目の会社ですね。

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(取材協力: 株式会社Hajimari 代表取締役 木村直人
(編集: 創業手帳編集部)



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