許認可が必要な事業にはどんなものがある? 起業前にチェックしておきたい基礎を解説

創業手帳

許認可の大枠を解説します

(2019/09/02更新)

起業を考える前に確認しておきたいのが、「許認可が必要な事業かどうか」です。美容業やペットショップなど、業法によって事業者に資格制限を課している事業は多数あります。さらに、許認可を受ける窓口も業種によって異なります。

今回は、許認可が必要な事業例と、手続きの窓口、頼れる専門家など、抑えておきたいポイントを紹介します。せっかく開業準備が整ったのに、許認可を受けられず、営業が開始できなかった!といった事態にならないよう、しっかり確認しておきましょう。

また、無事開業が決まったあとは、開業後の事業運営についての情報が必要になると思います。冊子版の創業手帳(無料)では、“資金調達・キャッシュフロー”、“会計・経理・決済”、“社内システム”、“オフィス・店舗”、“制作物”、“販路拡大”、“ネット活用”、“総務・人材採用・労務”、”契約書・法務”の全9章で整理し、開業後に役立つノウハウをわかりやすく解説しています。

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許認可とはなにか?

許認可をカンタンに言うと、営業に必要な手続のことです。許認可が必要な業種は1000種類以上にも及ぶとされていますが、それらは大きく「届出」、「登録」、「許可」、「認可」、「免許」の5種類に分類されます。それぞれの「業法」を中心とする法令に手続内容が定められており、法令の定めの通り手続を行わないと営業ができないだけでなく、許認可なく営業を行った場合は、業法違反として処罰される可能性もあるので注意しましょう。

手続きの窓口なども許認可の種類によって異なるので、事前にチェックする必要があります。

手続名 窓口行政機関 該当業種
免許 税務署 酒の製造・販売・卸売など
都道府県庁 不動産業など
許可 警察 パチンコ店・ゲームセンタ―など
保健所 飲食業・食品製造業・ドラッグストアなど
都道府県庁 介護業・建設業・医薬品製造販売など
労働局 人材派遣業
運輸局 タクシー業
認可 警察署 リサイクルショップ、中古車販売、警備業など
都道府県庁 保育園、人材派遣業など
登録 都道府県庁 旅行業・ペットショップ・貸金業・電気工事業・ガソリンスタンドなど
国土交通省 倉庫業・運送業・測量士など
届出 警察署 探偵業、インターネット異性紹介業
市区町村 有料駐車場業など
保健所 理容業・美容業・マッサージ業・クリーニング店など

このうち飲食や店舗系に必要な許認可は、飲食開業手帳(無料)が詳しく解説しています。参考にしてみてください。

専門家にアドバイスを求めよう

自分の開業を予定している業種で許認可が必要か、必要な場合、準備しておくべきものは何か、起業を初めて行う人が、一から調べて、全てを把握することは難しいでしょう。

法令の定めを理解する専門知識が求められるほか、自治体が窓口になっている許認可制においても各自治体で制度の運用が異なり、要求される書類も差異があるため、業種によっては「窓口に尋ねてもよく理解できなかった」といった状況になる可能性もあります。

もしも間違った準備を進めた場合、修正には手間・時間、費用といったコストがかかります。法令の知識が十分にあり、実務の実態をよく知った専門家への相談を検討するとよいでしょう。

行政書士・中小企業支援センター等、賢く使って準備する


許認可の専門家は、行政書士です。行政書士は、許認可の要件をどのように満たすことができるか相談に乗ってくれるほか、書面の作成・申請を代行も対応してくれます。

無料で利用できる相談窓口としては、都道府県の中小企業支援センター・各地の商工会議所の起業相談などがあげられます。こちらは書面の作成や申請代行など、実務のサービスは提供していませんが、どの専門家に頼ると良いのかなど相談にも乗ってもらえるので、具体的にアクションを起こす前のステップで活用すると良いかもしれません。

また、創業に関する支援を行っている機関はほかにもあります。たとえば、地方銀行・信用金庫・信用金庫などの地方金融機関です。これらは、事業計画書の策定支援や、創業セミナー、経営コンサルティングなどの支援を行っています。冊子版の創業手帳では、地方金融機関の創業支援について詳しく解説していますので、ぜひ創業の際の参考にしてみてください。

許認可の要件の概要と対応のポイント

専門家への相談にあたって、「許認可の要件」というキーワードが出てきます。専門的な詳細は専門家に相談すると良いですが、事前に概要と対応のポイントは事前におさらいしておきましょう。

許認可の要件の概要

許認可の要件には、

  • 人的要件
  • 物的要件
  • 財産的要件

の3種類があります。

人的要件は、営業を営むまでに一定の資格や経験が必要とされている要件のことです。例えば「破産者で復権を得ていない人」が許認可を受けることができなかったり、「業法違反事実が過去一定の期間内にない」ことが求められたりします。経営事項の管理責任者の要件や、専任技術者の要件を満たす必要がある建設業などは、人的要件が非常に厳密とされています。

物的要件は、営業所や事務所・倉庫など設備の設置に必要な条件がある要件のことです。営業所や衛生面の要件が厳密な飲食業や、安全面で多数の要件を満たすガソリンスタンドなど、細かな要件が求められます。

財産的要件は、営業において自己資金・預金口座残高などについて一定以上の経済的な基盤が求められる要件のことです。業種によって厳しさの条件も異なります。

起業家が対応すべきポイント 早めの準備

例えば、リサイクルショップ営業に必要な古物商の許可を受けるには、物的要件を満たす営業所を用意する必要があります。その他設備や、営業所・設備が法令に書かれた要件を満たしていることを証明する書類(免許制においては資格証明の用意も必要です)、申請書類などを用意することになりますので、準備には相当の費用と時間がかかります。

このように、許認可の種類によっては開業資金や計画の見積もりがハードな場合も出てきます。充足をするのが難しい要件の場合、開業計画そのものを見直し・修正する必要が出てくることもあるでしょう。早い段階から許認可についての準備を練っておくことは必須です。

起業家が対応すべきポイント 要件とスケジュールの整理と把握

起業家としては営業予定の上記の人的要件・物的要件・財産的要件を行政書士等の専門家と確認し、それぞれになにがあるのか、表にまとめておくなどして、頭に入れておくことが重要です。

表にまとめる際は、人的・物的・財産的要件を満たすことを証明する書類はなにかも書き加えることが必要となります。さらに、調達に必要な時間と費用はいくらか、そして開業予定日から何日前に必要設備や必要書類がそろうのか、といったスケジュールについても整理しましょう。こうして整理して頭に入れておくことにより、準備の間に書類や段取りに足りない点が生じたとしても、迅速にカバーすることが可能になります。

まとめ

許認可は営業の開始の可否を決定づける重要な開業上の手続きです。今回紹介した専門家への相談や対応のポイントを踏まえて、余裕をもって対応しましょう。

そして許認可が得られたあとは、開業に必要なものを揃える必要があります。ただ起業前後は忙しい場合が多いと思います。冊子版の創業手帳では、起業後に必要となる税務関係手続きや、社内システムの整備について詳しく解説しています。事前に準備をしておくことで、余裕を持って起業を迎えることができるでしょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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