知らなかったでは済まされない!ネットショップ開業で押さえておくべき許認可について

創業手帳

専門家が解説します

(2019/04/08更新)

インターネットの普及によって、ネットショップを開業する方が増えてきています。ですが、扱う品目によっては許可や認可、取扱資格が必要な場合があるのをご存知でしょうか?
それらは法律で定められているものなので、「知らなかった…」では済まされません。

今回は、これからネットショップの開業を検討している方に向けて、必要な許認可や届出について品目ごとに専門家がわかりやすく解説します。

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食品の場合

食品の場合、扱う品目によって許認可が「必要ない場合」と「必要となる場合」に分かれます。
また、食品衛生法などの法令では許可が不要とされていても、各自治体による条例で届出を必要となる場合もあります。必ず事前に、営業所を管轄する保健所に相談するようにして下さい。

許認可が必要ない場合

生産農家から農産物を直送する場合や、パッケージされた加工品をそのまま開封することなく販売する場合

(例)

  • 生産農家で生産した野菜・果物等を直送する場合
  • スナック菓子や缶詰
  • 製造・加工をせず弁当や惣菜、パンなどの完成品を仕入れて単に販売する場合

許認可が必要となる場合

以下の品目を製造・加工・販売を行う場合

  • 食品衛生法に定められた許可業種
    (飲食店、喫茶店、菓子製造業、あん類製造業、アイスクリーム製造業、食肉販売業、魚介類販売業等の34業種:食品衛生法第51条、第52条)
  • 各自治体で制定された条例に定められた許可業種
    (東京都の場合は、つけもの製造業・製菓材料等製造業・そう菜半製品等製造業等)

ですが、上記で解説したような許認可が必要ないケースであっても、それを小分けにパッケージし直す場合は営業許可が必要な場合があります。この点も、注意が必要です。

(例)

  • 自社で製造する菓子・ケーキ、ジュースやジャム、魚介類や乳製品

必要な許認可や資格、申請先

食品を扱う場合は、主に「食品衛生法に基づく営業許可」と、「食品衛生責任者の資格」が必要です。申請先は、以下の通りです。

  • 食品衛生法に基づく営業許可:営業所を管轄する保健所
  • 食品衛生責任者の資格:各都道府県食品衛生協会や特定市における市食品衛生協会

酒類

アルコール度1%以上の品目を販売する場合、酒税法による販売の免許が必要です。
ちなみに、アルコール度1%以上のみりんも対象になるので、注意が必要です。

許認可が必要ない場合

アルコール度が1%に満たない飲料、食料品を販売する場合

(例)

  • ノンアルコールビール、酒まんじゅう、奈良漬け、ウイスキーボンボン、ブランデーケーキ
    (食品として製造販売をおこなう時は、食品衛生法上の許認可が必要です。)

許認可が必要となる場合

アルコール度1%以上の酒類やみりんの販売

必要な許認可や資格、申請先

小売りの場合の販売免許は、「一般酒類小売業免許」と「通信販売酒類小売業免許」の二つです。
卸売りの場合の販売免許は、「洋酒卸売業免許」と「輸入卸売業免許」、「輸出卸売業免許」、「自己商標卸売業免許」、「全酒類卸売業免許」、「ビール卸売業免許」と多岐にわたります。

一般的な個人を対象とするネットショップでは、「一般酒類小売業免許」や「通信販売酒類小売業免許」を取得することになります。その違いを以下にまとめました。

販売免許 概要 注意点
一般酒類小売業免許 ・販売できる酒類に制限がない
・同一都道府県であればこの免許だけで通信販売も可能
・お酒の販売場(店舗)が必要
・酒類販売管理者や責任者の選任・届出が必要
通信販売酒類小売業免許 ・販売できる酒類に制限がある
(品目ごとの年間課税移出数量がすべて3000kl未満である製造者が製造、販売するお酒または輸入酒に限られる)
・2都道府県以上の消費者を対象とする通信販売ができる
・販売場が、酒類の製造場や販売免許を受けている販売場、酒場や料理店と同一の場所であってはならない
・酒類販売管理者や責任者の選任・届出が必要

許可申請の条件はここに記載した以上に多岐にわたるため、申請先の税務署や専門家である行政書士に相談したほうが確実です。

健康食品

ネットショップで健康食品を取り扱う上でまず注意すべきなのは、扱うものが「健康食品」なのか「医薬品」なのかを判別すること。医薬品であれば医薬品医療機器法(薬機法)に従った規制を受けることになるからです。

許認可の要否

「健康食品」を取り扱うにあたって、特別に必要な許認可はありません。一般的な食品を取り扱う際に適用される条件に従い、法令又は条例が適用されます。
しかし「健康食品」は「医薬品」でないことから、「医薬品」と誤認されるような効果や効能の表示は許されないことに注意が必要です。

また、押さえておきたい知識として「保健機能食品」というものがあります。
「保健機能食品」とは、栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品などの表示で販売されている一般食品とは違い、機能性(生体の生理機能を調整する働き)について表示できる食品です。

「保健機能食品」は、「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の3種類の総称です。なかでも「特定保健用食品(トクホ)」は、製造事業者が消費者庁長官の許可をもらったもの、となっています。
消費者庁が認めた機能性について、表示をすることができます。

医薬品

医薬品は医療用医薬品、要指導医薬品、一般用医薬品に分けられ、その中でも一般用医薬品は「第一類医薬品」、「第二類医薬品」、「第三類医薬品」の3種類に分類されます。

ネットショップで扱える一般用医薬品は「第二類医薬品」、「第三類医薬品」の2種類です。
2016年6月よりネットショップで扱えるようになったとはいえ、販売主体は薬局に限られます。まずは、薬局を開設することが前提です。

必要な許認可や資格、申請先

薬局開設許可、医療品販売許可、特定販売(インターネット販売許可)が必要となります。
第一類医薬品のネット販売は、薬剤師のみ行うことができます。第二類医薬品のネット販売においては、薬剤師の免許を持ったスタッフがいることが条件です。

申請先は所轄の保健所、各都道府県の薬事課になります。

化粧品

化粧品も医薬品と同様に、薬機法により規制を受ける品目です。
化粧品は化粧品と薬用化粧品に分けられ、薬用化粧品は「医薬部外品」とされます。
製造に関わるか関わらないか、自社の製品として出荷するかしないか、により許認可の要否が変わります。必要な場合の許認可も併せて記載しておきます。

許認可が必要ない場合

化粧品の製造には全く関係せず、製造許可や製造販売許可を取得している業者が製造した化粧品を仕入れてそのまま改変することなく販売する場合

許認可が必要となる場合

  • 化粧品の製造を自社で行い、販売は化粧品製造販売業許可を有する他社で行う場合
    化粧品:「化粧品製造業許可」
    薬用化粧品:「医薬部外品製造業許可」
  • 化粧品の製造を自社で行い、販売も自社で行う場合
    化粧品:「化粧品製造販売業許可」
    薬用化粧品:「医薬部外品製造販売業許可」
  • 自社の製品として出荷するが、製造は化粧品製造業許可を有する他社に委託する場合
    化粧品:「化粧品製造販売業許可」
    薬用化粧品:「医薬部外品製造販売業許可」

申請先

所轄の保健所、各都道府県の薬事課となります。

ペット類

特定の愛護動物(犬、猫等、及び人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの)の取扱は、動物愛護管理法の規制を受けます。

許認可が必要ない場合

  • 取扱品目が魚類、昆虫類の場合
  • 取扱品目がペット用品、ペットのえさの場合

許認可が必要となる場合

取扱品目が哺乳類、鳥類、爬虫類などの動物(畜産動物や実験動物・産業動物を除く)であって、販売や保管、貸出や訓練、展示などを業として行う場合

必要な許認可や資格、申請先

  • 営利を目的として行う場合:第一種動物取扱業
  • 非営利の活動により行う場合:第二種動物取扱業

申請先はネットショップ所在地の都道府県知事または政令指定都市市長宛(実際の申請先は各都道府県により異なる:東京都は「動物愛護相談センター」、大阪府は「動物愛護管理センター」)

登録後、事業所ごとに「動物取扱責任者」を常勤職員の中から1名以上配置しなければならない点に注意が必要です。

中古品

中古品を業として仕入れ販売するには、古物営業法の規制を受けることになります。
古物営業法における「古物」とは、一度使用された物品もしくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものとされます(観賞用美術品や商品券、乗車券、郵便切手なども含みます)。

許認可が必要ない場合

  • 自己で使用するために購入したものを販売する場合(未使用を含む、転売目的で購入した場合は除く)
  • 無償で譲り受けたもの、手数料を受け取って回収したものを販売する場合

許認可が必要となる場合(実店舗、ネット上とも)

  • 古物を買い取って販売する
  • 古物を買い取って修理して販売する
  • 古物を買い取って使える部品を販売する
  • 古物を買い取ってレンタルする

必要な許認可や資格、申請先

営業所を管轄する都道府県公安委員会ごとに古物商許可が必要になります。
取扱項目が以下の13種類定められていて、該当箇所に丸をする形で申請することになります(複数申請可能)。

項目:衣類、機械工具類、金券類、事務機器類、時計・宝飾品類、自転車、自動車、自動二輪車・原動機つき自転車、写真機類、書籍、道具類、皮革・ゴム製品類、美術品類

申請先は営業所を管轄する警察署になります。許可取得後は、営業所ごとに1名の管理者を選任しなければなりません。

輸入品

これまで解説してきた品目において許認可が必要なくても、輸入品を取り扱う場合には別途手続が必要となるケースがあります。
ネットショップに関連する主要品目の、輸入時に関係する手続きは以下の通りです。
これ以外にも販売時の商品表示につき、細かい規制を受けるケースがあります。

食品(一般)や添加物、食品に触れる器具(食器等)乳幼児を対象としたおもちゃ・酒類

いずれも食品衛生法に基づき検疫を受けるため、各検疫所に輸入届出をする必要があります。

食品(精肉・食肉加工品)

家畜伝染病予防法に定められた輸入が可能なものにつき、原則として輸出国の政府機関による検査証明書が必要です。
食品衛生法に基づき検疫を受けるため、各検疫所に輸入届出をする必要があります。

植物(野菜を含む)・果物・ドライフラワー

植物防疫法に定められた輸入が可能なものにつき、原則として輸出国の政府機関による栽培地検査証明書が必要です。
食品衛生法に基づき検疫を受けるため、各検疫所に輸入届出をする必要があります。

ペット類、動物の加工品(毛皮・革製品等)

日本が締約しているワシントン条約により、輸入が可能な動物が規制されています。

まとめ

今回は、ネットショップ開業時に知っておかなければならない許認可について、取扱品目ごとに解説しました。
許認可は、知らなかったでは済まされません。事前にしっかり確認して進めていきましょう。

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(監修:杉町行政書士総合経営事務所 特定行政書士 杉町 徹(すぎまち とおる)
(編集:創業手帳編集部)

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