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2022年5月20日株式会社シューマツワーカー 松村幸弥|副業マッチングサービスの事業開発が注目の企業
副業マッチングサービスの事業開発で注目なのが、松村幸弥さんが2016年に創業した株式会社シューマツワーカーです。
現在、副業や兼業を行っている人やこれから行おうかと検討されている人の数が増えてきています。副業を認めているという企業数も少しずつ増えてきており、社会全体がパラレルワークのもたらす好循環に関心を高めつつあるのも感じます。
実際に、創業手帳にも副業に関する情報記事をいくつか掲載していますが、それらの記事閲覧者数がここ最近増加傾向にあるのを確認しています。
複数の仕事をかけ持つことで、収入増加、個々人のスキルアップややりたいことの実現、様々な人材との交流による人脈の広がり、故郷への貢献などのほか、事業者側にとっては人材の確保、社員教育の一環、従業員のモチベーション向上など、事業成長にも直結するような効果が考えられます。
今まさに問い直されている「働き方」の新しいカタチとして、副業や兼業は大きな可能性をはらんでいると言えるでしょう。
特に、今課題となっているIT分野に長けた人材の育成や獲得競争に対しては、副業文化が根付いていくことで解決の糸口となりえるかもしれません。
IT業務ならではの特徴でもある「場所」を問わないという利点を生かし、都心部で企業勤めをしながら自分のふるさとの活性化に貢献したり、逆に家族と共に田舎暮らしを満喫しながら都心部にある企業の業務に携わったり、といったことも可能です。
そうした多様なライフスタイルがあちこちに増えることで、社会各所が元気に活気づくことにも繋がっていきます。
その反面、副業することによって本業がおろそかになるとか、依頼事が片手間なこなし仕事のように扱われてしまう、といった不安の声も聴かれるのは事実です。
副業は決して片手間にやるものではありません。れっきとした責任ある仕事をするということに他なりません。
これからの将来にわたって、個人や社会をより柔軟性と多様性に富んだ豊かな状態にしていく一つの手段が副業であり、そうした意識を醸成しながら副業文化を定着させていくことが好循環を回し続ける為に肝要です。
今、副業を通じて個人の柔軟なライフスタイルを提案・実現し、社会全体の生産性と豊かさを高めていこうとする取り組みに注目が集まっています。
株式会社シューマツワーカーの副業マッチングサービス事業の特徴は、ITスキルを持った人材を中心とした副業マッチングを行っていることに加え、ただ事業者と就業者をマッチングをするというだけではなく、副業を通して個人がどうありたいかという部分にまで踏み込み、きめ細やかなフォロー体制で「新しい働き方」を推進し、支援するライフスタイルカンパニーである、という点です。
株式会社シューマツワーカーの松村幸弥さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトを開発するに至った経緯について教えてください。
私は大学卒業後、ソーシャルゲームを作る会社で働いていたのですが、会社員時代に、人生の選択肢が一社にしかないことに違和感を持っていました。
大学時代は、いろいろな人生の選択肢に柔軟にアクセスできたのに、就職した途端にそれが目の前の世界だけになってしまう。そんなギャップがショックで、所属企業とは違う会社で「副業」が当たり前にできるような世の中になればいいと思ったんです。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
優秀なIT人材を対象とした副業マッチングサービスで、35,000人を超える登録者の方がデータベースに登録してくださっています。
サービスの特徴としては、「マッチングして、終わり」ではなく、副業に対する悩みなどがないか定期的な面談をしたり、マッチング後もフォローサポートを続けることが特徴です。
・どういう方にこのプロダクトを使ってほしいですか?
自己成長、経験、共感を会社の外に探しているものがある人に使って欲しいと思います。「副業」はただの手段の呼称なので、それぞれが探しているものを叶えるための手段になってほしいです。
また、「IT的な事業課題があるけれども、なかなかいい人材を採用できない」というような悩みを持つ企業にも、弊社を通していい出会いがあることを願っています。
・このサービスが解決する社会課題は何ですか?
沢山ありますが、一つは、IT人材の可処分時間を副業という形で他所に柔軟に割り当てることを通して、労働人口不足の解消や、プロ人材の業務支援を効果的に取り入れることによる日本社会全体の生産性の向上です。
二点目は、弊社で紹介をしている案件の99%はリモートを前提とした副業案件なのですが、「リモート副業」を通して、都心の会社員が、地元の中小企業支援にも携わったりするような、彩り豊かな人生を描きやすくなる点です。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
当時は「副業」という言葉が今ほどポピュラーでなく、認知もなかったので、副業人材を活用してもらおうと企業に思ってもらうことや、副業を希望する登録者を探すことのどちらも簡単ではなかったことです。それを突破するために、とにかく人との出会いの数と質を増やそうと努力をしました。Yentaというビジネスマッチングアプリにもお世話になりましたし、スタートアップ関係の会合にもなるべく顔を出して、そういうつながりで副業人材の募集をしてくれた企業もありました。
あとは正面突破で、企業のお問い合わせフォームから営業をかける泥臭い営業もしました。返信がもらえるのは1%くらいでしたが、200〜300件送って2〜3企業でも見つけられるのなら、と思っていました。
マッチングビジネスの難しさなのですが、そうやって企業側のユーザーが一定増えると、今度は「副業希望者」が足りなくなりました。でも広告を出せるようなお金はなかったので、なんとかしてバズらせることはできないかと、PR活動に力を入れました。そこで思いついた一つが、「副業系サービス・カオスマップ」の作成です。
今ではいろんな業界ですっかりおなじみになったカオスマップですが、当時は飲食店向けの予約サービスを展開しているToretaさんくらいしか、そういうものを出している業界はなかったんです。それを見て、「これだ!」と思い、2017年に副業市場のカオスマップを作りました。政府主導の働き方改革・副業解禁元年とされる2018年より1年前のことですが、真新しさもあって、SNSでは3000シェアを記録。TechCrunchさんにも取り上げていただき、一晩で登録者が200名ほど増えたんです。それが一つのブレイクスルーでした。
・今後、どのようなサービス・会社にしていきたいとお考えですか?
「新しい働き方」を推進し、支援する会社になりたいと思っています。「副業」というテーマに限定するつもりはなく、たとえばワーケーションや二拠点生活など、働き方の変化に付随する領域を総合的にサポートする、新しいライフスタイルカンパニーとなっていきたいです。
・今の課題はなんですか?
これからは、地方副業などの特色ある案件や、大企業とコラボした事例がどれだけ作れるかかと思っているので、そこにチャレンジしていきたいと思っています。
・読者にメッセージをお願いします。
起業は、旅をしているようなものだと思います。毎月毎月新しい課題が見つかるし、去年では考えられなかったような新しい課題が、ずっと生まれ続けます。それを楽しいと思えるかどうかの楽しんだもん勝ちかなと思うので、楽しむことをおすすめします!
会社名 | 株式会社シューマツワーカー |
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代表者名 | 松村幸弥 |
創業年 | 2016年 |
社員数 | 80名(業務委託パートナー含め) |
資本金 | 5億7,232万円(資本準備金含む) |
事業内容 | 副業マッチングサービス |
サービス名 | シューマツワーカー |
所在地 | 東京都渋谷区円山町28-3 いちご渋谷道玄坂ビル5F |
代表者プロフィール | 1989年生まれ。横浜国立大学卒業後、株式会社ボルテージに入社。ソーシャルゲームの企画を手掛けたのち、人の可能性を柔軟に広げられる社会を目指し、副業したい個人と企業をマッチングするサービス「シューマツワーカー」を創業(2017)。2022年までに約4万人にせまる会員登録数を持つ日本最大級の副業人材マッチングサービスへ育て、人と企業の出会いを支援する会社のCEOを務める。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | HRテック SaaS シューマツワーカー 働き方改革 副業 副業マッチングサービス 松村幸弥 |
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