世界中の「創る楽しみ」をキット化する!カラクリンク代表取締役 森田氏インタビュー


株式会社カラクリンクは、3DCADによるデザイン・設計・モデリング、3DプリンタやCNCなどのデジタル工作機械による造形や、デジタルファブリケーションに関するWebサービスの開発と運営を中心に、日々生み出されるものづくりの設計情報を、Webによってより発展させ、洗練してゆくことをミッションとしている企業です。

「世界中の創る楽しみをキット化する!」をコンセプトに、ユーザーが身近なモノをカスタマイズして、自分で組み立てるモノづくりキットサービス「ドットキット」を開発し、注目を集めています。

今回は、株式会社カラクリンクの森田 浩史氏に、創業のきっかけやポリシーについてお話を伺いました。

モノづくりの情熱から生まれた「ドットキット」
-創業に至った経緯はどのようなものでしたか?

学生時代にベンチャー企業でインターンした経験から、面白い仕事は自分で創り出すしかないと思い、将来は起業しようと考えていました。

大学院卒業後、最初に就職した家電メーカーではエンジニアとして機械設計をしていたのですが、そこではやりたいモノづくりができず、当初もっていたものづくりへの情熱が失われていくような感じがしました。そのため、働く人達のモノづくりに対するモチベーション起こさせたり、創造性を刺激するような事業をやりたいと考えていました。

その後チームラボに入社し、数々のウェブサービスの開発にエンジニア、プロジェクトマネージャーとして携わりました。そこでメイカームーブメント関連のプロジェクトに関わる内に、数年間ずっと考えていたモノづくりする人たちの創造性を刺激する事業を始めたいという思いが高まってきました。

2014年の秋にチームラボを退職する少し前から44田寮に入寮し、寮長の赤木さんにアドバイスをもらいながら事業のコンセプトを固めていきました。

そして、「世界中の創る楽しみをキット化する!」をコンセプトに、ユーザーが身近なモノをカスタマイズして、自分で組み立てるモノづくりキットサービス「ドットキット」(http://dot-kit.com)の開発を始めました。

2015年8月に法人化して、現在はウェブシステムの受託開発をしながら、ドットキットの開発・運営を行っています。

-起業当時に大変だったことはありましたか?

起業してどのようなサービスを行うか決めることと、メンバー集めに苦労しました。

サービスは沢山のアイデアの中から実現性や収益性などを検討し、インタビュー等で妥当性を検証して、考えを煮詰めていくのに時間がかかりました。また起業当初は孤独で、考えも行き詰りがちになります。誰かに相談するとしても、継続してアドバイスをくれる人はなかなかいないので、赤木さんに相談に乗ってもらえたことは本当に有難かったです。

次に大変だったがメンバー探しです。特に家電や電子機器のデザイン経験があるプロダクトデザイナーは、ウェブ系・DTP系のデザイナーに比べて少ないので、協力してもらえる人を探すのがとても大変でした。最終的には、チームラボ時代の同僚の知人で、経験があって、ベンチャー企業にも興味があるプロダクトデザイナーさんに参加していただけることになりました。

-経営していくうえでのビジョンや、大事にしていることはありますか?

今までに無い新しいサービスで、お客様や世の中の創造性にプラスになる事業をしてゆくことが最も大事だと考えています。

「ドットキット」では、3Dプリントを多く使用しています。それにより従来の量産設計品では不可能だった複雑な形状や、オンデマンドでの生産が可能になり、製品のデザインにおいてもウェブサービスとしても、新しいモノを作ることができたかなと感じています。

新しい技術にはどんどん挑戦してゆきながら、ユーザーに新しい体験や創造性を刺激する体験をしてもらえるようにプロダクトのアップデートを続けていこうと思っています。

-メンバーをどうやって集めていきましたか?

現在、メンバーの方は従業員という形態はとっておらずタスクやプロジェクト毎に協力して頂いている状況です。

プロダクトデザイナーの方は、先に書いたようにチームラボ時代の同僚に紹介してもらいました。
それ以外の方々は、知り合いの紹介、会社員時代の同僚、wantedly・インスタントチームなどのウェブサービスで連絡を取り始めたりと、さまざまな人脈・ツールから知り合いになって協力していただけるようになりました。
メンバー探しは本当に大変なので、創業前にもっと声をかけておくのがベターだったんだろうなと思っています。

-今後はどのように事業を展開されていきますか?

現在は受託開発が売上のメインですが、自社サービスであるドットキットのサービスを充実させて、売上を伸ばしてゆきたいと思っています。

ドットキットは、キットというリアルなプロダクトとウェブサービスの両方を充実させていく必要があります。キットは既に販売しているPCマウスのキットに加え、夏に開発中の腕時計を発売する予定です。その後も、ラインナップを拡大してユーザーが作りたいと思うきっかけを増やしてゆこうと思っています。
また、シンプルなキットのカスタマイズ機能しか実装されていないウェブサービスにも、3Dモデルの作成機能をなどを追加し、ユーザーがより柔軟かつ簡単にものづくりが楽しめるようにしてゆきたいと考えています。

-最後に、起業家へのメッセージをお願いします。

会社もサービスも私自身も、まだまだこれからの立場なので大きなことはいえませんが、これから起業される方々と世の中をもっと良くしてゆくために切磋琢磨していきましょう。

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