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2025年5月16日便失禁・尿失禁の治療を目的とした細胞治療を開発する「イノバセル」が4億円調達

2025年5月14日、イノバセル株式会社は、約4億円の資金調達を発表しました。
イノバセルは、切迫性/漏出性便失禁や腹圧性尿失禁を治療するための再生医療等製品の研究開発・事業化に取り組んでいます。
もっとも開発が進んでいる「ICEF15」は、患者の筋芽細胞を利用し、細胞注入によって筋肉の再生を図ることで切迫性便失禁の根治を目指すものです。
欧州10か国・日本で第Ⅲ相国際共同治験であるFidelia試験を実施中です。
今回調達した資金は、「ICEF15」の第Ⅲ相日欧国際共同治験の推進、米国における「ICEF15」第Ⅲ相治験開始準備、日米欧におけるICEF15市販品製造販売体制の構築、「ICEF15」以外のパイプライン製品の研究開発、株式上場準備などに活用します。
便意を感じているにもかかわらず我慢できずに漏れてしまう症状は「切迫性便失禁」、便意を感じないまま、無意識あるいは意志に反して便が漏れてしまう症状は「漏出性便失禁」と呼ばれています。
切迫性便失禁は、外肛門括約筋の収縮力の低下や腸炎などが原因です。外肛門括約筋の機能が低下する背景には、加齢による筋力低下や出産時の肛門括約筋断裂が多く、女性に多く見られる症状となっています。
一方、漏出性便失禁の原因の多くは内肛門括約筋の機能低下にあります。内肛門括約筋は外肛門括約筋と異なり、自分の意志で動かすことができない不随意筋で構成されており、その働きが弱まることで便漏れが起こります。
また、尿失禁でもっとも多いのが「腹圧性尿失禁」です。これは咳やくしゃみ、階段の昇降といった腹圧が高まる動作の際に、意志とは無関係に尿が漏れてしまうもので、主に尿道括約筋や骨盤底筋群の機能低下が原因となっています。
このように、便失禁や尿失禁の多くは筋機能の低下が要因であるため、イノバセルでは対象となる筋機能の回復を目指した再生医療に取り組んでおり、根治を目指す新しい治療法の開発を進めています。
従来の治療法では、症状が軽度の場合は食生活の改善や下痢止め薬の服用などの保存的療法が選択され、重症化すると括約筋形成術などの外科的手術が行われます。
しかし、重度のケースでは手術を行っても根治が難しい場合があるため、身体への負担が少なく、かつ根本的に治療できる方法が強く求められています。
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