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2025年4月9日建設部材の調達プラットフォームを提供する「BALLAS」が18.4億円調達

2025年4月2日、株式会社BALLASは、総額18億4000万円の資金調達を実施したことを発表しました。
BALLASは、建設部材の調達プラットフォーム「BALLAS」を提供しています。
建設工事会社が建設物の一部として使用する部材の設計から供給までをスコープとするクラウドサービスです。
製作金物と呼ばれる特注の金属部材に強みを持っており、ファブレスメーカーとしてサプライチェーンの最適化に取り組んでいます。
建設業界における部材調達においては、従来より「図面バラシ」と呼ばれるプロセスが大きな課題となっていました。
一般的な部材調達の流れとして、施工業者は元請会社の設計図に基づき、施工に必要な詳細情報(建具、使用材料、サイズなど)を記載した施工図を作成します。この施工図は、部材調達時の参照資料となります。
既製品で対応できない部材については、施工業者が工場へ特注を行います。工場は施工業者と連携し、施工業者が作成した施工図を基にオーダーメイドの部材を製作します。
この際、工場側が施工図を読み解き、部材製作に必要な詳細な図面(製作図)を作成する作業が「図面バラシ」と呼ばれます。
この図面バラシの工程において、施工業者と工場双方の専門性の高さからコミュニケーションの齟齬が生じやすく、業務効率の低下を招くことが、業界における重要な課題の一つとして認識されています。
BALLASは、この施工業者と工場の間における課題を解決するため、施工図を基に施工および製作に適した製作図を効率的に作成し、最適な工場を選定することで、必要とする建設部材をスムーズに供給するサービス「BALLAS」を提供しています。
また、近年は町工場の廃業やベテラン人材の引退などによって、製作に必要な技術が失われる事態が生じています。BALLASはこの課題に対処するためにも、図面バラシのプロセスを、データ化・標準化・半自動/自動生成し、持続可能なものにすることを目指しています。
株式会社BALLASのコメント
このニュースを受けまして、株式会社BALLASよりコメントが届きました。
株式会社BALLAS 代表取締役
2014年に双日株式会社へ新卒入社、金属・鉄鋼資源の輸出入、事業投資、経営管理に従事。製造業DXスタートアップの株式会社Catallaxyで経営企画責任者を経て、2022年2月株式会社BALLAS創業。「建設業を最適化し、人々を幸せに。」をミッションに掲げ、建設部材の調達サービスを展開。建設業のプラットフォーマーとして、人手不足による産業構造の歪みに対し、持続的に最適な調達ができるサプライチェーン構築に取り組む。
今回の資金調達の目的は何ですか?
データを利活用した建設サプライチェーンの最適化に向けた、プロダクト開発や人材採用の加速を目的としています。
創業より注力開発・運用してきたサプライチェーンマネジメントシステム(以下、SCMシステム)が、建設業界の顕在的課題である供給力不足に寄与するだけでなく、低生産性、属人化、情報分断といったより根源的な課題を解決するフェーズに入ったことを踏まえ、資本政策を鑑み追加調達を実施いたしました。
今後の展望を教えてください。
更なるSCMシステムの機能強化を図ることで、設計のみならず一連の業務フローをモジュール化し、更なるマス・カスタマイズ性を追求します。
国内建設業の歴史上、市場規模の拡大に伴いサプライチェーンの各工程が細分化・高度化した一方、各工程間の情報分断が進んできました。しかし、就業人口減少や事業承継問題が深刻化する外部環境の変化によって、全体最適でデジタルな共通基盤を用いなければ持続できない状況にあります。
自らが建設事業者として高い解像度を保有しつつ、新しい技術を取り入れながらアップグレードしていく予定です。業界自体が大きな転換期を迎えている中、局所的な業務改善だけではなく、業界全体の構造から見直すことで業界発展の一助を担えるように精進して参ります。
読者へのメッセージをお願いします。
BALLASではデータを利活用した取引の構造的な改善や、AIを活用したプロダクトの開発により、事業拡大・人材採用を加速しています。
建設業界は関わる企業や人も多く、巨額の投資が行われる業界です。そんな建設業界の最適化を進めることで、この業界だけでなく、その他の産業や社会全体にも大きな影響があります。建設業界だけでなく、社会構造を再定義する。そんなビジネスに面白さや、関心を持っていただければ嬉しいです。
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