創業手帳が選ぶ起業経営ニュース 2024年7月5日 注目のニュース 大久保の視点 解説入り 創業手帳編集部 「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」優勝は物流自動化のRENATUS ROBOTICS安藤 奨馬さん:賞金1000万円獲得! 日本最大級のピッチコンテスト「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」が2024年7月5日(金)に開催されました。 優勝(スタートアップ京都国際賞)はネット通販で物流が増加し、負担が増える倉庫の自動化に取り組むRENATUS ROBOTICS株式会社の安藤 奨馬 氏でした。海外進出も見込む市場の大きさや技術力、環境負荷軽減なども評価され、また情熱的なプレゼンも印象的でした。西脇隆俊京都府知事から1000万円の賞金の贈呈が行われました。 IVS LAUNCHPADは「スタートアップの登竜門」とも呼ばれ、過去に登壇した企業の60社がEXIT、10億円以上の資金調達を行い急成長を遂げている企業が35社以上輩出している注目のピッチコンテストです。 「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」には、300社以上 (うち海外企業およそ20%)の応募があり、決勝戦が本イベントのIVSKyoto2024の2日目となる5日(金)に開催され、15名の起業家が登壇し、著名な投資家・経営者・起業家から選出される審査員の前で6分間のプレゼンテーションを行いました。 取材で参加した感想は、今年の発表は、AI、ディープテック、衛星データ活用、ESG環境系のプレゼンが多く、テクノロジーで現場の泥臭い具体的なニーズに具体的に応えるスタートアップが増えてきたと思いました。 また売上や雇用のスケールが見込めるスタートアップが多く、こうした企業にスポットライトが当たり、資金調達や提携機会が与えられる場は貴重で、今後の日本の経済の発展にも寄与すると思いました。 起業家は他の人のプレゼンテーションを聞くことで自身のビジネスでの気づきがあるため、こうした場に積極的に出ていくことをおすすめします。 入賞者 RENATUS ROBOTICS株式会社 安藤 奨馬 氏:圧倒的なピッキング効率・格納効率を実現する大規模・超高密度な自動倉庫システム「RENATUS」 1位・スタートアップ京都国際賞・オーディエンス賞 1000万円獲得! RENATUS ROBOTICS株式会社は、東大発物流ロボティクスベンチャー企業です。AI・数理アルゴリズム・ロボティクス分野の最先端テクノロジーを駆使し、完全無人の高効率な倉庫の実現を目指しています。開発する自動倉庫システム「RENATUS(レナトス)」は、縦横自在に移動する高速シャトルと独自アルゴリズムを組み合わせたシステムです。独自設計と配車アルゴリズムにより、これまで困難とされていた大規模棚におけるワンストップ梱包を実現しています。 EC・ネット販売の拡大により、物流の負担が増えていますが、倉庫の梱包を自動化し省力化を実現できるサービスを展開しています。 また海外展開を目指していますが、2Bの作り込みやメカ系は日本の強い領域なのでやり方次第では海外もチャンスがあると思いました。 株式会社Solafune 上地 練 氏:世界各国の政府が導入する宇宙テクノロジー!衛星データ解析プラットフォーム「Solafune」 2位入賞! 株式会社Solafuneは、衛星データ解析技術を開発・提供しています。運営する衛星データプラットフォーム「Solafune」は、世界40か国以上で利用されています。このプラットフォームでは、オープンな形式での技術開発を推進するため、企業課題や社会課題の解決を主な目的としたデータ解析をコンペティション方式で開催しています。 民間の衛星の打ち上げの増加に伴い、データの活用は今後スタートアップの参入が現実的に可能かつマネタイズしやすい領域だと思いました。 株式会社komham 西山 すの 氏:微生物で生活環境を整備する!生ごみ高速分解微生物群「コムハム」 3位入賞 株式会社komhamは、微生物群「コムハム」や有機性廃棄物の分解処理技術の研究と、研究技術を用いたバイオマスリサイクルシステムの販売を手がけています。「コムハム」を用いたバイオマスリサイクルシステムは、わずか1日で投入した有機性廃棄物の98%程度を水と二酸化炭素に分解します。さらに、必要な分だけを堆肥として残せる、高速で分解されるため臭気がないといった特徴を有しており、既存の微生物を利用した分解処理の課題を克服しています。 emole株式会社 澤村 直道 氏:1話3分のショートドラマ配信アプリ「BUMP」 4位入賞 emole株式会社は、1話3分のショートドラマ配信アプリ「BUMP」を手がけています。マンガアプリのように「待つと無料」で楽しむことができます。また、1話97円(税込)の有料課金や広告視聴でもドラマを楽しむことができます。さらに、クリエイターが持続的に作品作りに挑戦し、経済的な還元を得られるようなエコシステムの構築に取り組んでいます。 株式会社Penetrator 阿久津 岳生 氏:宇宙からAIで不動産取引を創造する「WHERE(ウェアー)」 5位入賞 株式会社Penetratorは、宇宙衛星データを活用し、AIにより不動産取引に関連する情報を自動収集する「WHERE」を開発しています。このシステムは、土地や建物の場所・大きさなどの情報を従来の実地調査の代わりに効率的に取得できるようにすることで、不動産情報の取得を大幅に簡素化し、ワンクリックで情報を得られる環境の実現を目指しています。 阿久津さんは不動産ビジネスで成功の後、JAXAでの経験を元に起業しています。不動産の探索という、現実的かつ専門性の高い不動産データの活用法で今後のマネタイズと省力化が具体的に見込めると思いました。また一部海外の土地の探査サービスも行っており、衛生は地球規模であるがゆえに海外展開しやすいのも特徴だと思いました。 他決勝進出者 株式会社esa 黒川 周子 氏:革新的なリサイクルテクノロジーで廃棄プラスチックを再生樹脂に循環する「esa」 株式会社esaは、プラスチック廃棄物のリサイクルやプラスチックペレットの加工・販売、プラスチック製品の開発、リサイクルコンサルティングを行っています。特に、異なる種類のプラスチックを同時にペレット化する新しいリサイクルソリューション「esa method」を開発し、マテリアルリサイクルを実現。この技術により、低コストで高品質なペレットを生成することが可能です。さらに、レジ袋や農業用プラスチックコンテナなどの製品化も行っています。 株式会社AI VOLT 軍神 未来 氏:来たる近未来!人をデジタルに移行するAI技術「AI VOLT」 株式会社AI VOLTは、AI技術による国内のIP・ライセンスを活用した新しいエンタメの創出を実現するAIソリューションカンパニーです。具体的には、AIツイン技術を駆使しコンテンツ制作と企画を支援する「デジタルツインピア」、個人向けに特化した高精度AIツイン生成サービス「TOKIAI」、個人向け高速AIツイン生成プラットフォーム「ドリームフレンド」を提供しています。AIツインとは、特定の対象(人間など)を学習し、デジタル空間上に再現したものです。 Elevatefoods Mazing Lee 氏:特別な食事制限に対応したパーソナライズされた食事を提供するためのAIデジタルフードプリンティングおよび調理技術「Elevatefoods」 Elevatefoodsは、AIデジタルフードプリンティングと調理技術により、特別な食事ニーズに対応したパーソナライズされた食事の提供を目指しています。 フードプリンティングが実際のものになってきているところに驚きました。味だけでなく、栄養素の調整が効きやすいので、健康というニーズに応えられるのが魅力だと思いました。 DMKTZ Jac Hsieh 氏:繊維および衣料品デザインのためのAIデザインコパイロットCADシステム「DMKTZ Studio」 DMKTZは、簡単なドラッグ&ドロップのインターフェイスを通じて3Dデジタルファッション資産の作成を合理化する分散型共創プラットフォーム「DMKTZ Studio」を運営しています。クリエイターがデジタルアバターと物理的な世界の両方のためにカスタムウェアをデザインすることを可能にするプラットフォームです。 台湾から参加のJacさん。AIをアパレルデザインの現場に応用することで、省力化だけでなく、実際に素材がないパターンを試すことで従来難しかった新しいデザインを試せること、また、実際に無駄になる試作品を作らなくて済むことで環境・ESG的にも良いという点が素晴らしいと思いました。 Valtec John Keh 氏:海事AIドローン艦隊による商業漁業の革命「Valtec」 Valtec Technologiesは、商業漁業の変革を目指し、ドローンの飛行軌跡を地図上でリアルタイムに監視する技術や、ストリーミングデータ分析により、より効率的で安全な漁業を実現します。 ファミリーテック株式会社 中村 貴一 氏:家族のための「決済」と「アカウント」を提供するスーパーアプリ「ファミリーバンク」 ファミリーテック株式会社は、共働き夫婦のための時短アプリ「ファミリーバンク」や、夫婦に最適化したクレジットカード「ファミリーカード」を展開しています。家族口座・家族カード・家族アカウント・家族メールなど、夫婦で共有して使えるさまざまな機能により、お金の管理や、位置共有、アカウント共有、連絡などを効率化します。家族のあらゆる機能をデジタル化することで、新たな家族生活の形の創造を目指しています。 株式会社BoostDraft 藤井 陽平 氏:法的文書の作成審査に潜む非効率を新しい切り口で圧倒的に解消。リーガル文書向けIDE「BoostDraft」 株式会社BoostDraftは、法的文書の形式面で発生する非効率的な作業を自動化するソフトウェアです。法的文書のレビュー・ドラフトにおける、スクロール・検索、体裁を整える、誤字脱字をなくす、項目の追加・削除に伴ってずれる後続の条項・リファレンスの修正といった作業を自動化します。MS Wordのプラグインとして提供することで導入障壁を下げているほか、オンプレミスであるためセキュリティの課題を解決しています。 株式会社Yuimedi グライムス 英美里 氏:「研究」「臨床」に使える医療データを簡単・すぐに医療現場へ―医療データ抽出を加速するAI Copilot「YuiQuery」 株式会社Yuimediは、データの標準化を通じて、医療データの利活用促進を目指しています。医療データのクレンジングに特化したノーコードソフトウェア「Yuicleaner」の開発・提供や、保有している医療データを利活用しやすいデータセットとして変換をサポートする「Yuimedi」の開発・提供、生成AIを用いた医療データ抽出ソフトウェア「YuiQuery」の開発を行っています。 ランディット株式会社 藤林 謙太 氏:世界中の駐車場をデジタル化して繋げるパーキングテック「LANDIT」 ランディット株式会社は、駐車場の予約、管理、決済をデジタル化し、駐車場運営の効率化・利便性向上を目指しています。事業用駐車場手配サービス「at PORT(アットポート)」の運営、事業用短期駐車場予約サービス「PIT PORT(ピットポート)」の運営、クラウドカメラ×AI「AIMO(アイモ)」、駐車場管理ソフトウェアの開発、衛星×機械学習事業を手がけています。「at PORT」は、駐車場や事業用地の手配を、調査から支払いまでワンストップで代行するサービスです。衛星×AI画像認識で収集した駐車場データから最適な駐車場を提案しています。 株式会社Remedies 東 真希 氏:書きたい内容に集中できるパワフルなAI文章校正「wordrabbit」 株式会社Remediesは、文章作成を効率化するAI文章レビューサービス「wordrabbit」を開発・提供しています。日本語専用に開発したAIにより、執筆の際にリアルタイムで文章を校正します。企業独自のチェックを導入したり、チーム内でルールを共有したりすることで、文章作成業務全体の効率化を実現します。Webブラウザ版のほか、Microsft Wordの拡張機能として提供しています。 概要 名称:IVS2024 KYOTO / IVS Crypto 2024 KYOTO 主催:IVS KYOTO実行委員会(Headline Japan/京都府/京都市) 日時:2024年7月4日(木)~7月6日(土) 会場:京都パルスプラザ他 読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。 大久保の視点 プレゼンはどれも高いレベルで感心しました。また環境やディープテック、衛星の活用など時代を反映した事業が多かったです。今回感じたのは、運営や来場者、出演者も含めた健全な進化です。こういった貴重な場が広がっていくことを期待したいです。 解説者紹介 大久保幸世 創業手帳 株式会社 代表取締役 大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら カテゴリ イベント 関連タグ IVS Crypto 2024 KYOTO IVS2024 KYOTO IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO イベント カンファレンス ピッチイベント ピッチコンテスト 詳細はこちら スタートアップ起業家たちの登竜門 IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO この記事を読んだ方が興味をもっている記事 キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説! 持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは? 起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】 【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト 小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説! 【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説 創業関連の最新情報を毎日お届け! イベントの創業手帳ニュース 【7/2-4開催】日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」開催中 (2025/7/3) 【7/17-18開催】全国のアトツギ支援機関を対象とした「アトツギサポーターズサミット」開催 (2025/7/2) 「農山漁村」経済・生活環境創生プラットフォーム 第2回シンポジウムが開催 (2025/6/27) グローバルスタートアップイベント「Tech Osaka Summit 2025」出展企業募集中(7/15締切) (2025/6/26) 【9/17-18開催】世界中のディープテックスタートアップエコシステム関係者が集う「Global Startup EXPO 2025」大阪・関西万博で開催 (2025/6/25) 【8/4締切】国内最大級のトレードショー「産業交流展2025」出展者募集中 (2025/6/20) 【6/26開催】「関東農政局みどりの食料システム戦略勉強会(第32回)」テーマ:スマート農業による環境負荷低減の取組(その3) (2025/6/20) 起業家必見!横浜銀行が2025年7月から2025年8月にかけてオンライン創業支援セミナー「みらい海図」を開催! 注目のニュース (2025/6/16) 【6/17開催】X-HUB TOKYO キックオフイベント (2025/6/13) 【5/29開催】オンラインセミナー「中小、ベンチャー、スタートアップに伝えたい 10の知財のこと」【世界知的所有権機関(WIPO)主催】 (2025/5/27) キャンペーン 女性対象 有望企業 トレンド 便利なサービス イベント 制度改正 公募 関連するタグのニュース 【関西エリア】「新事業共創マッチング」中堅企業とスタートアップの共創・協働を促進 独立行政法人中小企業基盤整備機構近畿本部は、「新事業共創マッチング」を12月13日(金)に開催することを発表しました。 「新事業共創マッチング」は、成長志向の高い関西の中堅企業とスタートアップ企業など… 温泉・レジャー・エンタメ施設の定額制サービス「レジャパス」を展開する「ORIGRESS PARKS」が1.5億円調達 2022年10月5日、株式会社ORIGRESS PARKSは、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ORIGRESS PARKSは、遊園地・温泉・美術館・キャンプ場など、全国… メタバースプラットフォーム「XR CLOUD」展開の「monoAI technology」が阪急阪神ホールディングスから資金調達 2022年6月30日、monoAI technology株式会社は、阪急阪神ホールディングス株式会社が2021年4月に設立したコーポレートベンチャーキャピタルファンド「阪急阪神イノベーションパートナー… 後継者による新規事業アイデアを競うピッチイベント 第4回「アトツギ甲子園」が開催 中小企業庁は、第4回「アトツギ甲子園」の開催を発表しました。 「アトツギ甲子園」は、後継者が既存の経営資源を活かした新規事業アイデアを発表するピッチイベントです。 先代経営者がこれまでに培ってきた人材… 【9/2締切】「NIKKEI THE PITCH SOCIAL」ソーシャルビジネスを対象としたピッチコンテスト 「NIKKEI THE PITCH SOCIAL」のご案内です。 ソーシャルビジネスを事業展開あるいは起業検討している団体・個人・学生を対象にしたコンテストです。事業・アイデアの磨き込みを経て、最終審… 大久保の視点 明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT 2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各… (2025/3/14) 日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞! 日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし… (2024/12/4) 国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート! パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav… (2024/10/9) 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら 注目のニュース SPONSORED 起業家必見!横浜銀行が2025年7月から2025年8月にかけてオンライン創業支援セミナー「みらい海図」を開催! SPONSORED 【宮城県気仙沼市】「気仙沼市創造的産業復興支援事業費補助金」(6/25締切) SPONSORED 弥生による無料オンラインセミナー「初めての方でもわかる確定申告講座」を公開! 最新の創業手帳ニュース 「第51回発明大賞」候補者募集(9/30締切) (2025/7/4) 令和7年度「経営継承・発展等支援事業」 地域農業の担い手を支援 (2025/7/4) 【中小企業庁】インボイス制度対応 各種支援策の案内 (2025/7/4) 不動産投資アプリを運営する「Propally」が1.1億円調達 (2025/7/4) 「Oceanic Constellations」が12億円調達 (2025/7/4) 商用EV導入のワンストップサービスを手がける「eMotion Fleet」が2.5億円調達 (2025/7/4) 【農林水産省】令和7年度「農山漁村振興交付金(都市農業機能発揮対策(都市農業共生推進等地域支援事業))」追加公募 (2025/7/3) 起業家表彰「第25回Japan Venture Awards」(募集期間:7/2-8/21) (2025/7/3) 【7/2-4開催】日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」開催中 (2025/7/3) 体験ギフト事業を展開する「ANATAE」が150万ユーロ(約2億5000万円)調達 (2025/7/3) 記事についてのお問い合わせはこちら 創業時に役立つサービス特集 店舗開業時のPOSレジにおすすめ。個人飲食店でも気軽に無料で使える「スマレジ」 ソニー生命は、会社と経営者個人の両面を考慮したコンサルティングを実施 初めての法人口座開設には「GMOあおぞらネット銀行」が便利!お得な振込手数料サービスも必見。 ICTで様々な課題を解決できる時代 専門家に聞く「一歩先をゆくためのシステム活用」 anydeliを導入して飲食店のオーダー・決済をお客様のスマホで自動化 起業したばかりでお金がない法人や個人事業主の資金調達手段まとめ!裏技も紹介 注目インタビュー記事 BCC 伊藤一彦|経営戦略を重視した会社運営で上場!IT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業で社会課題を解決 ODYSSEY 平岩康佑|元・朝日放送のアナウンサーが起業して「eスポーツ業界」へ飛び込んだ理由【前編】 LiB 松本 洋介|LiBが実践する創業期の「人材採用」と「組織創り」のコツ テーブルクロス 城宝 薫|大学生起業家の向こう側へ。若き代表に迫る ダイオーズ 大久保真一|ビジネスのヒントは常に現場にある Retreat 山田 俊輔|シリコンバレー発!リモートワーク時代の「新しい社員旅行の形」
創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2024年7月5日 注目のニュース 大久保の視点 解説入り「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」優勝は物流自動化のRENATUS ROBOTICS安藤 奨馬さん:賞金1000万円獲得!
日本最大級のピッチコンテスト「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」が2024年7月5日(金)に開催されました。
優勝(スタートアップ京都国際賞)はネット通販で物流が増加し、負担が増える倉庫の自動化に取り組むRENATUS ROBOTICS株式会社の安藤 奨馬 氏でした。海外進出も見込む市場の大きさや技術力、環境負荷軽減なども評価され、また情熱的なプレゼンも印象的でした。西脇隆俊京都府知事から1000万円の賞金の贈呈が行われました。
IVS LAUNCHPADは「スタートアップの登竜門」とも呼ばれ、過去に登壇した企業の60社がEXIT、10億円以上の資金調達を行い急成長を遂げている企業が35社以上輩出している注目のピッチコンテストです。
「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」には、300社以上 (うち海外企業およそ20%)の応募があり、決勝戦が本イベントのIVSKyoto2024の2日目となる5日(金)に開催され、15名の起業家が登壇し、著名な投資家・経営者・起業家から選出される審査員の前で6分間のプレゼンテーションを行いました。
取材で参加した感想は、今年の発表は、AI、ディープテック、衛星データ活用、ESG環境系のプレゼンが多く、テクノロジーで現場の泥臭い具体的なニーズに具体的に応えるスタートアップが増えてきたと思いました。
また売上や雇用のスケールが見込めるスタートアップが多く、こうした企業にスポットライトが当たり、資金調達や提携機会が与えられる場は貴重で、今後の日本の経済の発展にも寄与すると思いました。
起業家は他の人のプレゼンテーションを聞くことで自身のビジネスでの気づきがあるため、こうした場に積極的に出ていくことをおすすめします。
入賞者
RENATUS ROBOTICS株式会社 安藤 奨馬 氏:圧倒的なピッキング効率・格納効率を実現する大規模・超高密度な自動倉庫システム「RENATUS」
1位・スタートアップ京都国際賞・オーディエンス賞 1000万円獲得!
RENATUS ROBOTICS株式会社は、東大発物流ロボティクスベンチャー企業です。AI・数理アルゴリズム・ロボティクス分野の最先端テクノロジーを駆使し、完全無人の高効率な倉庫の実現を目指しています。開発する自動倉庫システム「RENATUS(レナトス)」は、縦横自在に移動する高速シャトルと独自アルゴリズムを組み合わせたシステムです。独自設計と配車アルゴリズムにより、これまで困難とされていた大規模棚におけるワンストップ梱包を実現しています。
EC・ネット販売の拡大により、物流の負担が増えていますが、倉庫の梱包を自動化し省力化を実現できるサービスを展開しています。
また海外展開を目指していますが、2Bの作り込みやメカ系は日本の強い領域なのでやり方次第では海外もチャンスがあると思いました。
株式会社Solafune 上地 練 氏:世界各国の政府が導入する宇宙テクノロジー!衛星データ解析プラットフォーム「Solafune」
2位入賞!
株式会社Solafuneは、衛星データ解析技術を開発・提供しています。運営する衛星データプラットフォーム「Solafune」は、世界40か国以上で利用されています。このプラットフォームでは、オープンな形式での技術開発を推進するため、企業課題や社会課題の解決を主な目的としたデータ解析をコンペティション方式で開催しています。
民間の衛星の打ち上げの増加に伴い、データの活用は今後スタートアップの参入が現実的に可能かつマネタイズしやすい領域だと思いました。
株式会社komham 西山 すの 氏:微生物で生活環境を整備する!生ごみ高速分解微生物群「コムハム」
3位入賞
株式会社komhamは、微生物群「コムハム」や有機性廃棄物の分解処理技術の研究と、研究技術を用いたバイオマスリサイクルシステムの販売を手がけています。「コムハム」を用いたバイオマスリサイクルシステムは、わずか1日で投入した有機性廃棄物の98%程度を水と二酸化炭素に分解します。さらに、必要な分だけを堆肥として残せる、高速で分解されるため臭気がないといった特徴を有しており、既存の微生物を利用した分解処理の課題を克服しています。
emole株式会社 澤村 直道 氏:1話3分のショートドラマ配信アプリ「BUMP」
4位入賞
emole株式会社は、1話3分のショートドラマ配信アプリ「BUMP」を手がけています。マンガアプリのように「待つと無料」で楽しむことができます。また、1話97円(税込)の有料課金や広告視聴でもドラマを楽しむことができます。さらに、クリエイターが持続的に作品作りに挑戦し、経済的な還元を得られるようなエコシステムの構築に取り組んでいます。
株式会社Penetrator 阿久津 岳生 氏:宇宙からAIで不動産取引を創造する「WHERE(ウェアー)」
5位入賞
株式会社Penetratorは、宇宙衛星データを活用し、AIにより不動産取引に関連する情報を自動収集する「WHERE」を開発しています。このシステムは、土地や建物の場所・大きさなどの情報を従来の実地調査の代わりに効率的に取得できるようにすることで、不動産情報の取得を大幅に簡素化し、ワンクリックで情報を得られる環境の実現を目指しています。
阿久津さんは不動産ビジネスで成功の後、JAXAでの経験を元に起業しています。不動産の探索という、現実的かつ専門性の高い不動産データの活用法で今後のマネタイズと省力化が具体的に見込めると思いました。また一部海外の土地の探査サービスも行っており、衛生は地球規模であるがゆえに海外展開しやすいのも特徴だと思いました。
他決勝進出者
株式会社esa 黒川 周子 氏:革新的なリサイクルテクノロジーで廃棄プラスチックを再生樹脂に循環する「esa」
株式会社esaは、プラスチック廃棄物のリサイクルやプラスチックペレットの加工・販売、プラスチック製品の開発、リサイクルコンサルティングを行っています。特に、異なる種類のプラスチックを同時にペレット化する新しいリサイクルソリューション「esa method」を開発し、マテリアルリサイクルを実現。この技術により、低コストで高品質なペレットを生成することが可能です。さらに、レジ袋や農業用プラスチックコンテナなどの製品化も行っています。
株式会社AI VOLT 軍神 未来 氏:来たる近未来!人をデジタルに移行するAI技術「AI VOLT」
株式会社AI VOLTは、AI技術による国内のIP・ライセンスを活用した新しいエンタメの創出を実現するAIソリューションカンパニーです。具体的には、AIツイン技術を駆使しコンテンツ制作と企画を支援する「デジタルツインピア」、個人向けに特化した高精度AIツイン生成サービス「TOKIAI」、個人向け高速AIツイン生成プラットフォーム「ドリームフレンド」を提供しています。AIツインとは、特定の対象(人間など)を学習し、デジタル空間上に再現したものです。
Elevatefoods Mazing Lee 氏:特別な食事制限に対応したパーソナライズされた食事を提供するためのAIデジタルフードプリンティングおよび調理技術「Elevatefoods」
Elevatefoodsは、AIデジタルフードプリンティングと調理技術により、特別な食事ニーズに対応したパーソナライズされた食事の提供を目指しています。
フードプリンティングが実際のものになってきているところに驚きました。味だけでなく、栄養素の調整が効きやすいので、健康というニーズに応えられるのが魅力だと思いました。
DMKTZ Jac Hsieh 氏:繊維および衣料品デザインのためのAIデザインコパイロットCADシステム「DMKTZ Studio」
DMKTZは、簡単なドラッグ&ドロップのインターフェイスを通じて3Dデジタルファッション資産の作成を合理化する分散型共創プラットフォーム「DMKTZ Studio」を運営しています。クリエイターがデジタルアバターと物理的な世界の両方のためにカスタムウェアをデザインすることを可能にするプラットフォームです。
台湾から参加のJacさん。AIをアパレルデザインの現場に応用することで、省力化だけでなく、実際に素材がないパターンを試すことで従来難しかった新しいデザインを試せること、また、実際に無駄になる試作品を作らなくて済むことで環境・ESG的にも良いという点が素晴らしいと思いました。
Valtec John Keh 氏:海事AIドローン艦隊による商業漁業の革命「Valtec」
Valtec Technologiesは、商業漁業の変革を目指し、ドローンの飛行軌跡を地図上でリアルタイムに監視する技術や、ストリーミングデータ分析により、より効率的で安全な漁業を実現します。
ファミリーテック株式会社 中村 貴一 氏:家族のための「決済」と「アカウント」を提供するスーパーアプリ「ファミリーバンク」
ファミリーテック株式会社は、共働き夫婦のための時短アプリ「ファミリーバンク」や、夫婦に最適化したクレジットカード「ファミリーカード」を展開しています。家族口座・家族カード・家族アカウント・家族メールなど、夫婦で共有して使えるさまざまな機能により、お金の管理や、位置共有、アカウント共有、連絡などを効率化します。家族のあらゆる機能をデジタル化することで、新たな家族生活の形の創造を目指しています。
株式会社BoostDraft 藤井 陽平 氏:法的文書の作成審査に潜む非効率を新しい切り口で圧倒的に解消。リーガル文書向けIDE「BoostDraft」
株式会社BoostDraftは、法的文書の形式面で発生する非効率的な作業を自動化するソフトウェアです。法的文書のレビュー・ドラフトにおける、スクロール・検索、体裁を整える、誤字脱字をなくす、項目の追加・削除に伴ってずれる後続の条項・リファレンスの修正といった作業を自動化します。MS Wordのプラグインとして提供することで導入障壁を下げているほか、オンプレミスであるためセキュリティの課題を解決しています。
株式会社Yuimedi グライムス 英美里 氏:「研究」「臨床」に使える医療データを簡単・すぐに医療現場へ―医療データ抽出を加速するAI Copilot「YuiQuery」
株式会社Yuimediは、データの標準化を通じて、医療データの利活用促進を目指しています。医療データのクレンジングに特化したノーコードソフトウェア「Yuicleaner」の開発・提供や、保有している医療データを利活用しやすいデータセットとして変換をサポートする「Yuimedi」の開発・提供、生成AIを用いた医療データ抽出ソフトウェア「YuiQuery」の開発を行っています。
ランディット株式会社 藤林 謙太 氏:世界中の駐車場をデジタル化して繋げるパーキングテック「LANDIT」
ランディット株式会社は、駐車場の予約、管理、決済をデジタル化し、駐車場運営の効率化・利便性向上を目指しています。事業用駐車場手配サービス「at PORT(アットポート)」の運営、事業用短期駐車場予約サービス「PIT PORT(ピットポート)」の運営、クラウドカメラ×AI「AIMO(アイモ)」、駐車場管理ソフトウェアの開発、衛星×機械学習事業を手がけています。「at PORT」は、駐車場や事業用地の手配を、調査から支払いまでワンストップで代行するサービスです。衛星×AI画像認識で収集した駐車場データから最適な駐車場を提案しています。
株式会社Remedies 東 真希 氏:書きたい内容に集中できるパワフルなAI文章校正「wordrabbit」
株式会社Remediesは、文章作成を効率化するAI文章レビューサービス「wordrabbit」を開発・提供しています。日本語専用に開発したAIにより、執筆の際にリアルタイムで文章を校正します。企業独自のチェックを導入したり、チーム内でルールを共有したりすることで、文章作成業務全体の効率化を実現します。Webブラウザ版のほか、Microsft Wordの拡張機能として提供しています。
概要
名称:IVS2024 KYOTO / IVS Crypto 2024 KYOTO
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。主催:IVS KYOTO実行委員会(Headline Japan/京都府/京都市)
日時:2024年7月4日(木)~7月6日(土)
会場:京都パルスプラザ他
大久保の視点
解説者紹介
大久保幸世 創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。
スタートアップ起業家たちの登竜門 IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO
イベントの創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
独立行政法人中小企業基盤整備機構近畿本部は、「新事業共創マッチング」を12月13日(金)に開催することを発表しました。 「新事業共創マッチング」は、成長志向の高い関西の中堅企業とスタートアップ企業など…
2022年10月5日、株式会社ORIGRESS PARKSは、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ORIGRESS PARKSは、遊園地・温泉・美術館・キャンプ場など、全国…
2022年6月30日、monoAI technology株式会社は、阪急阪神ホールディングス株式会社が2021年4月に設立したコーポレートベンチャーキャピタルファンド「阪急阪神イノベーションパートナー…
中小企業庁は、第4回「アトツギ甲子園」の開催を発表しました。 「アトツギ甲子園」は、後継者が既存の経営資源を活かした新規事業アイデアを発表するピッチイベントです。 先代経営者がこれまでに培ってきた人材…
「NIKKEI THE PITCH SOCIAL」のご案内です。 ソーシャルビジネスを事業展開あるいは起業検討している団体・個人・学生を対象にしたコンテストです。事業・アイデアの磨き込みを経て、最終審…
大久保の視点
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
注目のニュース
最新の創業手帳ニュース