「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」エネルギー価格上昇に約9割が「影響あり」と回答

tips

日本商工会議所と東京商工会議所は、「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」を実施、集計結果を公表した。

この調査は、全国200商工会議所の会員企業を対象に行ったものです。

大企業のみならず中小企業においても脱炭素経営に向けた取り組みが急速に広がり始めている中、中小企業の脱炭素への取組状況・課題・政府等へ期待する支援内容等の現状を把握し、今後の要望活動に活かしていくために実施しました。

エネルギー価格上昇による影響と対応状況

・エネルギー価格上昇により、約9割(88.1%)の企業が経営に影響を受ける。「影響は深刻で、今後の事業継続に不安がある」とする企業も約1割(9.2%)。
・価格転嫁の状況では、半数以上(51.8%)が「価格転嫁できている」と回答。「影響は深刻で、事業継続が不安」と回答した企業に限ると、「ほとんど・全く価格転嫁できていない」との回答が合わせて55.8%と半数を超える。

脱炭素に対する取組状況と課題

・中小企業においても、約7割が「省エネ型設備への更新・新規導入」などの脱炭素に関する取り組みを実施。
・「エネルギーの使用量・温室効果ガス排出量の把握・測定」は4社に1社(25.0%)が取組んでいるが、従業員数20人以下の企業では1割を切る。
・相談先は、設備機器メーカーが最多。次いで、電力・ガス会社、取引先の順。
・脱炭素に取り組む理由は「光熱費・燃料費の削減」が75.2%と最多。「企業としての評価や知名度の維持・工場」(30.5%)、「ビジネス環境の変化や技術革新への対応」(25.6%)など、企業ブランディングや経営革新につなげようとする動きも。
・およそ4分の1(25.7%)の企業が取引先から温室効果ガス排出量の把握・測定」などの要請を受けている。
・取り組むハードルについて、半数以上(56.5%)が「マンパワー・ノウハウが不足」と回答。

期待する脱炭素支援

・政府・自治体に求める支援としては「省エネ設備・再エネ導入等に対する資金面での支援」との回答が71.3%と最も多く、資金面でのサポートを求める声が多い。


世界的なエネルギー需給の逼迫と、資源燃料価格の高騰、そして歴史的な円安により、日本ではエネルギー価格が高騰しています。

このエネルギー価格高騰は事業者に大きな影響を与えており、さまざまな業界がコスト増に頭を悩ませています。

こうした中で注目されているのが、省エネルギー化によるコスト削減の取り組みです。

省エネ化はSDGs(持続可能な開発目標)が推進される中で、脱炭素化に資する取り組みとして重要であるだけでなく、同時にエネルギー使用量を抑制し、コスト削減にも貢献します。

今回の調査によれば、中小企業でも約7割の企業が「省エネ型設備への更新・新規導入」を行っており、省エネ化を進めています。

一方で、半数以上の企業が「マンパワー・ノウハウが不足」と回答している現状もあり、公的な支援をいかに活用するかが重要となっています。

創業手帳では起業を目指す方や経営上の悩みを抱える経営者などを対象に無料で専門家の紹介を行っています。起業にあたって不安や相談したいことなどがある起業家の方はぜひご活用ください。

また、起業家や専門家の生の声をもとに記事化した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」や、資金調達に特化した「資金調達手帳」も無料で発行しております。ぜひご活用ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ カーボンニュートラル 中小企業 中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査 商工会議所 日本商工会議所 東京商工会議所 環境対策 省エネ 省エネルギー化 脱炭素
詳細はこちら

「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」 の集計結果について ~エネルギー価格上昇に約9割が「影響あり」。約7割が省エネなどの脱炭素に取り組み、 4社に1社は温室効果ガス排出量を測定~

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

令和5年度「既存建築物省エネ化推進事業(省エネルギー性能の診断・表示に対する支援)」補助金
一般社団法人環境共生住宅推進協議会は、令和5年度「既存建築物省エネ化推進事業(省エネルギー性能の診断・表示に対する支援)」を実施しています。 改正建築物省エネ法に基づく省エネ性能表示制度が2024年4…
「産業交流展2023」が開催 中小企業による国内最大級のトレードショー
東京都は、「産業交流展2023」の開催を発表しました。 首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)に事業所を有する、個性あふれる中小企業などの優れた技術や製品を一堂に展示し、販路拡大、企業間連携の実現…
再生可能エネルギーの導入・ 調達コンサルティングなどを手がける「クリーンエナジーコネクト」が31.8億円調達
2023年7月28日、株式会社クリーンエナジーコネクトは、総額31億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 クリーンエナジーコネクトは、脱炭素経営企業やRE100参加企業などに向けた最…
5月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果が公表 業況DIは5か月ぶりに改善
2024年5月31日、日本商工会議所は、5月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を公表しました。 全産業合計の業況DIは、▲11.4(前月比+2.6ポイント)となりました。 製造業は、需要が堅…
太陽光発電セカンダリプラットフォーム「SOLSEL」などを運営する「エレビスタ」が4.5億円調達
2023年12月19日、エレビスタ株式会社は、合計約4億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 エレビスタは、太陽光発電セカンダリプラットフォーム「SOLSEL」や、発電データのアグリ…

大久保の視点

5/30史上初の野音起業フェス優勝は!宇宙ビジネスのBULL宇藤 恭士さん
2024年5月30日、創業手帳主催で野音起業フェスを実行しました。 ショートプレゼン大会「ライトニングトーク東京」を開催いたしました。 このイベントは、オン…
(2024/5/30)
ニコニコ超会議・学生ピッチ甲子園ビジネス部門優勝&1000万円獲得はウェルヘルス土井久生馬さん
2024年4月27日(土)~2024年4月28日(日)に幕張メッセでニコニコ超会議実行委員会で『ニコニコ超会議2024』が開催された。 『ニコニコ超会議20…
(2024/4/28)
「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】