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農家向け脱炭素施策の収益化やカーボンクレジットの流通サポートを手がける「フェイガー」が3.4億円調達

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2023年12月6日、株式会社フェイガーは、総額3億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

フェイガーは、農家向け脱炭素施策の収益化と、カーボンクレジットの流通サポートを手がけています。

主に水田の中干し期間延長(水マネジメントによって水田から排出されるメタンを抑制する手法)を通じ、農家と共同で脱炭素農業を推進し、その成果をクレジット化し収益を農家に還元しています。

また、脱炭素に取り組む生産者の「顔が見れるクレジット」として企業に提供し、PRなども含めた価値提供を行っています。

今回の資金は、国内チームの拡大、海外展開チームの強化に充当します。

今後、東南アジアを中心とした海外展開の加速、品質・収穫量の維持・拡大、高品質なカーボンクレジットの生成・販売のための構築などを推進していきます。


SDGs(持続可能な開発目標)の推進により、さまざまな領域で環境負荷の低い取り組みへの転換が求められています。

世界の農林業由来のGHG(温室効果ガス)排出量は、約120億トン(CO2換算)であり、これは全人為起源のGHG排出量の約4分の1の量にのぼります。

現代農業のプロセスの多くは機械化されており、化石燃料を多く使用しているほか、ビニールハウスでも燃料を消費しています。

また、水田は二酸化炭素(CO2)よりも高い温室効果を有するメタンガスを排出することで知られており、水田の多い日本では水田のGHG排出削減が重要な取り組みとなっています。

水田においては稲の生長期間中に水田の水を抜いて土壌に酸素を供給する中干し(土用干し)というプロセスがメタンガス排出の抑制に有効であることがわかっています。また、中干しは稲の根腐れの防止、過剰な分蘖(ぶんげつ)の抑制など、稲の健全な生長のためにも重要なプロセスです。

こうした中で、メタンガス排出の抑制と、収量・品質向上のバランスを取りながら、どちらの効果も最大化させるような中干し手法・期間の確立は、水田の脱炭素経営のために重要な取り組みといえます。

フェイガーは、主に水田の中干し期間延長を通じ、農家の脱炭素経営の推進と、施策のカーボンクレジット化を通じた収益化を手がけ、農家の新たな経営をサポートしています。

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カテゴリ 有望企業
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