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微細藻類ガルディエリアの研究開発を通じ地球規模の環境課題解決を目指す「ガルデリア」が5.5億円調達

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2023年10月4日、株式会社ガルデリアは、第三者割当増資等により総額約2.5億円を調達し、さらに国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のディープテック・スタートアップ支援事業PCAフェーズに採択され、約3億円の開発費支援を受けたことを発表しました。

ガルデリアは、微細藻類Galdieria(ガルディエリア)の研究開発を通じた資源循環経済の確立、食糧問題の解決などの地球環境改善を目指す企業です。

今回の資金は、新工場設立による生産能力の拡充、都市鉱山事業での販売力向上、人材採用を含めた研究開発能力の向上に充当する予定です。


藻類とは、陸上植物であるコケ植物、シダ植物、種子植物を除いた光合成を行う生物の総称です。人間が見るために顕微鏡が必要なほど微小な生物である微細藻類がその多くを占めています。

藻類は、人類に有益な物質を含んでいたり、新たな物質を生産したり、特定の物質を蓄えたりするといったユニークな性質を持っているものも多く、以前から産業利用に向けた研究開発が行われています。

ガルデリアが研究開発を進める微細藻類ガルディエリアは、硫酸性温泉に棲息する小さな藻類であり、表面に金(Au)やパラジウム(Pd)などの有価金属を特異的に吸着するという性質を持っています。また、光合成培養の過程でCO2を吸着するという特徴も持っています。

ガルデリアは、このガルディエリアの特徴を活かした貴金属吸着材の開発を通じ、金属リサイクルの推進や、金鉱山における環境負荷の軽減、工場等排ガスを活用したCO2固定化などを目指しています。

電子機器にはさまざまな希少金属(レアメタル)が使われていますが、取り出すことが難しいため、そのまま廃棄されているものもあることが課題となっています。

また、リサイクルに出されることなく家庭や企業で眠っている電子機器も多く、金属鉱物資源が社会に眠っている状況を都市鉱山と呼びます。

レアメタルは地政学的なリスクを抱えているほか、新興国の発展によって国際的にさらにニーズが高まり、その獲得競争が激化することが予測されています。

したがって都市鉱山からの再資源化は、資源の有効活用としても、資源の確保としても重要性が高まっているのです。

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カテゴリ 有望企業
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