注目のスタートアップ

鉄スクラップAI解析システム「鉄ナビ検収AI」を開発する「EVERSTEEL」が2億円調達

company

2023年9月28日、株式会社EVERSTEELは、2億円の資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、DCMベンチャーズです。

EVERSTEELは、鉄スクラップに特化したAI解析システム「鉄ナビ検収AI」を開発しています。

鉄鋼会社やリサイクル会社のスクラップヤードに取りつけたカメラで鉄スクラップを撮影し、AIによって等級判定や異物検出を自動で行うシステムです。

研修作業の効率化・省人化や、希釈コストの削減、密閉・爆発物による怪我・事故防止を実現します。

電炉最大手の東京製鐵を始め、複数の業界大手鉄鋼メーカーとの実証実験を経て、国内10社以上で実際の操業現場への導入検討が進んでいます。

今回の資金は、プロダクト開発、組織拡大に充当する予定です。

現在は「検収」に特化した開発を行っていますが、将来的には、調達・配合・製造までをサポートすることを目指しています。


鉄は現代社会にとって必要不可欠といっても良い素材のひとつです。

一方、鉄鋼の製造では大量の二酸化炭素(CO2)を排出することが問題視されています。一般的に、1トンの鉄鋼を製造するのに約2トンものCO2が発生するとされています。

日本の鉄鋼業のCO2排出量は日本全体のCO2排出量の14%を占めており、産業全体で見てもCO2排出量が多いことがわかります。さらに、世界的に見ても鉄鋼の生産量は増加傾向にあるため、鉄鋼業における脱炭素化は重要な取り組みといえます。

鉄鋼製造工程のうち、もっともCO2排出が多いのが、高炉における鉄鉱石の還元工程です。したがって、従来型の石炭を利用する技術から脱却するため、水素を利用した革新的な技術などの研究開発が進められています。

また、ほかにも大きくCO2排出削減できるものとして、鉄のリサイクルが注目されています。

鉄のリサイクルでは、役目を終えた鉄鋼製品を回収し、鉄スクラップを電気で溶かして新たに鉄を製造します。

このリサイクルの工程では、1トンの鉄を製造するのに、0.67トンのCO2排出で済むことから、鉄鉱石から鉄を製造するよりもCO2の排出を抑えることが可能です。

一方、リサイクルの原料である鉄スクラップには、鉄以外の不純物や爆発物などが混入するケースがあることから、チェック工程における生産性低下や事故・怪我のリスクといった課題を抱えています。

EVERSTEELは、鉄リサイクルが抱えている課題をAIによる画像解析などのテクノロジーの力で解決することを目指しています。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達やシナジーのある企業などとの提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI BtoB EVERSTEEL スクラップ リサイクル 株式会社 画像解析 資金調達 金属 鉄スクラップ 鉄ナビ検収AI 鋼鉄 電炉
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

オンラインアシスタントサービス「フジ子さん」を運営する「フジア」が4.65億円調達
2022年10月18日、フジア株式会社は、総額4億6,500万円の資金調達を実施しました。 直近では、2022年8月2日に、総額3.35億円の資金調達を発表しています。 フジアは、オンラインアシスタン…
太陽光発電所の性能再生事業などを手がける「ヒラソル・エナジー」が資金調達
2024年3月22日、ヒラソル・エナジー株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 ヒラソル・エナジーは、将来の太陽光発電所の運営にはデジタル化による管理の効率化・コスト削減が必要だと考え、発…
与信プラットフォーム「Credit as a Service」展開の「Crezit Holdings」が6.5億円調達
2022年2月24日、Crezit Holdings株式会社は、総額6億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 消費者信用事業(貸金・割賦販売など)に参入したい企業に対し、金融サービス…
ECプラットフォーム「ecforce」を提供する「SUPER STUDIO」が14億円調達 オフライン市場進出に向けて始動
2023年10月17日、株式会社SUPER STUDIOは、総額約14億円の資金調達を実施したことを発表しました。 SUPER STUDIOは、ECプラットフォーム「ecforce(イーシーフォース)…
IT・デジタル領域でクリエイティブやデジタル・マーケティング事業を展開する「monomode」が資金調達
2020年11月2日、株式会社monomodeは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、株式会社北海道二十一世紀総合研究所が運営する「北洋SDGs推進ファンド(北洋SDGs推進投資事業有限…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集