注目のスタートアップ

「日本水素エネルギー」の子会社「JSE Ocean」に「川崎汽船」「商船三井」「日本郵船」が資本参加

company

日本水素エネルギー株式会社と、川崎汽船株式会社・株式会社商船三井・日本郵船株式会社(邦船3社)は、2023年9月12日に、邦船3社が日本水素エネルギーの子会社であるJSE Ocean株式会社へ第三者割当増資にて資本参加し協業することに合意したことを発表しました。

日本水素エネルギーは、岩谷産業株式会社・ENEOS株式会社との3社で、2021年8月に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/大規模水素サプライチェーンの構築プロジェクト」に対して、「液化水素サプライチェーンの商用化実証」を提案し、採択されました。

この実証事業では、年間数万トン規模の大規模な水素の液化・輸送技術を世界に先駆けて確立し、水素製造・液化・出荷・海上輸送・受入までの一貫した国際間の液化水素サプライチェーンを構築するための実証に取り組んでいます。

JSE Oceanは、日本水素エネルギーの子会社として、液化水素運搬船による液化水素の海上輸送事業検討を目的として2023年1月に設立された企業です。

今回の資本参加・協業により、邦船3社は、JSE Oceanを通じて商用規模の国際水素サプライチェーンにおける液化水素の海上輸送確立を目指します。

具体的には、2024年までに世界初の大型液化水素運搬船における安全で効率的な運航、将来性のある海上輸送事業スキームの検討を共同で実施します。


水素は燃焼させても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、クリーンな次世代エネルギーとして期待が高まっています。

また、水素は海水など多様な資源からつくることが可能であるため、従来の化石燃料に比べると地理的偏在性が小さいという特徴があります。

一方で現在の水素製造は化石燃料を利用したものであり、再生可能エネルギーによってつくられた水素(いわゆるグリーン水素)を供給するサプライチェーンを構築する必要があります。

再生可能エネルギーが豊富な国は、水素の重要な供給国となると考えられています。日本では自国で水素を製造する以外にも、こうした国から水素を輸入し、利用することが必要となると考えられています。

国際間の液化水素サプライチェーンの構築は、水素社会の実現のために必要な取り組みであり、日本水素エネルギーはその実現のための実証に取り組んでいます。

また、子会社であるJSE Oceanは、今回の邦船3社と協力し、商用規模の国際水素サプライチェーンにおける液化水素の海上輸送確立を目指すとしています。

革新的なビジネスを実現するには、大規模な資金調達やシナジーの見込める協業先を見つけることが非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ JSE Ocean 商船三井 実証 川崎汽船 日本水素エネルギー 日本郵船 水素 海上輸送 液化水素 液化水素サプライチェーン 船舶
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

船舶の自動運転技術を開発する「エイトノット」が地域金融機関から資金調達
2022年12月19日、株式会社エイトノットは、広島ベンチャーキャピタルを引受先としたJ-KISS型新株予約権方式によるエクイティファイナンス、および池田泉州銀行から借入によるデットファイナンスを組み…
「NX補助金(内航変革促進技術開発費補助金)」3次募集(11/29締切)
「NX補助金(内航変革促進技術開発費補助金)」3次募集のご案内です。 国土交通省は、内航事業者が造船・舶用事業者と連携し、DXやGXといった社会の変容や船員の高齢化といった諸課題に対応しつつ、新たな社…
宇宙で実証・実験を行ったあと地球に帰還する宇宙機を開発する「ElevationSpace」が14億円超調達
2024年7月12日、株式会社ElevationSpaceは、総額14億円超の資金調達を実施したことを発表しました。 ElevationSpaceは、宇宙で実証・実験を行ったあと、地球に帰還する宇宙機…
セミナー「スタートアップによる大規模技術実証を支援する補助金について」
一般財団法人バイオインダストリー協会は、セミナー「スタートアップによる大規模技術実証を支援する補助金について」の開催を発表しました。 スタートアップ等によるイノベーション創出をするためのSBIR(Sm…
「バイオものづくり革命推進事業」第3回公募
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「バイオものづくり革命推進事業」の第3回公募について発表しました。 脱化石資源社会・カーボンニュートラル社会の実現といった「地球規模の…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集