注目のスタートアップ

秋田県五城目町を拠点にバイオマスを用いたエネルギー創出事業などに取り組む「このほし」が資金調達

company

2023年6月12日、株式会社このほしは、資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、地域課題解決型シード特化ファンドであるCentral Japan Seed Fundです。

このほしは、秋田県五城目町の脱炭素化実現に向け、林地残材や農業残渣などを用いた電力/熱供給スキームの構築に取り組んでいるほか、脱炭素化推進コンサルティング事業や、サステナビリティ人材教育事業、自然環境教育事業を展開しています。

また、秋田県での未利用資源のエネルギー利用に関する知見を活かし、新興国・途上国の分散型のエネルギー構築スキームの構築に取り組む計画です。

今回の資金は、バイオマスによるマイクロ発電デバイスの開発、新興国での事業可能性の検証、人材獲得に充当します。


SDGs(持続可能な開発目標)が推進される現在、化石燃料に頼ったエネルギー供給の抜本的な見直しは重要なテーマのひとつです。

石炭・石油・天然ガスなどは、太古の動物・植物の化石が由来であるといわれています。これらは燃やすことでCO2などの温室効果ガスを排出するほか、その資源には限りがあり、さらに埋蔵されている地域が偏っているため地政学的リスクがあります。

こうした化石燃料の課題を解決するものとして、世界的に再生可能エネルギーの普及に向けた取り組みが推進されています。

再生可能エネルギーは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなど、半永久的になくならない資源を用いて生み出されるエネルギーのことです。

これらは温室効果ガスを排出せず、さらに国内で生産できるため、化石燃料の課題を解決した重要なエネルギー源となります。

バイオマスは、再生可能な生物由来の有機性資源のことです。植物を由来とするバイオマスは、光合成によってCO2を吸収して成長するため、燃やす際にCO2を排出したとしても、差し引きでゼロになるため、CO2を排出しないものとして定義されています。

また、林地残材や農業残渣など未利用の資源を活用してエネルギーを供給できるようになれば、廃棄物の削減につながるため、循環型社会の実現に役立ちます。

一方、バイオマスは広い地域に分散していることから、小規模で分散型のエネルギー供給になり、一般的な発電方法や太陽光発電などと比べて発電効率が悪くなるという課題があります。ほかにも、バイオマスの調達が不安定になること、地域によって調達できるバイオマスが異なり、地域ごとに最適化しなくてはならないことなどにより、バイオマスを利用したエネルギー供給の普及には課題があります。

こうした背景のもと、このほしは秋田県五城目町を拠点に、林地残材や農業残渣などを用いた電力/熱供給スキームの構築に取り組んでいます。

さらに新興国・途上国にもこのスキームを適用することで、新興国・途上国のエネルギーニーズに応えることも目指しています。

事業の成長には豊富な資金が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ エネルギー このほし サステナビリティ スキーム バイオマス 供給 分散型マイクロ発電 分散型電源 地域課題 新興国 未利用資源 林地残材 株式会社 残渣 秋田県 脱炭素化 資金調達 農業残渣 途上国 電力
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人の設立方法を徹底解説|手続きの流れ・必要書類・費用・メリットなど
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【2025年最新版】合同会社と株式会社の違いを徹底比較!メリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

廃棄漁具のアップサイクルにより新たな製品を作る「amu」が7,500万円調達
2024年4月4日、amu株式会社は、総額7,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 amuは、漁業者の負担を軽減しながら、廃棄漁具が海に流出する前に回収し、再資源化することを目指していま…
健康経営クラウドサービス「Dr.CHECK」を提供する「リバランス」が資金調達
2022年10月17日、株式会社リバランスは、資金調達を実施したことを発表しました。 リバランスは、健康経営クラウドサービス「Dr.CHECK」を提供しています。 勤怠データや、検診結果から、企業・従…
1on1サポーター「Ando-san」や組織診断「イノベーション・サーベイ」を手がける「シンギュレイト」が3,200万円調達
2024年1月12日、株式会社シンギュレイトは、総額3,200万円の資金調達を実施したことを発表しました。 シンギュレイトは、ピープルアナリティクスの技術をもとに、1on1での話し方・聴き方を可視化す…
数値管理DXソリューション「AutoDate」を提供する「Marsdy」が3.2億円調達
2023年10月10日、株式会社Marsdyは、総額3億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Marsdyは、数値管理DXソリューション「AutoDate(オートデート)」を提供して…
リモートワークデスクを中心としたオフィス家具D2Cブランド「WAAK°」を展開する「ワアク」が資金調達
2022年10月26日、ワアク株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 ワアクは、リモートワークデスクを中心としたオフィス家具D2Cブランド「WAAK°(ワアク)」を展開しています。 モダン…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集