注目のスタートアップ

分散型エネルギーの接続問題を解決する「Public Power HUB」を展開する「EX4Energy」が1億円調達

company

2023年3月22日、EX4Energy株式会社は、1億円の資金調達を実施したことを発表しました。

EX4Energyは、東京大学 生産技術研究所 野城智也教授・馬場博幸特任准教授の研究成果を活用し、分散型エネルギーの接続問題を解決する情報通信基盤「Public Power HUB」を構築し、電気通信事業者として事業を展開しています。

サービス事業者に対し、各社の制御システムと個々のエネルギー機器をつなぐ相互接続サービスを電気通信事業者として提供しています。

2023年2月に、産業用自家消費型太陽光発電の分野で最大手の1社であるオルテナジー社がEX4Energyのサービスの利用を発表しています。

また、家庭分野や地上設置の発電所分野においても、複数のエネルギーサービス事業者と共同して、「Public Power HUB」の活用可能性を検討していく計画です。

今回の資金は、「Public Power HUB」の機能強化、人材採用を通じた体制強化に充当する予定です。


分散型エネルギー(源)とは、需要家(電力を使用する住宅や商業ビルなど)の近くで発電し、供給を行う小規模発電源のことです。

近年は、国連によりSDGs(持続可能な開発目標)が採択されたことにより、世界的にクリーンなエネルギーである再生可能エネルギーの普及に向けた取り組みが推進されており、国内でも太陽光発電設備や風力発電設備の設置が進んでいます。

こうした背景から国内では分散型エネルギーが増加しており、分散型エネルギーの効率的な活用と、活用するための基盤を構築することが重要となっています。

これまで、発電所といえば電力会社1社の管轄で、数十か所程度だったのですが、分散型エネルギーとなると数十万・数百万といった拠点数になることが想定されます。

分散型エネルギーの時代においては、こうしたエネルギーの情報を集め、必要としている場所に適切に届けることが必要となります。この役割を担うために登場したのアグリゲーターです。

アグリゲーターの間では、アグリゲーターのシステム・各メーカーの製品それぞれで独自の仕様を採用しており、相互に接続できないという課題を抱えています。

EX4Energyは、この分散型エネルギーにおける接続問題を解決するため、クラウド上に異なるメーカーの機器・システムと接続し、データをやり取りできる情報通信基盤「Public Power HUB」を構築し、アグリゲーター向けに総合接続サービスとして提供しています。

EX4Energy株式会社のコメント

このニュースを受けまして、EX4Energy株式会社よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

Public Power HUBを活用した相互接続サービスの運営体制構築・拡充のための体制強化。

・今後の展望を教えてください。

2023年度は相互接続サービスの運営体制を構築し、2024年度はいっきに事業拡大する予定です。2024年度の後半には海外市場へのアプローチにも着手したいと考えています。

・読者へのメッセージをお願いします。

カーボンニュートラルを実現するために、分散型の電力システムへの転換が必須となっています。

当社は、エネルギー産業のリーディングカンパニーと協業しながら、エネルギー産業の変革をリードしたいと考えています。

企業の成長には戦略的な資金調達や提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ EX4Energy Public Power HUB エネルギー 再生可能エネルギー 分散型エネルギー 分散型電源 情報通信基盤 接続 接続問題 株式会社 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

感情・精神状態を可視化するビデオ接客ツール「Remotewell」提供の「リモートウェル」が2.4億円調達
2022年6月23日、リモートウェル株式会社は、総額約2億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 リモートウェルは、ビデオ接客ツール「Remotewell(リモートウェル)」を開発・運…
社外人材による1on1サービスを提供する「エール」が3.2億円調達
2024年6月4日、エール株式会社は、総額3億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 エールは、社外人材による1on1サービスを提供しています。 聴く練習・聴いてもらう体験を通じ、経験…
宇宙で実証・実験を行ったあと地球に帰還する宇宙機を開発する「ElevationSpace」が14億円超調達
2024年7月12日、株式会社ElevationSpaceは、総額14億円超の資金調達を実施したことを発表しました。 ElevationSpaceは、宇宙で実証・実験を行ったあと、地球に帰還する宇宙機…
「Capex」が1億円調達 ライフ・パートナー・アプリ「PATONA」をリリース
2020年12月24日、株式会社Capexは、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、ライフ・パートナー・アプリ「PATONA(パトナ)」をリリースしたことも併せて発表しました。 「…
「日本テレビ放送網」が乃木坂46・日向坂46・JO1らアーティストのゲームアプリの企画・運営を手がける「10ANTZ」に出資
2023年5月19日、日本テレビ放送網株式会社は、株式会社10ANTZへの出資を決定したことを発表しました。 10ANTZは、乃木坂46や、日向坂46、JO1などのアーティストの魅力を最大化するゲーム…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集