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アフリカでスモールビジネス向け経営管理アプリを展開する「LINDA PESA」が3,000万円調達

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2023年2月10日、LINDA PESA株式会社は、総額約3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

LINDA PESAは、アフリカ・タンザニアでスモールビジネス向け経営管理アプリを提供しています。

正確な経営情報の蓄積を可能にすることでスモールビジネスオーナーの信用を可視化し、アフリカスモールビジネスの金融インフラを構築することを目指しています。

今回の資金は、マネジメント人材やエンジニア人材の採用などに充当します。

また引受先の1社である丸井グループとは、顧客への新たな価値提供を実現するための協業を見据え事業展開を行っていきます。


アフリカではいまだ電気が届いていない地域が多く残っています。

独立行政法人国際協力機構の資料「JICAによるアフリカ電力開発支援」によると、2014年の時点では、サブ・サハラアフリカ全体の電化率は35%程度で、農村部に限ると19%と低い電化率になっています。人口でいうと6億人を超える人びとが電気のない生活を送っています。

一方で、フィーチャーフォンやスマートフォンは2000年あたりから普及し、2021年時点で携帯電話の普及率が90%を超えている国も多くなっています。

アフリカ地域は2000年代以降、年率5%前後の高い経済成長を続けており、さらに人口も増加しており、新規市場としての注目が高まっています。

こうした中、SDGsの推進などによって貧困などのアフリカの社会課題をビジネスで解決する取り組みに投資家の注目が集まっています。

アフリカの多くの国では、個人経営の商店(キオスク)などのスモールビジネスがかなりの数存在しており、現地の生活や経済活動において重要な拠点のひとつとなっています。

また、アフリカでは信用がないために銀行からお金を借りることができず、事業を開始できなかったり事業拡大ができなかったりする人が多数存在しており、金融サービスへのアクセスの機会を創出することで貧困を解決するマイクロファイナンス(小規模金融)が注目されています。

LINDA PESAは、こうしたスモールビジネス向けの経営管理アプリを提供し、信用スコアを可視化することで、より多くの人に金融サービスにアクセスできる機会を提供することを目指しています。

LINDA PESA株式会社のコメント

このニュースを受けまして、LINDA PESA株式会社 代表取締役 山口亜祐氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

人材採用(マネージャー人材とエンジニア)と営業展開強化が主目的です。

これまでの1年間は自己資金のみで事業を展開していたため、メンバーは全員副業でした。

今回の調達により、正社員採用を進め100%事業に注力することにより、事業展開を加速してまいります。

・今後の展望を教えてください。

第一に、現地での顧客基盤の確立を目指します。

当社のビジネスモデルの場合、オンボーディングが最初のチャレンジとなります。

しかし、一度利用開始すると、スイッチングコストが高いため使い続けていただける可能性が上がります。

現地スタッフの教育とオンボーディングの標準化により、デファクトスタンダードを獲得します。

第二に、アプリに蓄積された与信スコアを可視化することで、顧客への新たな価値提供を実施します。

与信スコアリングについては丸井さんのナレッジを活用させていただけるよう、協業を検討中です。

・読者へのメッセージをお願いします。

アフリカは人口増加とインターネットインフラの確立により、大きな可能性のある場所です。

人々も活気に溢れており、成長意欲を肌に感じます。

当社のビジョンはOpportunities for Everyoneです。

これは、全ての人に機会を提供できるよう、信用を可視化することで、アフリカに新たなお金の流れを呼び込んでいくことを目指して決めたものです。

ぜひ一度、市場としてのアフリカ、タンザニアに目を向けていただけたら嬉しく思います。

問い合わせ:info@lindapesa.com

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