注目のスタートアップ

調剤薬局向け電子薬歴システム「Musubi」を提供する「カケハシ」が76億円調達

company

2023年1月11日、株式会社カケハシは、総額約76億円の資金調達を実施したことを発表しました。

カケハシは、調剤薬局向け電子薬歴システム「Musubi(ムスビ)」、薬局向けデータプラットフォーム「Musubi Insight」、患者フォローアップアプリ「Pocket Musubi」、医薬品在庫管理・発注システム「Musubi AI在庫管理」を提供しています。

「Musubi」は、電子薬歴による業務効率化だけでなく、服薬指導サポートや、経営データの可視化、LINEによる服薬期間中の患者のフォロー・処方箋送信、AIによる在庫管理により、薬局のDXをサポートするシステムです。

2023年1月現在、「Musubi」の市場シェアは10%を超え、全国7,000店舗以上の薬局に導入されています。

今回の資金は、開発体制強化に向けたエンジニア採用、サービス導入支援・カスタマーサポート体制の強化、新規サービス立ち上げを含む事業開発に充当する予定です。


国内の医療では、薬剤の処方を医師、処方箋にもとづいて調剤・薬歴管理・服薬指導を薬剤師が行う医薬分業が制度として定着しています。

医薬分業は、医師と薬剤師の役割を明確に分業することで、不適切な投薬などを防げるほか、患者に具体的で継続的な服薬指導を行えるというメリットがあります。

一方、国内において医薬分業は形骸化している側面があり、調剤薬局は病院の近くに店舗を構え、薬剤の調製といった対物中心の業務を行うだけで事業が成り立っていました。

近年は高齢化の進展もあり、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築の実現が急務となっています。

そして、薬剤師・調剤薬局も医療・介護・予防の一翼を担い、医療において適切な役割を果たしていくことが求められています。

こうしたなか、政府は2015年あたりから、患者ファーストの医薬分業の実現のため、かかりつけ薬剤師・薬局を推進しています。

具体的な取り組みのひとつとして、診療報酬改定により、特定の医療機関からの処方箋の割合が大多数だった場合、調剤報酬が引き下げられるようになりました。これにより調剤薬局はより多様な患者に向けたサービスの提供が必要となっています。

そして多様な患者に向けたサービスの提供のためには、薬歴などを記録・活用するためのシステムが必要であり、これが電子薬歴システムや服薬指導支援サービスのニーズが高まっている要因のひとつです。

創業期はなにもない状態からはじまるため、最新のシステムを導入するのにうってつけです。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備について詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ DX Musubi カケハシ システム デジタルトランスフォーメーション ムスビ 在庫管理 服薬指導 株式会社 業務効率化 薬剤師 薬局 薬局DX 調剤 調剤薬局 資金調達 電子薬歴
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
法人成りとは?個人事業主が法人化するメリット・デメリットや手続きを徹底解説!
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人の設立方法を徹底解説|手続きの流れ・必要書類・費用・メリットなど
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

リベンジポルノなどデジタルバイオレンスの発見・防止システム「HIMEPA」運営の「ベジベジ」が2,500万円調達
2022年9月6日、ベジベジ株式会社は、約2,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ベジベジは、リベンジポルノをはじめとした、デジタルバイオレンスの発見・防止システム「HIMEPA」を開…
店舗情報の一括管理サービスを開発・提供する「カンリー」が10億円調達
2023年5月16日、株式会社カンリーは、総額約10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 カンリーは、Googleビジネスプロフィール、HP、SNSの店舗アカウントの一括管理サービス「Canl…
「カシワバラ・コーポレーション」が「DRONE PILOT AGENCY」と資本・業務提携へ
2019年8月28日、株式会社カシワバラ・コーポレーションは、DRONE PILOT AGENCY株式会社と、資本・業務提携を行う方向で合意したことを発表しました。 カシワバラ・コーポレーションは、“…
無人ストア事業展開の「600」がマンション専用新サービス「Store600」の提供を開始
2021年4月26日、600株式会社は、「Store600(ストアろっぴゃく)」を、日鉄興和不動産株式会社の分譲マンション「グランリビオ明野南ヒルトップ」の共同設備として、4月20日からサービス提供を…
「シンプルフォーム」が7億円調達 法人調査プロセス自動化クラウド「SimpleCheck」を正式リリース
2022年6月15日、シンプルフォーム株式会社は、約7億円の資金調達を実施したことを発表しました。 これまで非公開であった資金調達ラウンドと金融機関からの借入も合わせると、累計約10億円調達しています…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集