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電力卸売業の「エナジーグリッド」が「名古屋銀行」と20億円のコミットメントライン契約を締結

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2023年8月4日、エナジーグリッド株式会社は、名古屋銀行と20億円のコミットメントライン契約(期間1年)を8月4日付で締結したことを発表しました。

エナジーグリッドは、全国の新電力会社に対し、価格上限付き契約などデリバティブ・オプション要素を組み込んだストック型顧客向け取引や、地域間やカレンダー間など市場価格の歪みを収益化するフロー型裁定取引を案内、各社が抱える価格変動リスクに合わせ、オプションを組み入れた現物取引を提供し、電力の安定的な調達機会を提供しています。

今回の契約は、運転資金の増強を目的としています。


2016年4月、電力市場における競争を促進し、電力供給の安定性を確保し、電気料金の軽減を目指すために、電力小売事業が完全な自由化を遂げました。

こうして誕生した新たな電力小売業者は「新電力」と呼ばれています。新電力の進出により、電力会社間での競争が活性化し、消費者は自分に適した電力会社を自由に選択することが可能になりました。これは好ましい変化といえます。

しかしながら、2021年1月には、市場連動型プランを提供していた新電力業者で、最高で10倍もの価格高騰が発生する事態が発生しました。

この問題は、火力発電所がLNG(液化天然ガス)の供給不足によって停止し、大寒波による電力需要の増加が重なった結果、電力供給が逼迫したことで発生しました。これにより、JEPX(日本卸電力取引所)でのスポット価格は、通常の7.0円/kWhから1日平均100円/kWhに高騰しました。

JEPXを介さずに大手電力会社と直接取引できれば、このようなリスクから避けられるかもしれません。しかし、多くの中小規模の新電力業者はリソースに限りがあるため直接取引が難しく、価格変動の激しいJEPXを利用し、価格変動リスクを抱えることとなっています。

そこで、エナジーグリッドは、新電力業者向けに、価格変動リスクに対処するためのリスクヘッジ商品を提供しています。

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