注目のスタートアップ

農業畜産分野のゲノム編集研究開発受託サービスを提供する「セツロテック」が「住友商事」と資本業務提携

company

2022年11月25日、株式会社セツロテックは、住友商事株式会社と、第三者割当増資を含む資本業務提携契約の締結に合意したことを発表しました。

セツロテックは、ゲノム編集技術により農業畜産分野での新品種開発に取り組む受託開発型事業「PAGEs (Platform App (lication) using Genome Editing by Setsurotech)」を展開する徳島大学発ベンチャーです。

セツロテックは2020年から、住友商事のゲノム編集ビジネスに対する技術コンサルティングに取り組んでいます。

今回の資本業務提携によりさらに関係を強化し、ゲノム編集商材の社会浸透を推進していきます。

具体的には、以下の取り組みを行います。
・セツロテックが取り組み開発した結果得られたゲノム編集商材の事業化を住友商事が担当
・セツロテックの自社ゲノム編集商材の企画開発力とラインアップの強化
・国内外のPAGEs事業の代理店契約を住友商事と締結する予定
・セツロテック独自のゲノム編集因子であるST8の代理店契約を住友商事と締結する予定

品種改良は生物の遺伝子の変化を利用し、目的にあった品種を選別することで行われています。

現代では異なる品種をかけ合わせることで目的の性質をもった品種を作る品種改良などに発展しています。

一方で、品種改良には短くても5年から10年ほどの歳月が必要となることが大きな課題となっています。

この課題を解決するため、別の生物から目的とする遺伝子を導入し新しい性質を持たせる遺伝子組換えといった遺伝子に手を加える技術が生まれました。

たとえば遺伝子組換えでは、特定の除草剤では枯れないという性質を持ったものが作られ、大規模農場において上空から除草剤を散布することで、遺伝子組換え作物以外の雑草をすべて除去することができるため大きな効率化につながっています。

しかし、遺伝子組換え作物が商業的に栽培されるようになったのは1996年のことであり、食経験や栽培経験が短い農作物である点や、自然界での交配などでは得られない特徴を人為的に付与する点から、安全性の問題や環境への影響などの懸念・不安を持つ消費者が多いことが課題となっています。

ゲノム編集技術は、遺伝子組換えと同じく遺伝子を操作する技術ですが、現在実用化されている技術は、酵素によってゲノムの特定の部位を切断し、突然変異を起こすという技術です。

これは自然発生的に起こる突然変異を人為的に起こすものであり、人為的に別の生物の遺伝子を導入する遺伝子組換えとは別の操作です。

ゲノム編集は高い頻度で突然変異を起こすことができるため、品種改良の効率が飛躍的に向上します。そのため新たな品種改良技術として高い注目を集めており、近い将来品種改良のひとつの手段として広く活用されることになると考えられています。

事業を大きく成長させるには戦略的な資金調達や、シナジーのある企業との提携・協業が重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ PAGEs ゲノム編集 セツロテック 住友商事 株式会社 畜産 研究開発 資本業務提携 農業
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人の設立方法を徹底解説|手続きの流れ・必要書類・費用・メリットなど
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

行動認識AIやAI警備システム「AI Security asilla」を手がける「アジラ」が資金調達
2024年3月5日、株式会社アジラは、資金調達を実施したことを発表しました。 シリーズCセカンドクローズとして合計3億円を調達しました。今回のラウンドの調達金額は合計7.6億円であり、累計調達金額は1…
新卒就職活動支援サービス「キャリアの実」 新規利用で新卒採用手数料が50%offになるキャンペーンが開始
2020年10月1日、株式会社ライト通信は、グループ会社である株式会社C3が提供する「キャリアの実」においてキャンペーンを開始することを発表しました。 キャンペーン内容は、「キャリアの実」を新規利用す…
ヘルスケア・医療向けIoTセンサー開発の「クォンタムオペレーション」が資金調達
2020年2月6日、株式会社クォンタムオペレーションは、資金調達を実施したことを発表しました。 ヘルスケア・医療分野におけるIoTデバイス「バイタルバンド」を開発しています。 アナログ・データのデジタ…
コネクテッドバッテリー「MaBeee」を展開する「ノバルス」が「アロン化成」と資本業務提携
2022年10月20日、ノバルス株式会社は、アロン化成株式会社を引受先とする第三者割当増資を実施したことを発表しました。 ノバルスは、乾電池を使う製品のモニタリングや遠隔での出力制御を実現するコネクテ…
アフリカの未電化・未電波地域に電気・通信を届ける「TUMIQUI」を展開する「シュークルキューブジャポン」が資金調達
2022年6月30日、株式会社シュークルキューブジャポンは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、関西電力グループのコーポレートベンチャーキャピタル・合同会社K4 Venturesと、シブ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集