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電気運搬船や大型蓄電池を開発する「パワーエックス」が15億円調達

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2022年11月15日、株式会社パワーエックスは、大手金融機関から融資によって15億円の資金調達を実施したことを発表しました。

パワーエックスは、超急速EV充電用蓄電池・定置用蓄電池・船舶用電池・住宅用電池の製造・販売や、電気運搬船「Power Ark」の開発を展開しています。

「Power Ark」は、沖合にある洋上風力発電所でつくられた電力を船で陸に運ぶ電気運搬船です。2025年に1号艇の完成を予定しています。

大型蓄電池事業では、岡山県玉野市に日本最大級の蓄電池組立工場「Power Base」を建設することを予定しています。

「Power Base」は、2023年からテスト生産を、2024年春からEV急速充電器や定置用蓄電池などの出荷を開始する予定です。

また、2022年8月には、バッテリー型超急速EV充電器「Hypercharger」、定置用蓄電池「Mega Power」、11月には船舶用蓄電池「Mega Power for Marine」の先行受注を開始しています。

今回の資金は、予約注文の出荷に向けて投資します。

SDGsの推進などにより、世界的にクリーンなエネルギーである再生可能エネルギーへのシフトが進んでいます。

再生可能エネルギーには、太陽光・風力・バイオマス・水力・地熱などさまざまなものがありますが、国際的に主流となっているのは太陽光発電と風力発電です。

国内では、大規模な太陽光発電設備を設置できるような平坦で広大な土地が少ないこと、欧州と比べて風が弱く安定的でないことから風力発電の効率が悪いことなどを理由に再生可能エネルギーの導入が遅れていました。

しかし近年は技術の発展によって発電効率の向上が実現したことや、震災によって多数の原発が停止し電力不足に陥っていることから、国内においても再生可能エネルギーの社会実装に向けた動きが進んでいます。

とはいえ太陽光発電と風力発電の普及にはいくつかの課題があります。そのうちの課題のひとつは、蓄電池のコストの問題です。

太陽光発電・風力発電は発電量が時間・季節などによって一定ではなく、需要と供給のバランスを保つことが難しいことから、電力を溜めておき、必要な時に使えるようにする蓄電池が必要となります。

しかし蓄電池のコストは高く、たとえば太陽光発電を採用する際に蓄電池を導入しない場合よりも蓄電池を導入したほうが経済的にメリットがある状態であるストレージパリティを達成している国産の蓄電池システムはいまだ存在していません。

パワーエックスは、大規模の蓄電池製造工場を建設し、高性能で価格的に競争力のある国産蓄電池の製造に取り組み、日本市場平均価格の1/3までコストを引き下げ、ストレージパリティを達成する国産蓄電池を提供することを目指しています。

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