注目のスタートアップ

教育特化型外部人材マッチングサービス「複業先生」などを展開する「LX DESIGN」が資金調達 ベネッセホールディングスと資本業務提携

company

2022年10月12日、株式会社LX DESIGNは、株式会社ベネッセホールディングスを引受先とする第三者割当増資を実施したことを発表しました。

LX DESIGNは、教育特化型外部人材マッチングサービス「複業先生」や、高校生のためのAIソーシャル進路相談プラットフォーム「imAdokI」、Edtech領域の学生たちが集う実践型ゼミ「LXゼミ・教育大学」を展開しています。

「複業先生」は、探究学習・総合的な学習・プログラミング・グローバル・IT・起業教育・金融教育・性教育など、これまで教員だけでは手が回らなかった教育において、教育に関わりたい多様な民間人材に授業を依頼できるサービスです。

ベネッセホールディングスは、子会社のClassi株式会社を通じて、学校のICT化をサポートする教育プラットフォーム「Classi」を提供しています。

今回、Classiと提携し、両社の知見を活かし、教員の授業の負荷軽減や、より多くの生徒が社会と接することができる機会を創出するため、事業に取り組んでいきます。

株式会社LX DESIGN

このニュースを受けまして、株式会社LX DESIGN<よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

ベネッセHD様・Classi様とともに”複業先生®︎”を通じた、探究学習・キャリア教育・教科学習での顧客学校・自治体への価値共創を日本中で行います。
特に、餃子・共感・パーパスを中心に事業開発・プロダクト両面での組織強化を図ることで、教員・他業界出身者がワンチームで新たな和音に挑みます。

・今後の展望を教えてください。

学校の新たな関係人口を創出することで、教員の孤独を解消します。ESG・ウェルビーイング・サステナビリティなどの観点で、企業の参画希望も増えてきているので、それを繋ぐ翻訳機能、共通言語を分かち合う”複業先生®︎”プラットフォームを触媒に、学校と社会の間にある境界線を溶かしていきます。
教育課題を”資本主義の外の誰かが解決してくれるもの”から、すべての人にとって、”この瞬間から自分たちが関わるべきライフワークに”変えていきます。
一般的には、僕たちは学校DX・HR領域のリーディングスタートアップとご理解いただいていますが、次世代の才能開花に尽くす集団であり、生徒たち、先生たちの生きる意味とその可能性に寄り添い切ります。

・読者へのメッセージをお願いします。

金谷自身が教員を志したところから、このストーリーは始まっています。たった1人の富山の教員家庭で育った自身の願いを、世界中の方が分かち合ってくださり、感無量です。
教員という仕事の尊さ、難しさ、喜びを1人でも多くの人に分かってほしかった、ただそれだけなのです。
関係人口が増えなければ、より孤独な世界が待っています。皮肉なことに、テクノロジーの進化で、それは加速しています。
僕たち、学校の先生たち、地域の皆様、誰が欠けてもこの志は叶いません。皆様が育った地域の次世代に皆様の経験や志を分かち合うことが積み重なり、世界中の才能開花に繋がります。
僕の小さな願いから始まったこのチャレンジに共に取り組んでくださることに心から感謝しています。

文部科学省の「教員勤務実態調査」(2016年度)によると、小学校教諭の33.4%、中学校教諭の57.7%が、過労死ラインを超える月80時間以上の残業をしていました。

この教員の長時間労働は社会問題となり、教育機関では働き方改革に向けた取り組みが進められています。

これにより、2021年4月の時間外勤務の割合は、小学校において月80時間超が8.2%、中学校では19.9%、高等学校では11.0%と大きく減少しています。

この時間外労働の減少は、教育機関におけるデジタル化・テクノロジー活用が進み、業務効率化が進んだことが理由であると考えられます。

さらに教育の領域では、生徒に対する教育自体についても大きな変化が訪れています。

近年のAIなどの先端技術の発展は、これまでに経験したことのない社会・産業の変化をもたらすと考えられています。さらに、気候変動・災害・国際紛争など、世界情勢の変化も激しくなっています。

この予測が難しく変化が著しい時代において、未来を担う人材となるのが現在教育を受けている子どもたちです。

これからの時代では、変化に対応し、持続可能な社会を実現できる能力が必要であり、従来の教育では新たな時代に対応できる能力を身につけることが難しいと考えられています。

そのため新たな教育手法である、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・アート(Art)・数学(Mathematics)の領域を重視するSTEAM教育の推進や、高等学校における「総合的な学習の時間」の「総合的な探究の時間」(探究学習)への変更など、教育の変化が進んでいます。

たとえばこの探究学習は、教科・科目などの枠を超え、生徒自らが問いを立て、情報を収集・分析・発表するというものです。生徒自らが主体性を持って学習していく必要があります。

学校教育では、生徒の視点・興味を広げていくため、より社会との接点を増やす必要があります。

LX DESIGNはこうした状況において、自身の専門性を活かして教育に携わりたい複業人材と学校をマッチングすることにより、開かれた教育の提供に貢献しています。

時代の変化は激しく、次々と社会課題が顕在化したり生まれたりしています。起業家は社会課題を解決できる大きな力を持っていますが、アイデアを事業として具現化するには大きな困難が待ち受けています。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、社会課題解決に取り組む複数の起業家へのインタビュー記事を掲載しています。先人の思考やアイデアを知ることは、新たなビジネスの創造に役立つことでしょう。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Classi EdTech LX DESIGN ベネッセホールディングス マッチングサービス 人材 先生 学校 教員 教育 株式会社 複業 複業先生 資本業務提携 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

スマホARゲームを開発する「CoilSite」が2,000万円調達
2022年9月5日、株式会社CoilSiteは、2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 CoilSiteは、スマートフォン向けARゲームを開発しています。 拡張現実を用いた高い没入感、…
不動産投資スコアリングサービスや新築アパートプロデュースサービスを展開する「ZIRITZ」が1.3億円調達
2024年5月8日、株式会社ZIRITZは、総額1億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ZIRITZは、不動産投資スコアリングサービス「StockFormer」と、新築アパートプロ…
クラウド型製品マスターSaaS「Ninja DB」開発の「Lazuli」が5,000万円調達
2020年11月5日、Lazuli株式会社は、総額5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 クラウド型の製品マスターSaaS「Ninja DB」を開発しています。 世界中の製品の情報を整…
海水淡水化装置「MYZシリーズ」などを手がける「Waqua」が資金調達
2023年8月31日、株式会社Waquaは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、九州電力株式会社と山陰酸素工業株式会社です。 Waquaは、小型海水淡水化装置や、循環式手洗いユニット、防…
蚕専門の昆虫食スタートアップ「エリー」が第1弾商品「SILKFOOD チップス」を販売開始
2021年7月9日、エリー株式会社は、「SILKFOOD チップス」を自社ECショップで販売開始したことを発表しました。 エリーは、蚕専門の昆虫食スタートアップとして、養蚕や、原料の開発販売、商品開発…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集