注目のスタートアップ

セラミック分離膜技術を開発・提供する「イーセップ」が「三井金属鉱業」から出資受入

company

2022年7月29日、イーセップ株式会社は、三井金属鉱業株式会社より同社CVCを通じた出資を受け入れたことを発表しました。

イーセップは、エコかつ高効率な分離を実現する膜分離技術を開発・提供しています。

イーセップのセラミック分離膜は、高精密に細孔径が制御された分離膜層を、高水準の再現性で製造できるという特徴を持っています。

そのため、従来の分離膜では不可能な分子レベルの分離が可能であり、かつ、石油化学産業など幅広く利用できる高い耐久性を持っています。

現在、カーボンニュートラルの代替燃料であるe-fuel製造の研究開発を進めています。

今回の出資により、イーセップの分離膜技術と、三井金属鉱業が持つ無機材料技術を融合させ、e-fuel製造用メンブレンリアクターの開発をさらに加速させます。

膜分離とは、液体や気体(ガス)をたくさんの小さな穴が空いた膜に通すことで物質を分離する操作のことです。

分離膜の穴の大きさを設計することで、さまざまな物質を分離することができます。

分離膜は主に、人工透析などで利用されている高分子を用いた有機膜と、セラミックなどを用いた無機膜の2種類にわけられます。

有機膜は、軽くて取り扱いやすく、さらに安価であるという特徴がありますが、使用できる温度が限られていたり、薬品に弱いといったデメリットもあります。

無機膜は、高温高圧でも使用可能で、薬品などにも強いという特徴があります。

イーセップは、このセラミック分離膜の製造において、細孔を超精密制御できるという技術を保有しています。これにより、分子の粒子径に合わせて分離が可能となります。

また、イーセップがセラミック分離膜による製造を目指しているe-fuelは、いわゆる合成燃料のことです。大気から回収したCO2(二酸化炭素)と、水を電気分解して得られるH2(水素)を合成して製造されるものや、バイオマスから合成するものがあります。

このe-fuelは、ガソリンや軽油などの液体燃料の代替として利用することができます。そのため既存のエンジン(内燃機関)や、既存の燃料インフラを活用できるというメリットがあります。

EV(電気自動車)への急激な転換は、エンジンを製造している人びとの雇用が失われることが懸念されています。そのため既存のエンジンのまま、カーボンニュートラルを実現できる脱炭素燃料が求められているのです。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ e-fuel イーセップ エネルギー カーボンニュートラル セラミック セラミック膜分離技術 三井金属鉱業 分離 合成燃料 技術 膜分離
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
法人成りとは?個人事業主が法人化するメリット・デメリットや手続きを徹底解説!
【2025年最新版】合同会社と株式会社の違いを徹底比較!メリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人の設立方法を徹底解説|手続きの流れ・必要書類・費用・メリットなど
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

独自の無線多段中継テクノロジーによる無線通信ソリューションを提供する「PicoCELA」が「西尾レントオール」から資金調達
2023年1月16日、PicoCELA株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、西尾レントオール株式会社です。 PicoCELAは、無線通信に関する特許技術を活用した無線通信製品の…
家庭のエネルギー利用を最適化するIoT製品などを手がける「Nature」が10.2億円調達
2024年2月7日、Nature株式会社は、総額約10億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Natureは、スマートリモコン「Nature Remo」や、スマホHEMS「Natur…
超高速・低コストで金属製品を造形できる金属3Dプリンターを開発する「SUN METALON」が約2.7億円調達
2023年4月7日、株式会社SUN METALONは、総額約2.7億円(US$2M)の資金調達を実施したことを発表しました。 SUN METALONは、従来の金属3Dプリンティング技術と比較し、500…
CAEにAIと高性能計算技術を適用することでものづくりのプロセスを最適化する「科学計算総合研究所」が3億円調達
2021年11月17日、株式会社科学計算総合研究所(RICOS)は、総額約3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 CAE(Computer Aided Engineering)にAIと高性能計…
再生可能エネルギーの導入・ 調達コンサルティングなどを手がける「クリーンエナジーコネクト」がプロジェクトファイナンスにより120億円調達
2023年8月4日、株式会社クリーンエナジーコネクトは、株式会社SBI新生銀行および株式会社脱炭素化支援機構から、プロジェクトファイナンスにより総額120億円の資金調達を実施したことを発表しました。 …

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集