注目のスタートアップ

ゲノム編集技術を応用したバイオエネルギーの創出を目指す「グランドグリーン」がNEDO事業に採択

company

2022年6月10日、グランドグリーン株式会社は、2022年度「研究開発型スタートアップ支援事業/地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」に採択されたことを発表しました。

これにより、約1億2,000万円を上限とした助成を受けられます。

グランドグリーンは、独自の汎用的なデリバリー技術「gene App」、オリジナルゲノム編集kit「3GE(triple GE)」、異科接木技術「iPAG」などにより、これまでゲノム編集技術を適用できなかった作物品種へのゲノム編集技術の適用を可能にしています。

現在はこの技術を応用し、実用的なサトウイネ栽培品種の作出のための研究開発を行っています。

将来的には、このサトウイネの栽培と高純度のショ糖液の生産を行い、国産の原料を活用した安定的・効率的なバイオエネルギー創出を目指します。

今年度は「実用的な高収量サトウイネ系統の作出」に向けた研究開発を行い、次年度以降に試験栽培・商業栽培に向けた研究活動を行っていく予定です。

品種改良は生物の遺伝子の変化を利用し、目的にあった品種を選別することで行われています。

現代では異なる品種をかけ合わせることで目的の性質をもった品種を作る品種改良などに発展しています。

一方で、品種改良には短くても5年から10年ほどの歳月が必要となることが大きな課題です。この課題を解決するため、別の生物から目的とする遺伝子を導入し新しい性質を持たせる遺伝子組換えといった遺伝子に手を加える技術が生まれました。

たとえば遺伝子組換えでは、特定の除草剤では枯れないという性質を持ったものが作られ、大規模農場で栽培されています。上空から除草剤を散布することで、遺伝子組換え作物以外の雑草をすべて除去することができるため大きな効率化につながっています。

しかし、遺伝子組換え作物が商業的に利用されるようになって20年ほどと比較的短いため、人間の健康面について長期的な影響ははっきりわかっていません。このことから遺伝子組換え作物に対しマイナスイメージを持つ消費者が多く、国内では遺伝子組換えを使用している食品には表示が義務付けられています。

遺伝子組換えの次に注目されている品種改良としてゲノム編集があります。

ゲノム編集にはいくつかの種類がありますが、現在実用化に向けて研究が進んでいるのは、酵素によってゲノムの特定の部位を切断し突然変異を起こすという技術です。これにより高い頻度で突然変異を起こすことができるため育種の効率が飛躍的に向上します。

ゲノム編集は遺伝子の操作ということで遺伝子組換えと混同されることもありますが、遺伝子組換えは別の生物の遺伝子を導入するもの、ゲノム編集はゲノムを切断することで突然変異を起こし、その生物にもとからある性質を変化させるというものという大きな違いがあります。

グランドグリーンはこのゲノム編集技術において独自の技術を保有し、ゲノム編集共同研究開発サービスなどを展開しています。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ 3GE gene App iPAG NEDO triple GE エネルギー グランドグリーン ゲノム編集 サトウイネ ショ糖 スタートアップ支援 バイオ バイオ・エネルギー 技術 接木 株式会社 研究開発
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ15選の制度
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ソーシャル・スクール運営の「NowDo」がインスタント・プレイ・ゲーム・ベンチャーの「Playco」と業務提携
2021年4月22日、NowDo株式会社は、Playcoと業務提携契約を締結したことを発表しました。 NowDoは、本田圭佑氏が代表を務めるベンチャー企業です。 好きなことで生きていくためのソーシャル…
女性ITエンジニア向けハイスキル転職サービス「Waveleap」を展開する「bgrass」が8,550万円調達
2024年4月11日、bgrass株式会社は、総額8,550万円の資金調達を実施したことを発表しました。 bgrassは、女性ITエンジニア向けハイスキル転職サービス「Waveleap(ウェイブリープ…
クラウド稟議・ワークフローの「kickflow」が2億円調達
2021年10月21日、株式会社kickflowは、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 SmartHRのグループ会社として2020年2月12日に設立された企業です。2021年5月1日…
オフラインマーケティングサービス「Digital東京」を展開する「Oxyzen」が「ピーディーシー」と資本業務提携
2023年10月16日、Oxyzen株式会社は、ピーディーシー株式会社(PDC)と、2023年10月6日に資本業務提携の手続きを完了したことを発表しました。 Oxyzenは、オフラインマーケティングサ…
インテグレーションサービスやNFTシステム開発を展開する「ディマージシェア」が「クロス・マーケティンググループ」と資本業務提携
2022年8月29日、株式会社クロス・マーケティンググループはグループ内CVCである株式会社クロスベンチャーズを通じて株式会社ディマージシェアの株式を一部取得し、資本業務提携契約を締結したことを発表し…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集