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2022年6月13日ゲノム編集技術を応用したバイオエネルギーの創出を目指す「グランドグリーン」がNEDO事業に採択

2022年6月10日、グランドグリーン株式会社は、2022年度「研究開発型スタートアップ支援事業/地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」に採択されたことを発表しました。
これにより、約1億2,000万円を上限とした助成を受けられます。
グランドグリーンは、独自の汎用的なデリバリー技術「gene App」、オリジナルゲノム編集kit「3GE(triple GE)」、異科接木技術「iPAG」などにより、これまでゲノム編集技術を適用できなかった作物品種へのゲノム編集技術の適用を可能にしています。
現在はこの技術を応用し、実用的なサトウイネ栽培品種の作出のための研究開発を行っています。
将来的には、このサトウイネの栽培と高純度のショ糖液の生産を行い、国産の原料を活用した安定的・効率的なバイオエネルギー創出を目指します。
今年度は「実用的な高収量サトウイネ系統の作出」に向けた研究開発を行い、次年度以降に試験栽培・商業栽培に向けた研究活動を行っていく予定です。
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品種改良は生物の遺伝子の変化を利用し、目的にあった品種を選別することで行われています。
現代では異なる品種をかけ合わせることで目的の性質をもった品種を作る品種改良などに発展しています。
一方で、品種改良には短くても5年から10年ほどの歳月が必要となることが大きな課題です。この課題を解決するため、別の生物から目的とする遺伝子を導入し新しい性質を持たせる遺伝子組換えといった遺伝子に手を加える技術が生まれました。
たとえば遺伝子組換えでは、特定の除草剤では枯れないという性質を持ったものが作られ、大規模農場で栽培されています。上空から除草剤を散布することで、遺伝子組換え作物以外の雑草をすべて除去することができるため大きな効率化につながっています。
しかし、遺伝子組換え作物が商業的に利用されるようになって20年ほどと比較的短いため、人間の健康面について長期的な影響ははっきりわかっていません。このことから遺伝子組換え作物に対しマイナスイメージを持つ消費者が多く、国内では遺伝子組換えを使用している食品には表示が義務付けられています。
遺伝子組換えの次に注目されている品種改良としてゲノム編集があります。
ゲノム編集にはいくつかの種類がありますが、現在実用化に向けて研究が進んでいるのは、酵素によってゲノムの特定の部位を切断し突然変異を起こすという技術です。これにより高い頻度で突然変異を起こすことができるため育種の効率が飛躍的に向上します。
ゲノム編集は遺伝子の操作ということで遺伝子組換えと混同されることもありますが、遺伝子組換えは別の生物の遺伝子を導入するもの、ゲノム編集はゲノムを切断することで突然変異を起こし、その生物にもとからある性質を変化させるというものという大きな違いがあります。
グランドグリーンはこのゲノム編集技術において独自の技術を保有し、ゲノム編集共同研究開発サービスなどを展開しています。
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