“フードロスのプラットフォーム”を作り、フードロス問題を解決する。若き起業家が創り出す「食の未来」

飲食開業手帳

株式会社Tsukumo 代表取締役 金子 隆耶インタビュー

(2018/11/06更新)

惣菜やお弁当の販売店やレストランなど、料理を提供するお店において、大きな課題となるのが食品の廃棄、いわゆる「フードロス」の問題です。
飲食店を経営している方の中には、「まだ食べられるのに、もったいないなぁ・・・」と感じながら廃棄している方もいるかもしれません。

そんな問題を解決しようと日々活動している起業家の一人が、株式会社Tsukumo 代表取締役の金子 隆耶氏です。
「大学時代にインターンで経験した農業体験が起業の原点」と語る金子氏。今回は、金子氏が手がける事業の内容とともに、フードロス問題解決への思いを伺いました。

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金子 隆耶(かねこ りゅうや)
株式会社Tsukumo 代表取締役
大学時代にインターンで農業に携わったことをきっかけに、「食」への関心が高まる。休学をして起業に向けて調整をしていたが、諸事情で会社登記直前に断念する経験を持つ。大学卒業後、オーガニック製品の製造・卸の会社に入社するも、どうしても自分なりの「食」への追求を目指して退社。現在、年内中の会社登記に向けて準備を進めている。

きっかけは農業体験で感じた「違和感」

—最初に、具体的な事業内容を教えてください。

金子:まずは、メーカー企業で発生するフードロス(※1)になってしまうオーガニック・ヘルシースナックの置き菓子販売からスタートさせます。そして徐々にランチや朝食用のスープなどをデリバリーで提供していく計画です。またそこから取れる購買データと健康データを活用することで働く人の健康管理と福利厚生の充実を図るきっかけになればと思っています。

僕らが目指すサービスの一つは本サービスを通して企業に健康経営を提案することです。
最近、フードロスという考え方が多くの方から支持されています。しかし「もったいないから食べてください」とか「安くするから購入してください」というのは間違ったアプローチではと常々思っていました。

僕らは、たとえフードロスの商材であってもそこから新しい商品を生み出して、違う価値に変換させて提供したいと思っています。それが生産者やメーカーの持つ価値を最大化させる足掛かりになると信じています。

※1
フードロス:まだまだ食べられるのにも関わらず廃棄されている食べ物

—起業しようと思ったきっかけは、どのようなものでしたか?

金子:もともと、大学では経済やマネジメントを学んでいました。その時期にたまたまインターンで農作物づくりを体験したことが起業の原点だと思います。

農業はやったことがなかったので、すべてが初めてのことでした。何も知らないまま石やゴミを手で拾って、農耕機で畑を耕して。挙句の果てに大量の種を埋めてしまったこともありました。その結果、野菜が出来すぎてしまい多くを廃棄することになり、農作物の大部分は流通に乗せることができなかったんです。

ですが、「出荷量を調整する=価格を安定させること」という農家にとっては当たり前のことに、違和感を覚えていましたね。それにただ異を唱えるだけではなくて、別の方向からアプローチができないものかを模索していました。この気持ちは、大学を卒業して食品メーカーに入社したあとも変わりませんでした。

—事業化するにあたり大変だったことはありますか?

金子:フードロス事業に関していうと、モデルケースが少ないので苦労しています。メーカーも小売店も積極的に取り組んでいるわけではなく、リスク回避からスタートしているように感じます。だからこそ、僕らにとってビジネスチャンスなのかもしれません。

今後、法的な課題もいくつか出てくることでしょう。それらを解決しながら僕らがモデルケースをつくる側になりたいと思っています。

「フードロス」に関してのプラットフォームになりたい

—今後の展開を教えてください。

金子:僕らは現在のサービスだけを伸ばすことは考えていません。売り上げはもちろん、サービスの質や量もKPIに設定しています。

業務は枝分かれしていくのがベストだと思っています。現状はオフィス向けのサービスですが、例えば、農家を助けるサービスだったり、病院向けだったり、社食向けだったり。食べ物も食用ではなく畜産の飼料といった分野も考えられますし、全く違う方向であるエネルギーいうテーマにも展開できるかもしれません。ですからモデルケースをたくさん用意して、僕等が「食」に関してのプラットフォームになりたいですね。

—最後に、起業を考えている方にメッセージをお願いします。

金子「とりあえずやってみる」ことが大事かと思っています。自分に合うかどうかは机の上だけでは判断できません。自分にとっての面白さを見出せれば、やってみる価値はあるのだと思います。

もう一つ、誰かが困っていたり悩んでいたりしていたら、その内容や経緯をきちんと言葉にして伝えられるかが大事です。自分の中で練り上げることができたなら、それは事業として成立するかもしれません。感覚だけで突き進むのではなく、時には明確な論理が必要な時があるのだと思います。

(取材協力:株式会社Tsukumo 代表取締役 金子 隆耶)
(取材協力:三幸エステート株式会社
(編集:創業手帳編集部)

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