注目のスタートアップ

ヒト型糖鎖の大量調製技術とバイオ医薬品を開発する「糖鎖工学研究所」が資金調達

company

2022年5月24日、株式会社糖鎖工学研究所は、資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、京都中央信用金庫と中信ベンチャーキャピタル株式会社が設立した「中信ベンチャー・投資ファンド6号投資事業有限責任組合」です。

これにより、地元京都との金融機関との連携を強化します。

糖鎖工学研究所は、大塚化学の糖鎖工学研究所からのカーブアウトにより設立されたベンチャー企業です。

大阪大学大学院理学研究科の梶原教授との共同研究で培った技術をもとに、安価で高品質な糖鎖を医薬品業界などに提供しています。

豊富な天然資源(鶏卵)からヒト型のN結合型糖鎖を製造し、任意のペプチドまたはタンパク質に位置・構造・数を制御して導入する独自の技術を確立しています。

糖鎖とは、糖がつながりあった一群の化合物のことです。糖鎖はあらゆる細胞に存在しており、細胞同士の情報の受け渡しなど様々な役割を担っています。

また、タンパク質や脂質と結合し糖タンパク質や糖脂質となり、それらを安定化させたり組織を保護したりといったことも行っていますが、その多くの機能は解明されておらず、非常に多くの可能性が秘められていると考えられています。

一方で糖鎖は扱いの難しい物質でもあります。DNA・RNA・タンパク質(ペプチド)は、比較的手軽に望んだ分子を手に入れられるようになってきています。

しかし糖鎖の合成に関しては、一般的な方法論が確立されていません。糖鎖の合成では、相当な経験・知識がなければ、自由な分子デザインが難しい状況にあります。

もし糖鎖の合成が容易になれば、創薬において大きなイノベーションがもたらされることになります。

そして、糖鎖工学研究所は、広範な糖鎖をターゲットとした大量合成を実現した世界でも稀有な企業です。糖鎖の可能性が発見されるにつれ、糖鎖工学研究所の技術も大きく注目されていくことになるでしょう。

研究開発には多くの資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなどを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ N結合型糖鎖 バイオ医薬品 中信ベンチャー・投資ファンド6号投資事業有限責任組合 京都 創薬 医療 医薬 医薬品 技術 株式会社 糖鎖 糖鎖工学研究所 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」の設立方法完全ガイド|流れ・費用・必要書類など解説
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

法人向けXRサービス展開の「ホロックス」が1,200万円調達
2020年4月7日、株式会社ホロックスは、総額1,200万円の資金調達を実施したことを発表しました。 法人向けXRソリューションを開発しています。 具体的には、リア・プロジェクションで遠隔地の人物を等…
機械学習・ディープラーニング・数理アルゴリズムなどの最先端技術の実用化を手掛ける「TRUST SMITH」が1.1億円調達
2020年9月25日、TRUST SMITH株式会社は、総額1億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 TRUST SMITHは、東大発の数理アルゴリズムを実装するスタートアップ企業で…
灰やスラグを原料とした連続長繊維「BASHFIBER」を製造する技術を保有する「新日本繊維」が資金調達
2023年3月3日、新日本繊維株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、電源開発株式会社(Jパワー)です。 新日本繊維は、石炭火力発電や石炭ガス化複合発電で生じる灰やスラグを原料に…
調達・購買部門向けクラウドサービス「Leaner見積」提供の「Leaner Technologies」が6.8億円調達
2022年9月7日、株式会社Leaner Technologiesは、総額6億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Leaner Technologiesは、調達・購買部門向けクラウ…
片方ずつシューズを買えるサービス「DIFF.ONE」を運営する「DIFF.」が資金調達 糖尿病患者向け3Dプリントシューズ事業に参入
2025年4月3日、株式会社DIFF.は、総額4500万円の資金調達を発表しました。 DIFF.は、シューズを片足単位または左右別サイズで購入できるオンラインサービス「DIFF.ONE」を運営していま…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集