卵子凍結サービスなどを提供する「グレイスグループ」が「SBCメディカルグループ」と資本業務提携

tips

2022年5月23日、株式会社グレイスグループは、SBCメディカルグループ株式会社から1億円の資金調達を実施し、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。

グレイスグループは、卵子凍結サービス「Grace Bank(グレイスバンク)」や、女性特有の悩みを医師・看護師に相談できるオンラインカウンセリングサービス「Grace Online(グレイスオンライン)」、生殖医療・婦人科クリニック「グレイス杉山クリニックSHIBUYA」(2022年4月オープン)を展開しています。

SBCメディカルグループは、「湘南美容クリニック」などを傘下に持つ、総合医療グループです。

今回の提携により以下の3点を行います。
・「Grace Bank」の提携クリニックとして、SBCメディカルグループの不妊治療院(六本木、横浜)が参画
・SBCメディカルグループのクリニックネットワーク(115院)を通じたプレコンセプションケアの推進
・SBCメディカルグループの従業員向け福利厚生として「Grace Bank」の特典プランの提供

国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年)には、「不妊についての心配と治療経験」という章があり、調査の結果とデータが掲載されています。

この調査によると、不妊を心配したことがある(または現在心配している)夫婦の割合は35.0%で、子どものいない夫婦では55.2%となっています。また、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は全体で18.2%で、子どものいない夫婦では28.2%となっています。

以上のデータから不妊に悩む人も相当数存在していることがわかります。日本では少子化が課題となっているため、子どもが欲しいのに授かることができない不妊に関する支援体制の充実が必要であると考えられます。

不妊治療では体外受精という手法があります。日本は体外受精の実施件数については世界1位であり、2019年は14人に1人(約6万人)が体外受精で誕生しています。一方で、体外受精の実施件数が2位のアメリカと比べると、体外受精の成功率が低いことが課題となっています。

日本での体外受精は公的医療保険の適用外で、1回あたりの費用が約50万円ほどと高額な医療となっています。また、体外受精に関する認知度も低く、比較的若いうちから取り組んだほうが成功率が高いということもあまり知られていません。

体外受精では凍結保存した卵子を使用することもできます。若い卵子のほうが出産率が高いというデータがあるため、体外受精においては若いうちに卵子を採取・保存しておき、妊娠したいタイミングで体外受精を行うという方法が考えられます。

グレイスグループは卵子凍結サービス「Grace Bank」とクリニックの運営・提携により、国内において卵子凍結という選択を広げることを目指しています。

医療や農業など、様々な社会課題が喫緊の問題として迫ってきていますが、AIなどの最新技術の進展や、スマートフォンの普及により、アイデア次第で社会課題を解決できる状況となっています。「冊子版創業手帳」では、社会課題をビジネスで解決することを目指す起業家のインタビューを掲載しています。先人の思考や手法を知ることは、新たなビジネスの創造に役立つでしょう。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ Grace Bank Grace Online クリニック グレイスオンライン グレイスグループ グレイスバンク グレイス杉山クリニックSHIBUYA 不妊 不妊治療 医療 卵子 卵子凍結保存 女性 妊娠 株式会社 生殖医療 資金調達
創業手帳woman
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

部屋探しプラットフォーム運営の「BluAge」が新生活サービスプラットフォームを提供する「リベロ」と資本業務提携
2022年6月15日、株式会社BluAgeは、株式会社リベロと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 BluAgeは、部屋探しプラットフォーム「カナリー(CANARY)」を運営しています。 …
病院・接骨院のリハビリ業務支援の「リハサク」が資金調達
2019年4月25日、株式会社リハサクは、VCのアプリコットベンチャーズから数千万円規模の資金調達を実施したことを発表しました。 整形外科の病院・クリニックや接骨院向けの業務支援サービスを展開していま…
食品原材料のサプライヤー・バイヤーによる売買プラットフォーム「シェアシマ」を運営する「ICS-net」が資金調達
2023年4月26日、ICS-net株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 ICS-netは、食品原料に特化したWeb検索サービス「シェアシマ」を運営しています。 食品原料を探したい企業ユ…
運転代行配車プラットフォーム「AIRCLE」を展開する「Alpaca.Lab」が2億円調達
2023年2月16日、株式会社Alpaca.Labは、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Alpaca.Labは、運転代行配車アプリ「AIRCLE(エアクル)」を展開しています。 利用…
建設業向けBPaaS「Photoruction」を提供する「フォトラクション」が17億円調達
2023年7月19日、株式会社フォトラクションは、総額約17億円の資金調達を実施したことを発表しました。 フォトラクションは、建設業向けBPaaS「Photoruction」を開発・提供しています。 …

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集