注目のスタートアップ

コンピューターゲーム向けサイバーセキュリティ事業を展開する「Sentry」が4,000万円調達

company

2022年5月11日、株式会社Sentryは、総額約4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Sentryは、コンピューターゲーム向けチート対策プロダクト「Sentry Anti-Cheat」を提供しています。

Windowsカーネルモードドライバー技術を用い、不正なソフトウェア/ゲームの管理元であるOS単位で不正なアクセスを遮断したり、改竄・不審なアクティビティを検出することでセキュリティを向上させるプロダクトです。

今回の資金は、プロダクト開発・プロダクト認知促進、プロモーション、グローバル展開、組織体制の強化に充当します。

コンピューターゲームにおけるチート(不正行為)は、オンラインゲームにおける大きな課題のひとつです。

チートはチート専用のソフトウェアを使ったり、ハッキングによってゲームのプログラムを改変したりすることで行われます。

チートは1人用ゲームで使用される分には誰にも迷惑をかけませんが、オンラインゲーム、特に対人ゲーム(PvPゲーム)でチートが使用されてしまうと、通常のプレイヤーは健全なプレイができなくなってしまいます。

たとえば、銃撃戦を行うゲームのチートとしては、弾が相手に向かって自動で飛んでいったり、移動速度を高めたり、壁越しに他プレイヤーの姿が視認できたりするものが有名です。

近年はeスポーツとして競技性の高いゲームも人気を集めていますが、チートが広まってしまうとプレイ人口が減ったり、新しいプロゲーマーが誕生しにくくなったり、プロゲーマーの中にもチートを使用しているのではないか、といった疑心暗鬼が生まれてしまうことになります。

そのため、ほとんどのオンラインゲームは、チートの使用を防ぐため、アンチチートと呼ばれるソフトウェアや技術を搭載しています。

とはいえ、使われているチートの多くは個人のハッカーが娯楽として開発して使っているものではなく、チート業者によってビジネスとして販売されているものがほとんどであるため、その開発のスピードは速く、チート開発者・業者とアンチチート開発者のいたちごっことなっているのが現状です。

一方、世界でもっとも多くの視聴者を集めるeスポーツタイトルは『League of Legends(LoL)』なのですが、そのデベロッパーであるRiot Gamesは、独自にチューンを施したアンチチート「Riot Vanguard」を使用しています。

「Riot Vanguard」はチート検出率において非常に優れていることで有名です。その理由としては、カーネル(OSの中核部分)レベルで動作するチートを防ぐため、アンチチートをカーネルレベルで動作させていることにあります。

Sentryは、カーネルベースのアンチチート「Sentry」を提供することで、独自に高レベルのセキュリティ対策を行えないゲーム企業を支援することを目指しています。

セキュリティ対策はゲーム企業以外にとっても重要なものです。適切なセキュリティの構築ができず顧客や社会に損害を与えてしまうと大きな損失となるため、事業活動・成長に必須のものと位置づけて取り組んでいくことが重要です。「冊子版創業手帳」では、ICTの専門家にインタビューを行い、創業期に実施できるセキュリティ対策について詳しく伺っています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ eSports eスポーツ アンチチート ゲーム セキュリティ チート チート対策 株式会社 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

体験型セレクトショップ「newme」運営の「テックアット」が中国進出支援事業を展開する「キレイコム」と資本業務提携
2022年11月27日、株式会社テックアットは、株式会社キレイコムと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 テックアットは、“女性の好き”が集まる体験型セレクトショップ「newme(ニューミ…
ソーシャルカレンダーアプリ「Skele」運営の「pow」が5,100万円調達
2021年7月27日、株式会社powは、総額5,100万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、ソーシャルカレンダーアプリ「Skele(スケル)」の正式版(iOS)を公開したこともあわせて発…
ジェネレーティブAIによりリード化合物の探索・最適化プロセスを加速させる創薬AIプラットフォーム「DATAGRID DrugFinder」(β版)が3/1から提供開始
2023年2月17日、株式会社データグリッドは、「DATAGRID DrugFinder」を開発し、2023年3月1日から提供を開始することを発表しました。 「DATAGRID DrugFinder」…
AI・ロボティクスソリューションにより薬剤耐性菌問題の解決に取り組む「GramEye」が3.6億円調達
2023年10月13日、株式会社GramEyeは、総額約3億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 GramEyeは、グラム染色をAIでアップデートし、抗菌薬の適正利用を実現するAI・…
国際物流プラットフォーム「Giho」運営の「Willbox」が7億円調達
2022年10月24日、Willbox株式会社は、総額約7億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Willboxは、国際物流プラットフォーム「Giho」を運営しています。 大型貨物(工業製品)を…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集