創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2022年3月7日脂肪組織由来の多機能血小板である「ASCL-PLC」の事業化に取り組む「AdipoSeeds」が1.52億円調達
2022年3月7日、株式会社AdipoSeedsは、総額1億5,200万円の資金調達を実施したことを発表しました。
AdipoSeedsは、脂肪組織由来の多機能血小板である「ASCL-PLC」の事業化に取り組む、慶應義塾大学発ベンチャーです。
主に廃棄予定の脂肪から安全で医療応用可能な血小板製剤を低コストで供給することを目指しています。
献血に依存しない輸血用血小板製剤の実用化と、血小板を用いた組織修復領域の拡大による治療法の見つかっていない医療法ニーズの解消という社会的課題を解決することを目的としています。
今回の資金は、難治性皮膚潰瘍を対象とした臨床研究の推進や、「ASCL-PLC」の難治性皮膚潰瘍・血小板輸血を対象とした企業治験準備、新規事業であるPRP(Platelet Rich Plasma、多血小板血漿)療法に関連する受託事業の立ち上げなどに充当されます。
日本では輸血用血液の85%が50歳以上の患者に使用されています。
今後の少子高齢化の進展によって、輸血を必要とする患者の数が増加し、献血できる若年層の人口が減少することで、2027年には年間89万人分の輸血用血液が不足すると試算されています。
また、短期間の間に大量の輸血用血液を必要とする災害などのケースに対処するためにも、人工血液など輸血用血液に代わるモノが求められています。
血液のうち血小板を主成分とした血小板製剤は、血小板の量的・質的異常があった場合などに輸血することになります。
一方で血小板製剤の保存期間は採血後4日以内と非常に短いという課題を抱えているほか、20~24度の温度に保ち常時動かす振盪保存を行わなくてはならないため、専用の保存装置を必要としています。
AdipoSeedsは、皮下脂肪組織由来の間葉系幹細胞から血小板を人工的に創製する独自技術を保有しています。この技術は血小板製剤の不足や保存にかかる課題の解決につながると期待されているほか、応用できる医療範囲も多岐にわたるため、同社は実用化のため事業を進めています。
医療分野など研究開発が重要な位置を占めるビジネスでは資金調達が事業の成功を握っています。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。カテゴリ | 有望企業 |
---|---|
関連タグ | ASCL-PLC 人工血液 再生医療 医療 大学発ベンチャー 株式会社 血小板 血小板製剤 血液 資金調達 輸血 |
有望企業の創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
2019年9月5日、株式会社SOUSEI Technologyは、約3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先である株式会社ナックとは、資本業務提携契約を締結したことも併せて発表しました。…
エムスリー株式会社と、株式会社ディープコアは、医療系AI分野における産業育成を支援するプログラムを発表しました。 臨床でのAI活用を促進するため、医師とAI技術者をマッチングするイベントを共同で開催し…
2020年10月26日、株式会社日本財務戦略センターは、株式会社ナチュラルアートと業務提携契約を締結したことを発表しました。 日本財務戦略センターは、中小企業を中心に財務戦略コンサルティングや、M&A…
2023年2月15日、株式会社Unyteは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、East Venturesです。 Unyteは、DAO(自律分散型組織)メンバーの貢献度を可視化するツール…
2023年2月28日、株式会社ボルテックスは、株式会社広島銀行が提供する「〈ひろぎん〉サステナビリティ・リンク・ローン」により1億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ボルテックスは…
大久保の視点
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…