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シェア買いアプリ提供の「カウシェ」が8.1億円調達

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2021年11月4日、株式会社カウシェは、総額約8億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

シェア買いアプリ「カウシェ」を運営しています。

商品を選び、割引価格での購入を決定したあと、SNSでシェアし友人・家族などひとり以上が購入を決定すると「シェア買い」が成立し、定価の最大70%引きの値段で商品を手に入れることができるサービスです。

ユーザーには楽しくお得なショッピング体験を、小売事業者にはこれまでになかった流通開拓を提供しています。

今回の資金は、新規顧客獲得・既存顧客エンゲージメント向上のためのマーケティング強化や、エンジニア・営業などの採用強化に充当されます。

「カウシェ」のシステムのもととなった“共同購入”システムは、一時期EC界隈で流行していましが、ほどなくして衰退してしてしまいました。

共同購入というシステムはフラッシュマーケティングとも呼ばれ、たとえば「X時間以内にXX人が購入すれば半額になる」というようなものです。

米国大手のグルーポンが日本に参入したことで注目され、そこから多くのクーポンサイトが乱立し群雄割拠の市場となりました。

共同購入システムは、どれだけの人数が購入するのかが見えるため、顧客に対して売れている感を演出し盛り上がっているECをつくることができます。

しかし、掲載された写真とはまったく異なるスカスカのおせちが届いた「おせち事件」を筆頭に、価格に見合わない商品があることや、相場から高い金額からスタートして安くなったと演出する商品が増えたことによって廃れていきました。

2010~2011年のクーポンサイトの隆盛から4年後の2015年、中国のPinduoduoは、この共同購入の仕組みとSNSを組み合わせたECサイト「拼多多(Pinduoduo)」を開始しました。

Pinduoduoは2018年にはNASDAQ証券取引所に上場し、16億ドルを調達しました。

このPinduoduoの成功によって共同購入は再び注目を浴びるようになりました。

SNSが普及した現在では、共同購入によって安く買いたいユーザーが積極的にSNSで宣伝をしてくれます。

つまり、小売事業者は広告を出さずにすむという大きなメリットを享受することができるのです。

このように廃れてしまった仕組みでも、時代の変化によって新たなビジネスアイデアとなることもあります。「冊子版創業手帳」では、自社の強み・弱み、市場機会・驚異を分析するためのフレームワークを掲載しています。新たなアイデアを出すために活用するとよいでしょう。

カテゴリ 有望企業
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