フードシェアリングサービス「TABETE」で食品廃棄が無い未来を創る。コークッキングCEO川越 一磨インタビュー

飲食開業手帳

「社会の歪み」を解決することが、ビジネスチャンスにつながる

(2018/04/24更新)

惣菜やお弁当の販売店やレストランなど、料理を提供するお店において、大きな課題となるのが食品の廃棄、いわゆる「フードロス」の問題です。
飲食店を経営している方の中には、「まだ食べられるのに、もったいないなぁ・・・」と感じながら廃棄している方もいるかもしれません。

そんなフードロスの問題を解決するために開発されたのが、フードシェアリングサービス「TABETE」。その日に余ってしまいそうな食品を出品してもらい、ユーザーが買い取ることでフードロスを無くそうというサービスです。

今回は、開発元である株式会社コークッキングCEOの川越一磨氏に、企業に至るまでの経緯や大切にしている信念について、お話を伺いました。

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川越一磨
慶應義塾大学総合政策学部卒。
和食料理店での料理人修行、株式会社サッポロライオンで店舗運営の経験を経て、2015年7月に退職。
山梨県富士吉田市に移住し、コミュニティカフェ「LITTLE ROBOT」の立ち上げなどを行なう。
2015年12月に株式会社コークッキングを創業。料理を通じたチームビルディングワークショップやクリエイティブイベントを、主に法人向けに展開。
2016年5月よりスローフードの活動に参画し、2016年7月にSlow Food Youth Network Tokyoの事務局長(2017年5月より代表)に就任。
2016年10月からは「フードロス問題」に挑戦するフードシェアリングサービス「TABETE」の事業化に取り組む。
料理人兼社会起業家として、未来の食やライフスタイルをクリエイトしていく。

どうやったらフードロスをなくすことができるだろうか?

ーまずは、御社のサービスの概要を教えてください。

川越:私たちは、「人間らしく創造的に暮らすことが出来る社会へ」を理念に掲げ、法人向けに料理を使った研修や、持続可能な食の未来をつくる活動としてフードロス削減プラットフォーム「TABETE」の運営を行っています。

「TABETE」は、まず※中食・外食のお店がその日に余ってしまいそうな食品を、価格や在庫数、期限などを設定してTABETEのWebサイトに出品します。その食品を発見して欲しいと思ったユーザーさんが、Web上で決済を行い、手続きをします。そのあとは、ユーザーさんが来店するまでに、お店の方はテイクアウト用に詰めておき、購入確定メールを確認してお渡しする、という仕組みになっています。

中食(なかしょく、ちゅうしょく):家庭外で調理された食品を、購入して持ち帰るあるいは配達等によって、家庭内で食べる食事の形態のこと

ーこのビジネスを始めたきっかけはどのようなものでしたか?

川越:私自身の飲食店勤務の経験が大きく影響しています。

私は大学時代に和食料理店の厨房で料理の基礎を学び、大手飲食店に就職しました。その後自分でレストランを運営する機会もあったのですが、いずれのタイミングでも食べ残しも含めたフードロスと直面し、「なんとか出来ないものか」とずっと考えていました。

起業してワークショップなどを中心に事業展開をしていたのですが、ヨーロッパでは中食・外食のフードロスを削減する事業が大きく伸びていることを知り、日本で実現できないか本格的に検討するようになりました。

ー起業する際に、一番大変だったことは何でしたか?また、それはどうやって乗り越えていきましたか?

川越私が最も苦労したのは、ビジネスプランの設計です。
実は、起業した当初はビジネスプランをほとんど作らず、勢いで営業をして単発で仕事を取っていたような状況でした。「TABETE」を立ち上げようとした際、様々な方が応援してくれるようになり、丁寧にプランを考えたり財務計画を立てることも重要であることに気づかされました。

周りの皆さんの助けを借りて、少しずつビジネスを構築していく事ができるようになりました。

ーこの事業をやっていて、嬉しかったことは何ですか?

川越「フードロスの削減」というミッションに賛同してくれ、ものすごい熱量で応援してくれる店舗さんや、ユーザーさんと直接コミュニケーションを取れた時はとても嬉しいです。

「TABETE」は、店舗さんとユーザーさんの双方がお客様となるビジネスモデルなので、どちらにもメリットが存在しなければ成立しません。我々が提供したい価値と、それぞれのニーズが合致したことがわかった時、事業拡大への意欲が更に湧いてきます。

「温故知新」と「考え学び続ける姿勢」

ー起業した際に、人材はどのように集めましたか?

川越:大学の後輩であった伊作と私の二人で起業しました。最初は色々と夢を語って、当時は私もまだ会社員だったので休みの度に彼とどこかでミーティングをしました。口説き落とすために韓国へ旅行したこともあります(笑)。

その後、山梨のビジネスプランコンテストに参加して、周りの後押しもあり、起業に至りました。

ー顧客との信頼関係を築く上で、実践していることはありますか?

川越:ユーザーさんとのコミュニケーションはまだあまり取り切れてはいないのですが、店舗さんに関してはしっかりとサポート体制を作っています。

私自身が飲食業界出身ということもありますが、店舗さんの困り事の解決などTABETEのサービスに直接関係ない部分のサポートもしっかり行っています。

ー事業を行っていく上で、大切にしている信念はありますか?

川越:「温故知新」という言葉が好きで、実践できるように努力しています。

コークッキングの理念にも入っている「人間らしさ」には様々な意味合いがありますが、「考え学び続ける姿勢」も「人間らしさ」のひとつであると思っています。その「考え学び続ける」ことは、まさに「故きを温めて新しきを知る」温故知新という言葉に内包されていると考えています。

ー今後の目標はありますか?

川越:渋谷・恵比寿・麻布十番をメインエリアとしてスタートしていますが、今年中には活動範囲を都内に広めていきたいと考えています。

秋ごろからは東京以外の地域でも事業ができるように、準備を進めていきます。いずれはアジア地域への展開も視野に入れ、拡大させていきたいと思っています。

ー最後に、起業家へメッセージをお願いします!

川越:今後、社会課題を解決するビジネスは大いに飛躍すると確信しています。モノや情報があふれるこの時代に、消費のスタイルも日々変化していくことでしょう。

何事も便利さを追求するサービスが成長する一方で、様々な社会の歪みが見えてきます。それらを解決し、共に明るい未来を作っていきましょう!

(取材協力:株式会社コークッキング 代表取締役CEO 川越一磨
(編集:創業手帳編集部)

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