国際組織が企業に脱炭素に向けた行動計画の開示を求める指針を発表

tips

2021年10月14日、主要国の金融組織によって構成される金融安定理事会(FSB)は、脱炭素に向けた行動計画の開示を企業に求める新指針を発表しました。

金融安定理事会によって設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は、年次の財務報告において、財務に影響のある機構関連情報の開示を推奨する報告書を公表しています。

このTCFDの低減では、削減目標や財務リスクの開示を求めていましたが、今回の新方針は、従来から一歩踏み込み、技術開発など、実現のための具体策を求めます。

日本では2022年4月から一部の上場企業(プライム市場の上場企業)で、この気候変動リスクの情報開示が実質的に義務づけられます。

具体的には、気候変動に対応する取締役会の体制、気温上昇や規制強化で財務に与える影響、温室効果ガスの排出削減に向けた計画などが含まれます。

世界の平均気温は長期的にみて上昇傾向にあり、このまま地球温暖化が進むと今世紀末には地球の平均気温が最大で約4.8℃も上昇してしまうという予測もあります。

また、数十年のうちに1.5℃上昇するとの予測があり、ただちに温室効果ガスの排出を、急速・大規模に削減しなくては、1.5℃近くの上昇に抑えるだけでなく、2℃に抑えることも難しいとされています。

気候変動に対応するためには、国などの政府機関だけでなく、企業による取り組みも必須です。

そのため、企業が気候変動にどのように対応しているのか、どのように対応するつもりがあるのかといったことを把握する必要があります。

またこの環境問題を踏まえ、企業の価値も変化してきています。利益の追求だけでなく、環境・社会への取り組みも重要視されるようになっています。

投資家の間では、環境・社会・ガバナンス要素を考慮して投資先を判断するESG投資が注目を集めており、環境や社会問題への取り組みは単なるリスクとして捉えるのではなく、積極的に取り組むことによって機会が得られると考えることが肝心です。

ESG投資などの登場など、以前の資金調達状況とは大きな変化が訪れています。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受ける方法など、資金調達のノウハウについて詳しく解説しています。

カテゴリ トレンド
関連タグ ESG 気候変動 脱炭素
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
NPO法人設立サムネイル
【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

猫の活動データを記録する首輪型デバイス「Catlog」展開の「RABO」が13.2億円調達
2022年4月6日、株式会社RABOは、総額約13億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、衛生用品大手のユニ・チャーム株式会社と、トイレ製品開発、フード開発、海外展開事業などを…
「高温対策栽培体系への転換支援」補助金
農林水産省は、「高温対策栽培体系への転換支援」について発表しました。 2023年は前例のない記録的な猛暑に見舞われたことから、農作物の品質低下や収量減少など農業経営に大きな影響が発生しました。 地球温…
【2/20開催】2023年エコステージESG経営講演会「企業の持続的経営力評価の向上に向けて」
一般社団法人エコステージ協会による、2023年エコステージESG経営講演会「企業の持続的経営力評価の向上に向けて」が開催されます。 「企業の持続的経営力評価の向上に向けて」をテーマに、専門家、行政、大…
CO2排出量可視化・脱炭素化クラウド「ENERGY X GREEN」など展開の「booost technologies」が12億円調達
2022年2月2日、booost technologies株式会社は、総額12億円の資金調達を実施したことを発表しました。 CO2排出量の可視化やレポート化ができるクラウド型プラットフォーム「ENER…
「リアルテックファンド」が育種(品種改良)の高速化を実現する技術開発と自社品種の開発に取り組む「CULTA」に出資
2023年6月2日、リアルテックホールディングス株式会社は、株式会社CULTAに出資したことを発表しました。 CULTAは、ゲノム情報解析と画像解析・3次元点群解析の2つのAI技術により育種(品種改良…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集