【速報】「第119回かわさき起業家オーディション」 大賞はキャディ株式会社・加藤勇志郎氏!

創業手帳

第119回かわさき起業家オーディションビジネス・アイデアシーズ市場の最終選考会の様子をお伝えします

(2019/07/26更新)

2019年7月26日、神奈川県川崎市にて「第119回かわさき起業家オーディションビジネス・アイデアシーズ市場最終選考会」が開催されました。公益財団法人川崎市産業振興財団が主催となって年4回開催している、創業と新分野進出を前提としたビジネスプランコンテストです。

最終選考に残った5社によるピッチと、選考の様子をお伝えします。

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社会にイノベーションを起こす有望企業5社が登壇

三浦淳理事長

イベントの開始にあたって、川崎市産業振興財団の三浦淳理事長が、「川崎市は日本で有数の、起業家がチャレンジできる場所だと思います。多様な企業や人材が力をあげて頑張れるよう、ますます発展のステップを踏んでいきたいと思います」と、今後の意気込みを語りました。

続いて、最終選考に残った5社の代表によるピッチが行われました。

教材集約サイト「Ecommons」で教育問題の課題を解決 株式会社IC

最初に登壇したのは株式会社ICの薮中孝太郎氏です。

同社は教育者向けの教材集約サイト「Ecommons」の開発・運用を展開しています。

「長時間労働をははじめとする教育者の労働環境問題」、「教育を受ける人たちの教材格差」という2つの社会的課題を解決することをミッションに立ち上げた会社です。

Ecommonsは、データベースに上にある教材データを、ユーザーが自由に編集・登録していくことで、教育者の日々の教材づくりのコストを大きく削減します。また、他のユーザーとも共有できる形で、教材の電子データを蓄積させることで、学校などの教育機関の垣根を超えた、教育関係者のコミュニティづくりにも繋がります。

神奈川県の3000施設に太陽光発電を 株式会社太陽住建

続いて登壇したのは、株式会社太陽住建の河原英信氏。

同社は、太陽光発電販売施工、リフォーム工事などを中心に事業を展開しています。同社は、神奈川県内の福祉避難所など3000施設に、初期投資無しで自家消費型の太陽光発電装置を設置する取り組みを進めています。

工事の施工に障がい者を雇用している点が特徴で、避難所にとっては通常の電力会社より安く電力購入が可能であること、行政としては災害時にエネルギーが耐えない避難所を作れること、社会にとっては障がい者の雇用を生むという、双方にとってメリットのある取り組みとして評価されています。

電話回線を使った世界初の自動翻訳サービス 東風津梁株式会社

3番目に登壇したのは、東風津梁株式会社の津島越朗氏です。


同社は、電話の回線に自動翻訳ツールを組み込んだ世界初のサービスを展開しています。

QRコードを読み込んで電話をかけると、外国人との会話にあたって、互いの言語を自動で翻訳してくれる仕組みです。世界最先端の翻訳エンジンを導入し、初期費用ゼロで、即日導入が可能なスピーディーさを強みにシェアを伸ばしています。

例えばインバウンドの需要がある地域にありながら、人件費などの関係で翻訳者を雇いにくい事業主向けに支持されています。東京五輪にむけてますます訪日外国人が増えることが予想される中、需要が高まりそうなサービスです。

「モノづくり産業のポテンシャルを開放する」 キャディ株式会社


キャディ株式会社の加藤勇志郎氏は、「モノづくり産業のポテンシャルを開放する」をミッションに、製造業の「部品調達」において、発注者が部品の仕様や納期など、細かな条件を指定した図面のデータをアップロードすることで、受注側の製造工程を自動解析して費用の見積もりを算出するプラットフォームを提供しています。

発注者は発注のコストを大幅に削減でき、受注側としては利益率の高い受注を得やすくなります。受注者と発注者双方にとってベストなマッチングを実現する仕組みを提供することで、業界で問題となっている多重下請構造を変革することを目指しています。

コストを5割カットした新しい風力発電システム Fast Space株式会社


続いて登壇したFast Space株式会社の遠藤達也氏は、同社が開発している高性能な風力発電システムをPRしました。現状、火力発電に対して2倍の発電コストがかかっている風力発電について、「発電用タワー、大型エアーベアリング、大型伸縮軽量ブレード」という独自の機構を開発し、発電コストを5割カットする新しい風力発電のモデルを打ち出します。

過去の受賞者が語る事業の今

5社のピッチが終わってから、過去の同オーディションで受賞した経営者らが、その後の活躍を語りました。

第113回「かわさき起業家優秀賞」を受賞した産後ヘルパー株式会社の明素延(ミンソヨン)代表は、同社は産後ケアというサービスを日本に導入して展開しています。受賞後に大企業からの福利厚生サービスの需要が増えたこと、オーディションへの参加をきっかけに、一人社長として運営していた孤独感が改善され、事業も好転したと手応えを伝えました。

明素延氏

第91回「かわさき起業家大賞」を受賞した株式会社エスキューの松下幸夫氏は、肌分析機器を中心とした美容ビジネスを展開。受賞後に大きな反響があったものの、実際に企業が成長するまでにはさまざまな困難を経験したそうです。ソフトウェアの開発を一から作り直すなど、問題に対して成功するまで微調整を続け、化粧品大手からの受託開発などの受注を数多く受けるまで拡大することができたといいます。

松下幸夫氏

栄えあるかわさき起業家大賞は、キャディ株式会社・加藤勇志郎氏

第119回の最優秀賞である、「かわさき起業大賞」を受賞したのは、キャディ株式会社・加藤勇志郎氏です!おめでとうございます!

受賞にあたり、加藤氏は

「この度は貴重な賞をいただきありがとうございます。我々は「モノづくり産業のポテンシャルを開放する」という経営理念をとても大事にしています。弊社の取引パートナーが最も多いのが、川崎市です。いただいた賞の名に恥じないよう、新しいテクノロジーと、全国の町工場が持つ伝統的な良い部分をミックスしながら事業を拡大していきたいです」

とコメントしました。加藤氏は、他にも「かわしん賞」、「FUNDINO賞」、「会場応援賞」を受賞しました。事業への注目度の高さが伝わる結果でした。

その他の受賞については、以下の通りです。

  • 東風津梁株式会社   津島越朗氏 【かわさき起業家優秀賞】、【きらぼし銀行賞】
  • Fast Space株式会社 遠藤達也氏 【かわさき起業家賞】、【はまぎん賞】
  • 株式会社太陽住建   河原英信氏 【かわさき起業家賞】、【審査委員会特別賞】
  • 株式会社IC 薮中孝太郎氏【かわさき起業家賞】

かわさき起業家賞を受賞した三代表

今後も川崎を中心に、有望な起業・新分野進出のアイデアが羽ばたいていく可能性を感じられるイベントでした。

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(編集:創業手帳編集部)

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