北九州市で起業する! 日本一創業しやすい街というのは本当か?

創業手帳

起業のハードルを下げる、独自の取り組みとは?

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「グローバル創業・雇用創出特区」福岡市が注目を浴びる一方、その陰に隠れがちな、九州第二の都市・北九州市。ところが、同市には起業に関する一流の「ヒト・モノ」が集まり、四年間で100名以上の新規起業者を生むなど、全国でも注目の起業スポットになっています。

“日本で一番起業しやすい街”と言っても過言ではない、北九州市の3つの魅力をお伝えします。

また、起業しやすい街で起業すると決めたとしても、起業に不安はつきものでしょう。冊子版の創業手帳(無料)では、起業後に必要となるノウハウをわかりやすく解説しています。事前に知っておくことで、起業後の不安をなくすことができるはずです。

北九州市で起業すべき理由とは?


全国でも起業のしやすい街として知られている北九州市。この項では北九州市独自の起業支援に関する取り組みを紹介していきます。

起業した人と起業したい人をつなぐ「北九州スタートアップネットワークの会」

起業を目指している人にとって重要なのは人脈づくりではないでしょうか。特に北九州市で起業を考えている方にとって、経験者の声は非常に貴重です。北九州市は平成27年度に「北九州スタートアップネットワークの会」を設立。2016年時点で会員数は500名を突破しています。「北九州スタートアップネットワークの会」は、毎月「北九州スタートアップラウンジ」を開催し、会員同士が気軽に交流することができます。

創業支援施設を設置

北九州市の玄関である小倉駅の近くには、「COMPASS小倉」というコワーキングスペースが営業しています。施設内には創業に関する相談窓口を設けているので、困ったことがあれば気軽に相談できます。また、相談の内容に応じて専門家や先輩起業家、支援機関の紹介を受けることができるのも魅力です。

一定の条件を満たすと税の軽減が受けられる

北九州市は産業競争力強化法に基づき、「北九州市創業支援事業計画」の認定を国から受けています。前述の相談窓口の設置や創業セミナーの開催に加え、特定創業支援事業による支援を受けると、起業時に必要な登録免許税の軽減を受けることが可能です。北九州市にはこれだけの支援制度が整っているので、起業にはぴったりな自治体と言えます。次の項からは北九州市での起業支援に関する具体的な事例を紹介していきます。

アイデアが街を変えていく リノベーションスクール

リノベーションスクールの舞台は、北九州市の実際の空き店舗。年2回、街の活性化を志す人々が全国から北九州市に集まり、4日間で店舗のリノベーション・プランを練ります。
そして、出来上がった「プラン」を不動産オーナーに提案し、実際の「プロジェクト」として空き店舗がリノベーションされます

例えば、火事で焼失したビル跡地を商店街が借り受け、店舗内装が施されたコンテナ店舗を設置したイタリアンバル「Cucina di TORIYON[クッチーナ・ディ・トリヨン]」は、空き地を人々の憩いの場に変えました。

街の方でにぎわう、クッチーナ・ディ・トリヨン

街の方でにぎわう、クッチーナ・ディ・トリヨン


店舗だけでなく、街や人々のライフスタイルまで変える力を持つリノベーションスクール。その重要な役割を担うのが、北九州家守舎の共同代表である遠矢弘毅氏です。

遠矢氏によると、「家守」とは江戸時代に活躍した街の采配人のこと。北九州家守舎は、リノベーションスクールの実施や、スクール後のリノベーション店舗の運営などを通じ、現代の家守として采配を振っています

北九州家守舎共同代表 遠矢弘毅氏

北九州家守舎共同代表 遠矢弘毅氏


様々な職を経験後、同市のインキュベーションマネジャーとして活躍していた遠矢氏は、2010年に、リノベーションスクールの前身である「小倉家守構想」に出会います。
そして、「小倉家守構想」実現のため、遠矢氏をはじめとしたメンバーによって設立されたのが、北九州家守舎なのだそうです。

「『小倉家守構想』に出会った当時、民間でインキュベーションを行ったり、大学に建築学科ができたりということが同時期に起きていました。」

遠矢氏はそう話します。構想実現に必要なモノの「歯車がかみ合う瞬間」と、それを逃さない機動力。それがリノベーションスクール成功のポイントだったのかもしれません。

リノベーションスクールで生まれたドミトリー「Tanga Table」

リノベーションスクールで生まれた地産地消ドミトリー「Tanga Table」

“尖った”コワーキングスペースと日本初の融資制度

「北九州の強みは、たくさんの小さなコミュニティが『俺が、俺が』と独自に活動しているところにあります。」
遠矢氏がそう語る通り、北九州市では“尖った”コンセプトを持つコワーキングスペースが、それぞれ独自の“尖った”活動をしています。例えば、

・北九州の新しい時代のものづくり拠点:fabbit
・「閉じないコミュニティ」を徹底的に追及する:秘密基地
・リノベーションスクールの原点:MIKAGE1881

詳しくは、こちらの記事で紹介しますが、いずれも北九州市のイノベーションを司る重要な拠点です。

尖ったコワーキングスペースの一つ、秘密基地

尖ったコワーキングスペースの一つ、秘密基地


そして、これらの拠点を最大限に生かす取り組みが、北九州市と日本政策金融公庫のコラボレーションによって生まれた、スタートアップに特化した日本初の融資制度「北九州市スタートアップ支援貸付」です。

この融資制度では、北九州市が認定したコワーキングスペースなどに入居・登録した起業家(中小企業事業者)は、最大7,200万円もの融資を受けるチャンスがあります
ちなみに、貸付期間は20年間。公庫の「新創業融資制度」の融資が最大3,000万円、貸付期間が15年間なのを考えると、起業者にとって大変なインセンティブになります。

どんなに壮大なプランを語っても、「先立つもの」がなければ、絵に描いた餅にすぎません。コワーキングスペースの濃密な世界観で生まれる「夢」を、夢のままで終わらせない。北九州市にはそのためのシステムが備わっているのです。

このような起業支援は全国に広がってきています。冊子版の創業手帳では、起業支援に力を入れている全国の地方金融機関をまとめています。どのような支援を行っているのか一覧で確認できるので、地方での起業を考えている方の役に立つと思います。

小さな夢から、大きな夢まで。夢を叶えるシステムが揃います

小さな夢から、大きな夢まで。夢を叶えるシステムが揃います

「英国大使館に醤油を売り込みました」 常識破りの市職員

どんなに優れたモノも、それが生かされるかどうかは「動かすヒト」の腕次第。

北九州市職員が行う起業支援はただ一つ、「起業者に寄り添うこと」です。
ただし、その寄り添い方は並大抵ではなく、「起業者の融資に必ず職員が同行して談判する」「英国大使館に醤油を売り込んだ」などの、伝説的な実話がある程。

北九州市の安永氏:「融資の交渉は8ケタ(1千万)からが当たり前」

「融資の交渉は8ケタ(1千万)からが当たり前」と話す、市職員の安永氏


また、市が事務局を担当する「北九州スタートアップネットワークの会」では、公庫やメガバンク、一部上場商社といった錚々たるメンバーが、起業者とフラットな関係で交流を行っています。

「東ニ金欠ノ起業家アレバ、行ッテ融資ノ相談ニノリ 西ニツカレタ起業者アレバ、行ッテ仲間ヲ紹介シ…」

北九州市の起業シーンは、そんな「デクノボー」のような一途さを持った市職員の情熱に支えられているのです。

まとめ

以上をまとめると、北九州市の魅力は①「俺が、俺が」精神で突っ走る民間のコミュニティ ②それに寄り添い支える市職員 の二つから成っていることが分かります。

最盛期、「万札をドラム缶に足で詰め込んだ」ほど賑わった北九州市。
しかし現在、基幹産業の衰退、人口の減少、少子高齢化、市場縮小…と、世界中の都市がやがて直面する問題のすべてを抱える「課題先進都市」になってしまいました。

一方、八幡製鉄所でおなじみの北九州市には、1970年頃、全国的に話題になった公害問題と住民訴訟に対し、製鉄所や市民が一丸となって公害問題解決に取り組み、結果として低公害・エコロジー技術の最先端の街となった過去があります。

古き良き時代の面影がのこる、旦過市場

古き良き時代の面影がのこる、旦過市場


北九州市は、世界の都市の「最先端」の課題に向きあう人たちの力で、起業の「最先端」の街として大きく生まれ変わりつつあるのです

また、起業で盛り上がっている地方自治体は、起業に関する補助金・助成金が充実しているかもしれません。創業手帳では、資金調達一覧を掲載しています。登録しておくと投資家や融資の情報もわかります。また、冊子版の創業手帳では、起業家向けの補助金・助成金の特徴について詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

(編集:創業手帳編集部)

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