確定申告をして還付金が返ってくるのはいつ?申告方法で異なる時期を解説!

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確定申告で還付金はいつ受け取れる?還付金の受け取り方法などを解説します


1年間に納付した所得税のうち、本来の所得税額よりも超過している部分に関しては、所定の手続きによって還付金として返金を受け取ることができます。
確定申告をしている人はもちろん、給与所得者も年末調整によって還付を受ける対象であり、還付金について給与所得者の人も覚えておくと良いでしょう。

確定申告や年末調整を行った後、還付金がいつ戻ってくるかが気になるところです。今回は、所得税の還付金をいつ受け取れるのかを中心に解説します。

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還付金について


この章では、所得税の還付金について説明します。

還付金とは何か

還付金とは、所得税を納め過ぎた時に返ってくる超過分のお金のことです。
給与および報酬を得ている人は、その際に暫定の所得税を源泉徴収として差し引かれています。

しかし、実際には12月末日の時点で、実際の所得および各種控除を含めて算出した結果、本来の所得税額と源泉徴収の額に差異が出ることがあります。
そのため、年末調整や確定申告を行い、本来の所得税を確定した上で、算出された所得税額より源泉徴収額が上回っている場合に、上回った部分の還付が受けられる仕組みです。

還付金を受け取る手続きについて

確定申告および還付申告を行う

個人事業主の場合は、確定申告で還付金を受け取れることがあります。また、還付申告でも同様に還付金を受け取れます。

・確定申告とは
確定申告は、個人事業主もしくは給与所得者で給与以外の所得を得ている人が行うものです。
確定申告の目的は、給与所得以外の所得について、正確な所得税を確定することです。
そして、源泉徴収で差し引かれた金額が、確定した所得税額を上回る場合に還付金を受け取れます。
確定申告の対象期間は、毎年1月1日から12月31日までの1年間で、申告の期限は翌年2月16日から3月15日までとされています。

・還付申告とは
還付申告は、確定申告とは別に、各種控除の条件に当てはまる人や年末調整を受けられなかった人などが行うものです。
還付申告により、各種控除が適用され、事前に納めていた源泉徴収や予定納税額よりも実際の所得税を圧縮でき、その差異分を還付金として受け取れます。
還付申告は、確定申告の期限とは異なり、対象とする年の翌年1月1日から数えて5年間です。

確定申告で還付金を受け取れる場合

確定申告を行って、還付金を受け取れる場合には、以下のようなものがあります。

・源泉徴収を納め過ぎている
前述したとおり、個人事業主や給与以外の所得がある給与所得者、年金受給者などで、手取りから源泉徴収されていて、確定した所得より源泉徴収を納め過ぎている場合が該当します。
所得税を算出する対象となるのは、事業所得・雑所得・一時所得などです。

・予定納税額を納め過ぎている
予定納税とは、前年の所得およびそこから算出した所得税額に応じて、本年に発生する所得税を概算し、年2回にわたって前もって所得税を納付する制度です。
この予定納税額は、本年の所得が前年を下回った場合に、確定した所得税を上回ります。この場合にも、所得税の還付金を受け取れます。

・純損失の繰戻しを行う
純損失の繰戻しとは、本年に赤字を出した場合に、そのほかの年の黒字から赤字を相殺できるものです。
黒字の年の所得税と相殺後に算出した所得税の差額分が還付金となります。

会社で年末調整を行う

給与所得者は、給与の支給の際に所得税の概算を源泉徴収されています。
その後、年末調整にて各種控除を含めて所得税を確定され、源泉徴収との差額が還付金として返ってきます。

・年末調整とは
年末調整は、あらかじめ源泉徴収された金額と、各種控除を含めて算出した実際の所得税との差額を会社で調整する制度です。
源泉徴収額は、概算された所得税であるため、実際の所得税額との差額が発生します。

そこで、会社がその差額を計算し、源泉徴収額が本来の所得税を上回る場合に、還付金を返還します。

年末調整について、詳しくはこちらの記事を>>
年末調整の基礎知識

源泉徴収について

・給与所得者の場合
給与所得者は、上記のように毎月の給与から源泉徴収分を天引きされ、会社が概算の所得税として納付しています。
ここには、各種控除の金額は含まれておらず、社会保険料や扶養家族の人数を考慮し金額が算出されています。

・個人事業主の場合
個人事業主は、事業によって得た報酬について、取引先から源泉徴収される場合とされない場合があります。
源泉徴収される場合に限り、給与所得者と同様に各種控除を含め本来の所得税を算出し、超過分が還付金となります。

ただし、源泉徴収をされる報酬の種類は決められており、主なものは下記のとおりです。

  • 原稿料や講演料
  • 各種士業の報酬
  • 映画・テレビ・演劇などの出演料
  • コンパニオンやホステスの報酬
  • など

確定申告で還付金を受け取るには?スケジュールについて


確定申告を行うことで、還付金を受け取れるのはいつでしょうか。受け取れる時期だけでなく、還付までにはどのようなスケジュールで手続きが行われるのかも解説します。

確定申告で還付金はいつ受け取れるか

基本的には、確定申告で還付金をいつ受け取れるかは、申告後1カ月から1カ月半程度とされています。
この期間がかかる理由は、税務署での適正な還付処理が必要であり、その処理に時間を要するためです。

還付金が返ってくるまでの順序について

まず、確定申告は本年の翌年2月16日から受付が開始されます。
そして、消費税の納付期限が3月31日であり(免税事業者は除く)、さらに所得税の延納時の納付期限が5月31日です。
所得税の還付は、この3月31日から5月31日までの間に行われるのが一般的です。

確定申告を行った方法で異なる場合がある

確定申告を行うには、いくつかの方法があり、その方法によってもいつ還付金を受け取れるかが異なります。

・税務署に直接提出した場合
税務署に確定申告書を持参した場合、上記のとおり還付金を受け取れるのは申告日から1カ月ないし1カ月半後が目安です。
申告日は、税務署に書類を提出した日です。

・郵送して提出した場合
税務署に確定申告書を郵送した場合も、申告日から1カ月ないし1カ月半後くらいに還付金を受け取れます。
ただし、注意したいのは申告日が郵便局の配達受付日(消印の日付)になる点です。

・e-Taxを利用した場合
一方、e-Taxにて電子申告を行った場合は、比較的還付の処理が早く済みます。
そのため、上記の方法と比べて還付金も早く受け取れ、申告日から3週間程度が目安となります。
さらに、e-Taxサイトでは還付金がいつ振り込まれるかなどの処理状況も確認可能です。

確定申告を行った時期でも多少前後する

前述のように、確定申告後には還付の処理に時間がかかるため、還付金を受け取るまでに一定の期間を要します。
これに加えて、3月上旬から3月15日にかけては特に確定申告書の提出が混雑するため、還付金を受け取るのがその分遅れることが考えられます。
そのため、比較的混雑しない2月16日~2月末くらいまでに提出を済ませれば、より早く還付される可能性が高くなるでしょう。

処理が終了するとハガキが届く

確定申告における還付金返金の処理が終了すると、税務署から振込通知書がハガキとして届きます。つまり、このハガキが届けば、処理が正常に終了したことを示します。
ハガキが届く時期は、実際に還付金を受け取る日とずれることもありますが、もし確定申告日から2カ月以上経ってもハガキが届かない場合は、税務署に確認してみてください。

還付金を受け取る方法とは

所得税の還付金を受け取るには、基本的に指定の銀行口座へ振り込まれる方法が主です。
そのほか、ゆうちょ銀行口座へ振り込まれる方法や、直接郵便局で受け取る方法もあります。
振り込まれる口座を指定する場合、確定申告書に口座の情報を記載しておきます。

還付金の計算方法について

所得税の還付金は、簡単にいえば本年の源泉徴収額から、確定した所得税額を差し引き、その金額がプラスになれば発生します。

源泉徴収額の計算は、報酬が100万円以下の場合は源泉徴収の税率が10.21%であり、手取り額÷0.8979で割り出します。
この場合の0.8979とは、1-10%×102.1%で算出される数値です。

一方、報酬が100万円を超える場合は、超えた部分の源泉徴収の税率が20.42%となり(2段階税率適用)、計算式は(手取り額-102,100)÷0.7958で求められます。
ここでの0.7958は、1-20%×102.1%で算出したものです。

確定申告で還付金を受け取る時の注意点


確定申告で還付金を受け取る際に、気を付けたい点がいくつかあります。

各種控除の申告を忘れない

確定申告および年末調整において、各種控除の金額を忘れずに申告するようにしてください。
申告することで適用される所得控除の種類には、主に以下のようなものがあります。

・配偶者控除
配偶者がいる場合、その所得の金額により控除が適用されます。

・配偶者特別控除
本人および配偶者の所得の条件を満たせば受けられるものです。

・扶養控除
本人と生計をともにする扶養家族の所得金額および年齢により、控除の適用があります。

・障害者控除
本人や配偶者、または扶養家族で、障害者の規定に当てはまる場合に適用される控除です。

・寡婦・寡夫控除
死別か離婚して配偶者がいない場合、特定の条件を満たせば控除が適用されます。

・社会保険控除
各種健康保険や厚生年金・国民年金の社会保険料の金額について、控除が受けられるものです。

・生命保険料控除
生命保険や個人で加入している年金の保険料では、一定基準の金額の控除があります。

・医療費控除・雑損控除・寄付金控除
後述します。

上記のほかにも、申告することで控除が受けられる制度がいくつかあります。

控除について、詳しくはこちらの記事を>>
控除とは?目的や種類・やり方をわかりやすく解説!

金融機関の口座について

所得税の還付を受け取る際に、金融機関への振込みを指定する場合には、下記の点に注意が必要です。

口座名義は本人のもののみ

還付金の振込先で指定する金融機関の口座は、必ず本人名義のものでなくてはなりません。
つまり、確定申告書に記載する氏名と口座名義は同一であることが必要で、結婚で姓が変わった場合には、口座の名義変更を行っておく必要があります。

指定できる金融機関とは

振込先として指定できる金融機関は、以下のようなところです。

  • 銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 労働金庫
  • 農業協同組合
  • 漁業協同組合

ゆうちょ銀行を利用する場合の注意点

振込先をゆうちょ銀行とする場合、確定申告書に記載するのは、計7桁から13桁の口座の記号番号です。
この時、ほかの金融機関に振り込むための店番や口座番号を記載しても、振込みは行われません。

インターネット銀行は利用できない場合がある

インターネット銀行では、一部について還付金の振込みができない場合があります。利用可能な口座であるかどうかは、インターネット銀行に問い合わせてみてください。

還付金がいつになっても振り込まれない時は

確定申告もしくは還付申告から一定の期間が経っても還付金が振り込まれない時は、下記のように確認を取るようおすすめします。
申告方法別にまとめました。

税務署に直接または郵送した場合

申告書を税務署に直接持参した場合、または郵送した場合は、管轄の税務署に電話で問い合わせを行います。
その際に、申告日や振込通知のハガキの有無を的確に伝え、現状を調査してもらうようにします。

e-Taxを利用した場合

e-Taxを利用した場合、サイトにログインすることで処理状況の確認が行えます。
申告日より2週間後からサイトでの確認ができるようになるため、利用者識別番号および暗証番号を入力し、還付金処理状況で現状を確認します。

もし、処理が進んでいない場合には、上記と同様に管轄の税務署に問い合わせてください。

還付金が返ってこない期間ごとの対処法

もし、申告日から2カ月を経過していない場合は、単純に還付金の処理が遅れていることが考えられます。
e-Taxなら、上記のように処理状況が確認でき、税務署へ持参もしくは郵送した場合は、もうしばらく待ってみます。

申告日から2カ月以上経過している場合は、申告書自体に不備があったか、何らかのトラブルが起きているかもしれません。
この場合、前述のように管轄の税務署に問い合わせをしてみてください。

確定申告をしない人が還付金を受け取るには


確定申告を行わない給与所得者が、還付金を受け取る方法とはどのようなものでしょうか。

確定申告で各種控除を申告すれば還付金が発生する

給与所得者の場合、雇用されている会社で年末調整を受け、各種控除を申告すればそれをもとに所得税額が算出されます。
ただし、下記の所得控除に関しては、年末調整では対応していないため、別途確定申告・還付申告を行う必要があります。

医療費控除

本年に、一定以上の医療費を支払った場合、その金額から所定の計算式で算出した額の控除が受けられます。
もし、入院や手術などの高額な治療を行った場合には、忘れずに申告するようにします。

医療費控除について、詳しくはこちらの記事を>>
確定申告で医療費控除をする方法とは

雑損控除

雑損控除は、その年に、自然災害および盗難などで住宅や財産に損害を負った時に、所定の計算式で算出した金額を控除されるものです。
何らかの形で住宅・財産に損害を被った時は、その損失額を証明できる資料とともに、申告を行います。

雑損控除について、詳しくはこちらの記事を>>
雑損控除は事業用資産でも申請可能?雑損控除を受ける条件や申請方法を解説

寄附金控除

寄附金控除とは、国や自治体、特定公益増進法人などに何らかの寄附(特定寄附金)を行った時、以下の計算式のいずれか少ないほうの金額から2,000円を引いた額を控除されます。

  • 本年の特定寄附金の合計額
  • 本年の総所得金額の40%

なお、政党やNPO法人、公益社団法人に寄附した場合は、所得からの控除ではなく所得税からの控除(税額控除)も選択できます。
そして、近年普及してきたふるさと納税に関しても、申告することで一定額を税額控除することが可能です。

住宅ローン控除

一定の条件を満たした住宅を、ローンにて購入・新築した時、最大で13年間にわたり、その年の年末におけるローン残高の0.7%を控除される制度です。

ただし、確定申告が必要なのは住宅の購入・新築を行った初年度のみであり、2年目以降は年末調整にて処理できます。

その他控除の種類

そのほか、給与所得者で確定申告・還付申告を行う必要があるパターンとは、以下のようなものです。

  • 中途退職により年末調整を受けない時
  • 年末調整後に配偶者や扶養家族ができた
  • 住宅に関して、ローンにて省エネに対応した増改築を行った(初年度のみ)
  • など

年末調整を受けられなかった時は

年末調整の期限までに書類を提出できなかった、また書類に不備があったなどの理由で、年末調整が受けられなかった場合、確定申告を自分で行えば問題ありません。

なお、年の途中で退職した人の退職金は、退職所得に数えられます。
退職金を受け取った場合、「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると、還付申告で退職所得からの所得税還付を受けられることがあります。

ただし、同年に再就職をしてその会社で年末調整を受ければ、申告の必要はありません。

まとめ

確定申告を行い、所得税の還付金がいつ受け取れるかは、それぞれのケースで若干異なります。
確定申告を行った時期によっては、混雑状況に応じて還付金を受け取れるのがいつになるのかが変わってくるため、確定申告はできるだけ早く済ませるようおすすめします。

また、各種控除の申告を忘れないようにし、還付金を正確に受け取れるようにしましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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