開業届がオンラインでできる!スマホから郵送まで開業届を出す方法をまとめました

創業手帳

忙しい時でもオンラインなら税務署に出向かなくても開業届を提出できる


個人として起業する人、独立する人が事業開始に当たって提出する書類が開業届。
個人事業主になると、取引先とのやり取りはもちろん確定申告や各種の手続きもすべて自分でやらないといけません。

忙しくて書類仕事に手が回らない時には、オンライン申請の利用がおすすめです。
開業届をオンラインで出せれば、手間も時間も削減できます。
時間を有効活用して事業の生産性向上を目指しましょう。

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

事業を開始したら開業届を提出しよう


開業届は、個人が事業を開始した時に提出する書類です。
所得税法第229条では、事業の開始等の事実があった日から1カ月以内に開業届を提出するように定められています。

事業に使う銀行口座やクレジットカードを準備するときや融資の審査を受けるときには、開業届の控えを提示するように求められることもあります。
また、税制の優遇が受けられる青色申告にも、青色申告承認申請書が必要です。

しかし、開業届や青色申告承認申請書は日常生活で使わない単語も多く、どうやって作成すればいいのかわかりにくい、そもそも忙しくて提出に出向けないと感じる人は多いかもしれません。
まずは、開業届の基礎知識や提出方法について知っておきましょう。

青色申告には開業届が必須

開業すると、事業で得た所得に対して確定申告をして納税しなければいけません。
確定申告の形式は、青色申告と白色申告の二種類です。
この二つから任意で選択します。

青色申告と白色申告の大きな違いは、税制面での優遇です。
青色申告で確定申告をすると、青色申告特別控除として最高65万円の控除を受けられます。
控除とは、税額を計算する前に所得から差し引くことができる金額です。
所得が300万円だとすると、青色申告であればそこから最大で65万円を差し引いて、残った額で納税額を計算できます。
さらに、青色申告者の家族に支払った給与を必要経費に参入できる、青色事業専従者給与などの特典があります。

青色申告は、一定水準の記帳をして正しい申告をする人が有利になる制度です。
帳簿書類とその保存のルールはあるものの、特典が大きいのでたくさんの人が利用しています。

青色申告を選ぶ場合は、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出します。
青色申告承認申請書の提出期限は、事業開始日から2カ月以内です。
出し忘れることがないように、開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出するようおすすめします。

青色申告承認申請書について、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
青色申告承認申請書はどう扱う?提出期限やメリット、正しい書き方などを解説

また、創業手帳では、「確定申告ガイド」を配布中です。確定申告の流れと最新情報だけではなく、青色申告と白色申告の違いを知りたい方にもおすすめです。無料ですので、ぜひ活用してみてください。


開業届の提出方法って?


開業届の提出先は税務署です。開業届に必要事項を記載してから、住所地の所轄税務署に提出します。
どのようにして開業届を提出するのか紹介します。

1. 開業届を入手

開業届の用紙は税務署で受け取れます。もしくは、国税庁のウェブサイトからダウンロード可能です。
まだ開業届を出さない人も、どのような様式なのか何を記載するのか確認してみましょう。

2. 開業届を記入する

開業届を手に入れたら、実際に記入していきます。

開業届の書き方について、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
5分で作成完了!開業届の書き方と税務署に提出する際の注意点

3.書類提出する

記入した開業届を税務署に提出します。提出方法は大きく分けて3種類です。
自分の都合に良い方法を選びましょう。

窓口に直接提出する

納税地を管轄する税務署に出向いて開業届を提出します。
受付時間は、開庁日であれば受付時間は8時30分から17時までです。平日や開庁時間に出向けない場合には、時間外収受箱に投函する方法があります。
税務署の所在地は、国税庁のホームページから検索してみましょう。

郵送する

税務署に出向く時間がない時には、郵送も便利です。書類を揃えて封筒で郵送します。

オンラインで提出する

開業届は、郵送や窓口だけでなくe-Taxを利用してオンライン提出も可能です。
e-Taxとは、確定申告や国税の各種の手続きについて、インターネットで手続きできるシステムです。

e-Taxを利用するために事前準備は必要ですが、確定申告などの他の手続きでも使えます。
開業時にはe-Taxのセットアップもしておくようにおすすめします。

開業届をオンライン提出してみよう


開業届は、自分で開業届を持参したり郵送したりしなくても、オンラインで提出できます。
どのようにして提出するのかまとめました。

オンラインで提出するときの準備するもの

オンラインで提出するときに、必要なものを紹介します。事前に用意しておいてください。

ICカードリーダライタ

ICカードリーダライタは、ICカードに記録された電子情報を読むために使われる機器で、パソコンなどにつないで使用します。
一般的な家電量販店でもICカードリーダライタは購入できます。

ただし、ICカードリーダライタはマイナンバーカードに対応したものを使用しなければいけません。
必ずチェックしてから購入するようにしてください。

マイナンバーカード読み取りに対応したスマホ

スマホで手続きする場合には、スマホがマイナンバーカード読み取りに対応しているかどうかをチェックしてください。
読み取りに対応しているかどうかは、公的個人認証サービスポータルサイトで確認できます。
持っているスマホが対応していない場合には、ICカードリーダライタを利用してパソコンから手続きをすすめるといった他の方法を検討しましょう。

マイナンバーカード

マイナンバーカードは、個人の番号であるマイナンバーが記載されたカードです。氏名のほかに住所や生年月日、性別、マイナンバー、顔写真がカードに表示されます。

マイナンバーカードは本人確認書類であるほかに、自治体のサービス利用や行政手続きの電子申請にに使えます。
交付を申請してから取得まで時間がかかるので、早めに用意しておきましょう。
マイナンバーカードは、スマホとパソコンから交付申請できます。

マイナンバーカードについて、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
マイナンバーカードは起業や経営に必要?作ることのメリットは?

ネット環境

オンライン申請をするにはネット環境も必須です。
手続中にトラブルを起こさないためにも、安定した回線環境で手続きをおこないましょう。

e-Taxを利用する準備をしよう

e-Taxを利用するときの大まかな流れを紹介します。
手続きの方法や流れは変わることもあるので、詳細はe-Taxのホームページで確認するようにしてください。

STEP1.利用者識別番号を取得

e-Taxを使うためには、利用者識別番号(半角16桁の番号)が必要です。
スマホから手続きする場合は「e-Taxソフト(SP版) ログイン」画面からマイナンバーカードを読み取ります。

パソコンから取得する場合には、読み取り対応しているスマホかICカードリーダライタを使いましょう。
また、開始届出書を作成して取得する方法や、窓口、書面で取得する方法などもあります。
自分の都合に合う方法で取得してください。

STEP2.電子証明書の取得

申告やデータ送信の時には、そのデータが利用者本人が作成しているか、改ざんされていないかを確認するため、電子署名を使います。
電子署名にはマイナンバーカードを使うことができるので、読み取りに対応したスマホかICカードリーダライタを準備しましょう。

STEP3.e-Taxソフトのインストール

開業届を提出するにはe-Taxソフトをインストールします。e-Taxの各ソフト・コーナーを確認してください。

利用可能デバイスと、利用可能手続きがわかるようになっています。e-Taxソフトはパソコンとスマホ・タブレット用が利用可能です。

開業届を作成して提出しよう

ソフトがインストールできたら、実際に開業届を作成して提出します。
申請・申告等一覧から、「個人事業の開業・廃業等届出書」を選択し、必要事項を記入してください。

入力が完了したら、電子署名を付与して送信します。
e-Taxを使って開業届を送ると、メッセージボックスに通知があります。開業届のデータが税務署に到達したかどうかを確認してください。

オンライン提出だと控えはもらえる?

開業届を窓口や郵送で提出すると、控えを添付して受領印を受け取れます。しかし、オンライン提出すると受領印はありません。
そのため、送信したデータを印刷したもの、受信通知を印刷したものを併せて控えにできます。

銀行口座の開設や保育所などの申し込みに、開業届が求められる場合もあります。
印刷して保管しておくようにしましょう。

スマホアプリで提出もできる


開業届はオンライン提出も可能ですが、事前準備も必要です。
freee電子申告アプリなら、開業届をより手軽に提出したいといったニーズに対応できます。

freee電子申告アプリは、ガイドに沿って電子申告ができるサービスです。
freeeには、開業から確定申告までサポートしてくれるサービスが豊富に用意されているので、会計に不安がある場合は利用を検討してみましょう。
ここでは、freee電子申告アプリを使ってどのような手順で開業届を提出できるのか紹介します。

STEP1.事前準備

freee電子申告アプリから開業届を提出するには、以下のものを用意してください。

  • マイナンバーカード
  • スマホ
  • freee電子申告アプリ
  • e-Taxの設定

スマホは、マイナンバーカード読み取りに対応したものを用意します。
freee電子申告アプリは、ios版とAndroid版があります。
e-Taxの設定は、上記と同様に利用者識別番号を取得して電子証明書を登録し無ければいけません。
freeeでは、無料の「電子申告開始ナビ」を利用できます。

電子申告ナビとは

電子申告ナビは、簡単な操作で電子申告の準備ができるサービスです。
freee会計と同じメールアドレス・パスワードでログインして、e-Taxの利用者識別番号の取得、電子証明書の登録が可能です。
freee電子申告アプリに連携して様々な申告ができます。

STEP2.スマホから電子申請を行う

スマホから電子申請を行うには、まずfreeeにログインします。
『準備』ステップで必要な内容を入力してから、『提出』ステップに切り替えてください。
『提出』ステップ内の「③ 書類の提出方法を選択しましょう」項目にて、[スマホで電子申請]を選択します。

必要なアプリをインストールしてから提出手続きが完了します。手続きが完了したら、必ず『受付結果の確認』ボタンをタップしてください。
「受付完了」となっていれば正しく完了できています。
受付ができているかどうかは、e-Taxサイトのメッセージボックスでも確認可能です。

開業届をオンライン提出するメリット


開業届を提出しなくても、罰則があるわけではありません。
しかし、税制優遇がある青色申告にするため、事業をスタートするモチベーションを維持するためにも、開業届は早めに提出するようにおすすめします。

オンラインでの開業届提出はパソコンでもスマホでも事前準備が必要です。事前準備だけでも、ややこしく感じてしまうかもしれません。
しかし、開業届をオンラインで出すことにはメリットもあります。どういったメリットがあるのか紹介します。

自宅から開業届を出せる

オンラインで手続きをすれば、自宅から一歩も出ることなく開業届を提出できます。
税務署に持参する場合は、受付時間が決まっていて時間外の場合には時間外収受箱に投函します。

しかし、オンラインであれば24時間提出可能で、出向く手間もかかりません。
忙しくて時間がかけられない人ほど、時間に関係なく自宅にいながら手続きできるオンラインが便利です。

書類添付がない

税務署に出向かずに開業届を出すには、郵送する方法もあります。
しかし、郵送する場合には、「本人確認書類(写)添付台紙」にマイナンバーと身元を確認できる書類を添付しなければいけません。
家にコピー機がない場合には、コンビニなどを利用してコピーする必要があります。

オンライン提出であれば、ICカードリーダライタか読み取りに対応したスマホなので写しの添付は不要です。
コピーするための手間も費用もかかりません。

切手が不要

開業届を郵送で提出するときには、書類の郵送と控えを送ってもらうための返信用封筒の切手代がかかります。
窓口で開業届を出す場合にも交通費が必要です。その点、オンライン提出であれば、交通費、郵送費用はかかりません

開業届をオンライン提出するデメリット


開業届をオンライン提出することはメリットがあるものの、メリットだけではありません。どのようなデメリットがあるのかまとめました。

事前準備が大変に感じる人もいる

開業届のオンライン提出は、事前準備が必要です。持っていない人は、マイナンバーカードを取得するところからスタートしなければいけません。

また、スマホやパソコンでe-Taxが使えるようにしたり、アプリをインストールしたりすることも、面倒に感じる人は多いはずです。

提出の手続きは全体の流れを理解しておけば、難しくありません。
一度準備すれば他の申告にも使えるので、わからない部分は問い合わせながら作業を進めるようにしましょう。

まとめ

開業届は窓口や郵送で提出できるほか、e-Taxを使用してオンライン提出も可能です。
事前準備としてマイナンバーカードの発行やソフトのインストールは必要ですが、確定申告でも使えます。
事業をする上で、確定申告や各種の手続きは定期的に発生します。
開業届をオンライン提出して、他の申告にも備えましょう。

まだe-Taxや会計ソフトを使っていない人も、開業届をきっかけに導入を検討してみてください。

創業手帳の冊子版(無料)は、開業の手続きといったこれから起業する人に必要な情報を掲載しています。起業間もない時期のサポートにも創業手帳をぜひお役立てください。
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(編集:創業手帳編集部)

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