「Jグランツ」とは。補助金・助成金申請の主流システムを解説
Jグランツを活用して補助金申請を効率化しよう
日本では中小企業や個人事業主向けに数多くの補助金が設けられています。ただ、補助金の申請には書類準備・提出など各種手続きが必要となるため、時間的にゆとりがない事業者にとって中々利用しづらい面がありました。
このような問題点を解決するために導入されたのが補助金申請システム「Jグランツ」です。
本記事ではJグランツの概要や利用するメリット、利用方法などについて詳細を解説していきます。Jグランツについて知りたい方、補助金申請を簡単に行いたい方はぜひ一読してみてください。
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この記事の目次
Jグランツとは
「Jグランツ」とは、経済産業省が開発した補助金申請システムです。
これまで補助金の申請は紙ベースの申請が主流でしたので、申請の確認や郵送の手続きで時間を要してしまうケースが目立ちました。
このような環境もあり、各種補助金を申請したいのに中々手続きに踏み切れない事業者が多くいました。
デジタル化が進む中、先進国の多くは電子システムによる補助金申請を導入しています。日本でも紙ベースの申請からJグランツによる電子申請に移った形です。
Jグランツを利用可能な人
Jグランツは法人・個人事業主・地方公共団体など誰でも無料で利用することが可能です。
パソコン、スマホ、タブレットのいずれの端末でも使用できます。ただ、必要書類のアップロードがあるので、書類アップロード可能な端末を使用するようにしてください。
Jグランツの動作環境で必要なブラウザは下記の通りです。
【Jグランツ動作環境】
使用OS | 利用可能なブラウザ |
---|---|
Windows | Microsoft Edge、Google Chrome、Firefox |
MacOS、iOS | Microsoft Edge、Google Chrome、Safari |
Android | Google Chrome |
表記は「Jグランツ」?「jGrants」?
Jグランツの正式な表記は「jGrants」となります。
経済産業省のホームページでは「Jグランツ」という表記になっていますが、Jグランツの公式ホームページでは「jGrants」となっています。(本記事では、読みやすさの観点から「Jグランツ」の表記を使っていきます)
Jグランツの利用には「GビズID」の取得が必要
Jグランツを利用するには「GビズID」と呼ばれる認証システムを取得する必要があります。
GビズIDは事業者が1つのIDで複数の行政サービスを利用できるシステムです。GビズIDを利用することで、会社名や会社所在地などの基本情報を都度入力する手間が省けます。
GビズIDの取得は、GビズIDの公式ホームページから申請が可能です。
2021年5月現在、コロナウイルスによる補助金申請の急増により、ID発行まで3週間以上の時間を要している状態です。
Jグランツを利用する場合は、なるべく早めにGビズIDの取得申請を行うようにしてください。
Jグランツを利用するメリット
Jグランツを利用するメリットとして、以下の点が挙げられます。
- 24時間365日、自宅や職場から補助金の申請が可能
- 過去に補助金申請した際の会社情報が自動で転記される
- Jグランツのページから補助金制度の情報をワンストップで収集できる
- Jグランツのページで申請状況・処理状況をリアルタイムで把握できる
24時間365日、自宅や職場から補助金の申請が可能
Jグランツを利用することで、24時間365日、自宅や職場から補助金の申請が可能です。インターネット環境さえあれば、自分の好きなタイミングで補助金申請を行えます。
役所に出向く時間を無くしたり、交通費・郵送費を節約できるので、各種コスト削減に繋げられます。
過去に補助金申請した際の会社情報が自動で転記される
新しく補助金申請を行う際、過去に補助金申請した際に入力した会社情報を自動で転記することが可能です。
新しく情報を入力する手間が省けるので、効率よく申請書類を作成することができます。
補助金情報をワンストップで収集できる
Jグランツのページで国・地方自治体の補助金情報をワンストップで収集することが可能です。
補助金の情報は省庁によって異なったり、地方自治体でも管轄の課によって掲載先が変わってくるので、情報を集めるのに意外と時間を要します。
Jグランツを利用すれば一括して補助金情報を集められるので、余計な時間をかけずに補助金情報を収集することができます。
申請状況・処理状況をリアルタイムで把握できる
申請した補助金に関して、Jグランツのページで申請状況・処理状況をリアルタイムで把握することが可能です。
紙ベースの申請では、補助金の申請・処理状況がどの程度進んでいるのか確認できませんでした。Jグランツを利用した電子申請であれば、申請・処理状況をいつでも確認できます。
Jグランツで申請できる補助金・助成金
2021年5月6日現在、Jグランツで申請できる補助金・助成金は全部で61件です。代表的な補助金・助成金として下記のものが挙げられます。
- 小規模事業者持続化補助金<一般型>
- 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>
- 地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業補助金
- IT導入補助金
- 中小企業等に対するエネルギー利用最適化推進事業費補助金
- 津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金
- 地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業費補助金
- 無線システム普及支援事業費等補助金
Jグランツの補助金一覧を見ると、日本全国で意外と多くの補助金制度が設けられていることに驚くかもしれません。
これまでは、基本的に補助金の存在を知るためには情報を自ら集めないといけませんでした。Jグランツを利用すれば、全国・地域で利用できる補助金をすぐに見つけることが可能です。
現在、コロナウイルスの影響を受けている小規模事業者に対して「持続化補助金」が設けられています。
コロナ関連の補助金以外では、中小企業などに対するビジネス支援・IT導入支援の補助金が多いです。
Jグランツの使い方
Jグランツは大まかに以下の流れで利用していきます。
【Jグランツ利用手順】
- 利用したい補助金を検索
- GビズIDの取得・ログイン
- 補助金公募の必要事項を入力・申請
- 補助金採択の決定(第一審査)
- 補助金交付の内容を確認・必要事項を入力
- 補助金交付の決定(第二審査)
- 補助金対象の事業実地
- 事業実績の報告
- 補助金額の確定
- 補助金の請求・受け取り
補助金を受け取るには「採択」と「交付」の2つの審査をパスしなければいけません。補助金採択が一次審査、交付の決定が第二次審査というイメージです。
また、補助金の交付が決定した後に、実際に補助金対象となっている事業を実地したかどうか報告しなけれないけません。
補助金公募の検索・情報入力・申請・審査結果の確認・補助金受け取りの申請まで、すべての手続きをJグランツ上で行うことが可能です。
Jグランツ導入前との違い
Jグランツ導入前は、上記の手続きを書面・電話などで進めていたため、申請から実際に補助金を受け取るまで多く時間を要していました。
Jグランツにより手続きがネット上で完結できるようになったので、煩雑な手続きが格段に少なくなっています。
Jグランツの具体的な操作方法については、Jグランツ公式サイトが発行している操作マニュアルで確認することが可能です。
マニュアルは実際の操作画面を使って端的に操作方法を説明しているので、PC操作に慣れていない方でも無理なくJグランツを利用できます。
まとめ
Jグランツを利用することで、自宅・職場から簡単に補助金申請を行うことができます。
補助金の申請・処理状況、全国の補助金情報などもJグランツのマイページから確認でき利便性が向上しています。
Jグランツを利用するには「GビズID」の取得が必要です。コロナ禍での補助金申請数の増加により、GビズIDの発行にも時間がかかる状態です。
現状、GビズIDの発行に3週間以上かかる状態ですので、Jグランツで補助金申請を行いたい場合は早めにIDの取得手続きを済ませましょう。
(編集:創業手帳編集部)