生成AIとは?ビジネスにおける活用方法や問題点を解説

創業手帳

将来を見据えて生成AIへの理解を深めよう!


AI(人工知能)は、現代においてすでに様々な商品やサービスに組み込まれています。
例えばApple社が開発した「Siri」やGoogleの音声検索・音声入力機能、ソフトバンクロボティクスにより開発された「Peppar(ペッパー)」などです。

AIはさらなる進化を遂げており、現在は「生成AI」が話題を集めています。具体的に生成AIとはどのようなものなのでしょうか。
今回は、生成AIの特徴やメリット、ビジネスにおける活用方法を紹介します。
2023年時点での問題点についても解説しているので、生成AIをビジネスに取り入れたいと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。

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生成AI(ジェネレーティブAI)とは?


生成AI(ジェネレーティブAI)とは、新たなものを生み出せるAIを指します。新しいデータを生み出せるものの、何もないところから生み出せるわけではありません。

生成AIは機械学習を活用して膨大なデータを学習し、そのデータを使って予測することをシステムに教えます。
あくまで、これまでのデータに基づきコンテンツを生成しています。
人間と異なるのは、データを使ってコンテンツを生成するまでに数秒~数分で作り上げてしまうことです。
すでに実用化もされており、生成AIによって生み出されたものがSNSなどを中心に発信されています。

現在生成できるものには、画像やテキスト、動画、コードなどがあります。

生成AIを活用する3つのメリット


生成AIによって、ビジネスシーンではどのようなメリットが生まれるのでしょうか。ここからは、生成AIを活用するメリットについて紹介します。

1.作業を効率化できる

新しいものを生み出すまで数秒~数分しかかからない生成AIなら、作業時間が短縮され効率化につながります。
特にコンテンツ生成は、人間だと質や生成できるまでの時間が体調・モチベーションなどに影響を受けてしまう可能性もあります。
しかし、生成AIであれば体調・モチベーションに左右されることがありません。

2.新たなアイデアを生み出してくれる

生成AIはひとつの単語・タスクに対し、複数のコンテンツを同時に生み出すことも可能です。
色の変更や微調整を指示すればより簡単にバリエーションを増やせるため、その中で優秀なアイデアを見つけ出せるでしょう。

また、システムでランダム性を調整することもできます。
既存のデータからどれほど離れた作品を生成するかも調整可能なので、より革新的なアイデアも生み出せます。

3.技術のハードルが下がる

コンテンツ制作はこれまで特殊な技能を持った人しかできるものではなく、クリエイターが独占して仕事を手掛けてきました。
しかし、生成AIを活用することでシステムに指示ができれば、気軽にコンテンツ制作を行えるようになります。

生成AIによって制作技術のハードルが下がることはもちろん、今後はさらにクリエイターの数が増えると予測できます。

生成AIにおける3つのデメリット


活用することで様々なメリットが得られる生成AIですが、その一方でデメリットに感じてしまう部分もあります。
どのようなデメリットがあるのか、解説していきましょう。

1.品質が安定しない

デメリットの1つとして挙げられるのは、品質が安定しない点です。
生成AIは、指示をすることで複数のコンテンツを同時に生成でき、繰り返すことでブラッシュアップも可能となります。
しかし、何度も続けていけば最終的には似たようなコンテンツばかりになってしまう恐れがあります。

新たに別のコンテンツを生み出せるようにするには、ゼロから新しい指示を与える必要があります。
あくまでも既存のデータに基づき新しいものを生み出している生成AIだからこそ、こうしたデメリットがあることも知っておくことが大切です。

2.クリエイターの競争が激化する

先ほどのメリットでコンテンツ制作のハードルが下がり、クリエイターの増加が予測されると紹介しましたが、その結果クリエイターの競争が激化する可能性もあります。
競争が激化することによって、ひとつつひとつの作品の質は高まるかもしれません。しかし、平均値が上がることでクリエイターの雇用や収入が減少することも考えられます。

3.フェイクコンテンツ増加の恐れがある

生成AIは本物にそっくりな画像やニュース、Webサイトまで作り出すことが可能です。しかし、その結果悪用されてしまうリスクもあります。
例えば、本物に似せた画像をSNSに投稿した結果、間違った情報が世界中に拡散され、社会が混乱に陥る可能性も十分に考えられます。

また、近年問題となっている“なりすまし”や“コラージュ”も生成AIによって生み出されてしまい、本人の誹謗中傷につながる可能性が高いです。
コンテンツだけだと本当の情報かどうか判断するのも困難になるため、新たに真偽判定が行うための方法も必要になります。

生成AIのビジネス活用方法


生成AIは現在SNSを中心に広がりを見せていますが、ビジネスに活用されるケースも徐々に増えてきています。
しかし、どのようにビジネスに活用できるかわからない方も多いでしょう。ここからは、画像生成AIと文章生成AIのビジネス活用方法について紹介します。

画像生成AIの活用方法

画像生成AIとは、生成したい画像をテキストで入力するとAIが自動的にイラストを生成してくれるものです。
現在、様々な画像生成AIが登場しており、中には画風・タッチまで指定できるものもあります。
そのような画像生成AIがビジネスシーンでどのように活用できるのか、解説していきます。

1.アイコン・デザイン・Webサイトの制作をサポート

画像生成AIに、SNSやブログのプロフィールに使えるアイコン画像を生み出してもらえます。SNSにおけるアイコンは、その人の第一印象にも影響するものです。

例えば、アイコンがキャラクターものや顔がわからないようなものを使っていると、相手からは顔が見えない状態となります。
そのため、ビジネスにおける信用のある取引き・交渉に結び付かない可能性が高いです。
自身の写真を使うのも良いですが、画像生成AIには複数の画像を送ることで、様々な画風で似顔絵を生成してくれるサービスもあります。

また、Webサイトを運営している場合、アイキャッチやロゴ、バナーの素材にテンプレートを使用してもほかとの差別化が難しいです。
しかし、画像生成AIであれば会社・店舗のイメージに合った素材を簡単に作成できます。

2.デザインやクリエイティブ分野でインスピレーションを得る

画像生成AIは、デザインやクリエイティブ分野でも活用できます。
例えば、画像生成AIによって生み出されたコンテンツからインスピレーションを得て、新たなコンテンツ制作につなげることも可能です。

また、言葉で説明するだけでは難しい場合も、言葉を入力するだけでその言葉らしい画像を生み出してくれることから、イメージを共有したい場面でも役立ちます。
さらに、微調整すれば同じ画像でもスタイル・色などが変わったパターンをいくつも生み出せるため、より思い描いていたイメージに近づけます。

3.背景素材の制作

画像生成AIはキャラクター・アバターを生成するものが多いですが、中には風景画や背景素材を制作できるものもあります。
アプリゲームを制作する際に背景を画像生成AIにある程度任せてしまえば、作業工程の短縮にも使えます。

背景にかける時間が短くなれば、その分キャラクターデザインや制作に力を入れることができ、より魅力的なコンテンツに仕上げられるでしょう。

4.NFTとして販売

画像生成AIによって生み出したアート作品を、NFTマーケットプレイスに出品し販売できます。
NFTとは、ブロックチェーン技術を用いた代替不可能なデジタルデータを指します。
これまでデジタルコンテンツはコピーが簡単にできてしまうことから、本物とコピー品の判断が難しく価値をつけにくいものでした。

しかし、NFTはブロックチェーン技術によってデジタルコンテンツでも本物であると証明できるようになったことで、価値を生み出すことに成功しています。
また、NFTは二次流通が行われた際に作者にも報酬が一部還元されることから、クリエイターにとっても魅力的と言えます。

なお、NFTを扱うマーケットプレイスの中には、画像生成AIのコンテンツを無加工のまま出品することを禁止しているところもあるので注意してください。

5.資料の挿絵に活用する

ビジネスで商品やサービスを消費者に営業する際、パンフレットを用意しておくと具体的なイメージがつきやすくなり、商品・サービスに対する知識を深めてもらうことができます。
パンフレットを制作する場合、画像生成AIを活用して挿絵に使う画像を生み出すことも可能です。
パンフレット以外にも、プレゼン資料に挿入する画像をAIに用意してもらえます。

6.LINEスタンプの販売

画像生成AIによって作成した画像を加工すれば、LINEスタンプを販売し収益につなげることも可能です。
LINEスタンプは、キャラクターさえ決まっていれば、画像生成AIにそのキャラクターの特徴とどのようなシーンに使うスタンプか入力するだけで作れます。

LINEスタンプを制作する際は、まずコンセプトを設定することが大切です。
誰に使ってもらいたいか、どのようなシーンで使ってもらいたいかをイメージし、キャラクターを決めましょう。

文章生成AIの活用方法

文章生成AIとは、AIによって文章を自動的に生成してくれるサービスを指します。
こちらの質問に対して回答してくれたり、文章の要約やテーマに沿った執筆、さらにプログラミングコードまで作れたりします。
そのような文章生成AIをビジネスに活用する方法を、紹介します。

1.顧客向けコンテンツの制作

文章生成AIを活用すれば、商品・サービスのセールスメールやWeb広告の文言など、顧客向けの文章が簡単に作れます。
特にコピーライティングは消費者の心を動かし、実際に商品・サービスを利用してもらうために作らなくてはなりません。
そこには、クリエイティブな発想も必要であり、うまく魅力が伝わる言葉にする必要があります。

文章生成AIなら、商品の特徴やターゲット層の情報などを入力するだけで複数の文章を生み出すことができ、その中から良いものを厳選できます。
広告以外にもブログやメルマガ、ホームページに利用することも可能です。

2.簡単なプログラムコードの生成

まだ完璧とは呼べないものの、文章生成AIで簡単なプログラムコードなら生成できます。
コード生成に特化して機械学習を行ったプログラムの場合、スニペットを記述することで各言語のコードが作れます。
ビジネスに活用するなら、全体の大まかな構成だけ文章生成AIを使い、細かい修正は人間が行うことで作業効率もアップします。

3.チャットボットの回答案作成

近年、多くの企業ホームページで取り入れられているチャットボットも、文章生成AIに含まれます。チャットボットには、AI型とシナリオ型に大きく分類されます。

AI型チャットボットは文章生成AIの仕組みと同じように、機械学習によってユーザーからの複雑な質問にも回答できます。
一方、シナリオ型は事前に設定した回答やシナリオに基づきユーザーの回答に答えていくものです。
事前に用意する回答案は文章生成AIを活用することで、素早く大量の回答案を用意できます。

4.長文の要約

記事や論文といった長文をわかりやすく要約したい時にも文章生成AIが役立ちます。
ビジネスシーンにおける長文の要約は、相手にもその内容を伝えやすくするために必要なスキルです。
しかし、長文となるとどこを省き、どこを伝えればわかりやすいのか見極めるのも難しいでしょう。

文章生成AIなら、そのような長文の要約も簡単です。営業で顧客に商品やサービスの良さを伝えたい時、プレゼンで重要な部分を伝えたい時に活用できます。

生成AIの著作権問題について


生成AIが話題を集める中で、注目されているのは生み出された作品だけでなく、著作権問題も挙げられます。
AIによって生み出されたコンテンツの著作権はどうなるか、気になる方もいるでしょう。最後に、生成AIの著作権問題について解説していきます。

生成AIによる創作物に著作権などの権利は認められる?

現行の法律だと、生成AIによる創作物に対して著作権が発生するかといった具体的な法律がないため、現在も議論を行っています。
現行の法律で考えた場合、「AIを道具として使い創作したもの」と「AIだけで創作したもの」で権利の認められ方が異なります。

前者の「AIを道具として使い創作したもの」は、もともと人が創作意図を持っていることから著作権が認められています。
しかし、後者の「AIだけで創作したもの」の場合は著作権が認められない状態です。

米著作権局の判断基準

アメリカの政府機関にあたる著作権局は、AIによって生成された創作物に対する著作権のガイドラインを発表しています。

ガイドラインでは、自動生成されたコンテンツについては原則著作権が認められないものの、AIと協働して作られたコンテンツで人間の創造力が反映されている部分に関しては著作権が認められるとされています。
そのため、著作権登録の申請を行う場合は、AIが自動で生成した部分と人間によって創作された部分を分けて明記する必要があります。

あくまでアメリカの判断基準となりますので、今後日本の法律が改正されどのような判断基準となるのかはまだわかりません。
ビジネスで生成AIを活用する際は、著作権についても目を向けることが大切です。

まとめ

簡単な言葉で指定するだけで自動的に複数のコンテンツを生み出してくれる生成AIは、ビジネスにおいて効率性・生産性の向上なども期待できます。
著作権といったまだ解決していない問題点もありますが、将来的にさらなる発展を見せる可能性を秘めた分野でもあるため、今のうちから取り入れておくのもおすすめです。

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(編集:創業手帳編集部)

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