融資を受けられない!その理由や対策方法を詳しく解説
融資が受けられないのは返済してもらえる可能性が低いから
銀行などの金融機関が行っている融資は、必ず受けられるわけではありません。状況によっては、受けられない可能性もあります。
金融機関が融資をすべきではないと判断するのは、返済してもらえない可能性が高い場合です。
今回は、融資を受けられない理由や断られてしまった時にすべきこと、融資を受けやすくする方法について解説していきます。
これから融資を受けようと考えている方は、参考にしてみてください。
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この記事の目次
融資を受けられないのはどのような会社?理由と対処法
融資を受けられない会社には共通する特徴があります。まずは、その理由や対処法をみていきましょう。
対処法がわかっていれば万が一の時にも焦らずに済むので、把握しておいて損はありません。
1.税金の支払いを怠っている
税金の支払いを怠っている会社は、融資を断られてしまいます。
特に日本政策金融公庫は政府が100%株式を有しているため、融資を受けられる可能性はほぼゼロになります。
現在未納となっている分はもちろんですが、過去に未納がある場合も厳しくチェックされるので注意が必要です。
未納や支払いに遅れがないかチェックすべき税金は、所得税・法人税・住民税・事業税・消費税です。
これらの税金をしっかりと支払っていれば問題はありません。しかし、何らかの理由で未納分がある場合は、早めに支払うようにしてください。
また、健康保険料や年金についても調査の対象になるのではないかと不安視する方もいます。しかし税金と比べると優先度がそこまで高くありません。
優先度が高くないと言っても、未納があれば信頼を下げる原因になりかねないため、未納分があるなら早めに納付することをおすすめします。
2.自己資金が不足している
自己資金が不足している場合も、融資を受けにくくなってしまうので注意しなければいけません。
日本政策金融公庫を例に挙げると、融資希望額の1/10の資金が手元になければ、融資の申し込みができないルールになっています。
申し込みのタイミングで創業資金の1/10を用意できていなければ、融資を受けられないということです。
家族や親族から一時的にお金を借り、自己資金があるように見せれば良いのではないかと考える方もいるかもしれません。
このようなお金は「見せ金」と呼ばれており、プロは簡単に見破ってしまいます。
過去6カ月分の通帳をチェックされるので、ある時急に預金額が増えると怪しい、出所が不明だとみなし、見せ金だと判断されてしまいます。
開業時に自己資金の10倍ほどの金額を融資してもらえるケースは少なく、2~3倍までが一般的であることも念頭に置いておいてください。
もしも、自己資金の10倍ほど融資をしてもらいたいのであれば、顧客リストの豊富さなどをしっかりとアピールしなければいけません。
この時、実績を提示することも必須条件です。
3.消費者金融からの借入れがある
消費者金融からの借入れがある場合も、融資は受けられないと思っておいてください。
消費者金融から借入れをしていることを黙っていたとしても、嘘はすぐにバレてしまうものです。
どの金融機関であっても信用情報をチェックできるため、簡単にバレてしまいます。
銀行などの金融機関から融資を受けたほうが、金利が安いといったメリットがあります。
それにもかかわらず、消費者金融を利用している方は、金融機関から融資を受けられない理由の持ち主である可能性も高いとみなされてしまうでしょう。
また、いくつかの消費者金融から借入れをしている、キャッシングを多数利用しているといった理由から自分で返済できる限度額を超えているといったパターンもあります。
返済能力に不安がある相手には、どの金融機関もリスクを負ってまでお金を貸したくないと考えるのは当然です。
消費者金融から借入れはないほうがいいですが、過去にしてしまったという方もいるでしょう。
そのような場合は、返済を済ませてから融資を申し込むと審査に通過する可能性が上がります。
4.経営計画に不備がある
日本政策金融公庫は、銀行よりも融資を受けやすいと言われています。しかし、誰でも審査を通過できるわけではありません。
自己資金をしっかりと準備し、根拠のある経営計画を提出する必要があります。
経営計画を立てる時に、考えておきたいポイントを把握しておくとまとめやすくなります。
押さえておきたいポイントは、融資の使用用途や事業展開の展望、見込める収益、返済方法です。
根拠に基づかないような売上げがあったり、売上げが上がっていても仕入れが減っていたりすると、矛盾が生じているとみなされ融資してもらえない可能性が高まります。
5.信用情報に傷がある
金融機関は、融資を行う前に信用情報をチェックします。CICなどに名前が登録されている場合は、融資を受けられなくなってしまう可能性が高いです。
クレジットカードの支払いが遅れた、債務整理をした、といった経験は事故情報として登録されてしまいます。
キャッシングに残高がある、過去2年の間に滞納を複数回繰り返している、といった場合も審査の通過は難しくなってしまいます。
しかし絶対に融資を受けられないわけではありません。
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- 過去5年以内に延滞が61日以上あった
- 過去5年以内に強制解約があった
- 過去5年以内に債務整理をした
- 過去10年以内に自己破産している
上記のいずれかに当てはまると、通過は厳しいと言えます。
これらに該当する方は、期間が過ぎてから融資の審査を行ってみてください。
6.面談時のやる気が感じられない
融資を申し込むと、金融機関の担当者と面談を行います。面談では、融資を受けたいと思った理由や事業内容について聞かれます。
必ず聞かれる内容なので、どのように回答するのかあらかじめ考えておいてください。
時には、気に障るような質問をされることもあるかもしれません。そのような時でも、感情を態度や言葉遣いに出さないように注意が必要です。
感情をあらわにしてしまうと、それが融資審査に悪影響を及ぼしかねません。
やる気や人柄だけではなく、創業計画書に書いてある数字の説明を求められる場合もあります。自分自身の言葉でしっかりと説明できるような準備も、必要不可欠です。
融資を断られてしまった時にやるべきこと
経営計画などをしっかり考えたつもりでも、融資を断られてしまう場合があります。そのような時はどうすべきなのか悩んでしまうものです。
続いては、万が一融資を断られてしまった時にやるべきことをピックアップして紹介します。
1.なぜ融資を受けられないのか、理由を聞く
融資を断られてしまったら、問題点を改善する必要があります。
しかし、融資担当者に聞いても「総合的に勘案した結果です」といった答えしか返ってこないケースも少なくありません。
理由を教えてもらえないのは、審査基準が外部に漏れることを防ぐためです。特に銀行で多く見られます。
もしもそのような回答があった時は、「金融庁の監督指針には断る理由を説明する旨が記載されている」と伝えてみてください。
金融機関は、金融庁によって定められた「中小・地域金融機関向けの総合的な指針」に従って運営しなければいけません。
その指針の中には、「融資などを断る理由も可能な範囲で説明するように」と書かれています。
担当者が指針について知っていれば、理由を教えてもらえる可能性は高くなります。
2.改善策を講じる
融資を断られてしまう理由は様々です。理由によって改善策が異なります。ここでは、多く見られる理由とその改善策について紹介します。
・事業計画書の内容が明確になっていない
事業計画書内容が明確になっていない、実現性が低いとみなされてしまうと、審査落ちの原因になります。
融資担当者を納得させられるような具体性のある内容を意識してみてください。熱意や根拠があり具体的な数値が盛り込まれている場合は、納得してもらいやすいです。
・決算書の数字が良くない
決算書の数字が悪いと、返済の見込みが低いと思われる原因になります。返済の見込みが低ければ、融資してもらえる可能性は極めて低くなってしまいます。
決算書でチェックされるポイントは、売上げや利益、借入金、固定資産、純資産です。
・自己資金が足りない
前述したように、自己資金が足りない場合も融資は受けられない可能性が高くなります。自己資金を増やしたり、事業計画を変更したりするといった対策が必要です。
3.再チャレンジする
融資を断られてしまったけど、再チャレンジしたいと考えるケースも珍しくありません。
そのような時は、信用情報から傷がなくなるのを待ったり、信用情報の傷について弁明したりする必要があります。
やむを得ない事情であれば、申し込みをする時に自分で伝えるという方法もあります。
しかし、すべての金融機関が信用情報について調べるわけではありません。
つまり、下手に弁明したことが仇になってしまう可能性もゼロではないと言えます。
最初から弁明するのではなく、問われた時に弁明するという流れのほうが墓穴を掘らずに済むので安心です。
融資を受けやすくする方法も知っておこう
融資を申し込むのであれば、審査を通過して資金を手に入れたいと思うのは当然です。
最後に、融資を受けやすくする方法について解説していきます。これから申し込みを考えている方は必見です。
1.経営が安定していることを示す
金融機関は、経営が安定している会社に融資をしたいと考えます。
財務諸表や賃借対照表、事業計画書、試算表、資金繰り表、納税証明書、銀行取引一覧表などの数字を使用して証明しましょう。
決算書とも呼ばれている財務諸表は特に重要視される傾向があるので、必ず用意してください。
会社として信用してもらうためには、売掛金をしっかりと回収できているかどうかという点も重要です。
売掛金は、商品やサービスの代金を後払いで回収します。
信用取引とも呼ばれていて、入金の管理を行わなければいけない、回収ミスを防ぐために工夫しなければいけないといった注意点もあります。
売掛金の回収率なども含めて提示すれば、安定した経営を行っているかがわかりやすくなるので、抜かりなく準備しておいてください。
2.融資担当者の視点で自社の将来性を説明する
融資担当者の視点で自社の将来性を説明することも、融資を受けやすくするためのポイントになります。
どれくらい将来性があるかをアピールできれば、将来的な返済にも問題がないと認めてもらえます。
融資担当者は融資案件数や口座の開設数といったノルマを抱えていますが、契約がゴールではなく、返済してもらえるかどうかが評価の対象になることを忘れてはいけません。
返済の見通しがある会社へ融資したいと考えるため、自社製品の将来性などを、融資担当者の視点で説明できるようにするのは効果的です。
具体的なデータを駆使しながら説明することを意識してみてください。
3.融資担当者とできるだけ話す機会を設ける
会社として、銀行などの金融機関に協力する姿勢を見せることも重要です。
融資担当者は多くのノルマを抱えているので、口座の開設や法人カードの作成といった、協力できそうな部分に関しては協力するようにしてください。
そうすることで、金融機関と良好な関係を築きやすくなります。
なかなか合うタイミングがない場合は、電話やメールでのやりとりを積極的にするのがおすすめです。
良好な関係を継続させるには、コミュニケーションの量と質がポイントになります。
自社の状況を融資担当者に相談し、アドバイスを受けるという方法もあります。融資担当者も状況を把握できれば、融資に踏み切りやすくなるでしょう。
4.業界や地域に関する情報提供を行う
融資担当者は、担当している地域や業界に関する情報を欲しいと思っています。なぜかというと、それらの情報は優良な融資先の決め手になるからです。
地域や業界研究ができている会社は、将来性が高いと判断してもらいやすくなるというメリットもあります。
融資を受けるにはどれくらい将来性が期待できるのか、という点を見極めてもらう必要があります。
そのためにも、業界や地域に関する情報提供を積極的に行い、「融資しても問題ない将来性を持つ会社だ」と判断してもらえるような努力も怠らないようにしてください。
まとめ
融資を受けられない会社は、税金の支払いを怠っていたり自己資金が不足していたりするケースが多いです。
また、消費者金融から借入れをしている場合や経営計画に何らかの不備がある場合、信用情報に傷がある場合も融資を受けられない可能性が高いです。
問題点があるにもかかわらず改善しようとしないのは言語道断なので、融資を受けたい場合は改善策を講じましょう。
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(編集:創業手帳編集部)