【2024年募集中】アクセラレータープログラムとは?起業家必見!

創業手帳

アクセラレータープログラムとは、スタートアップなどをバックアップするシステム。成功のポイントや事例も解説


新たに起業したスタートアップやベンチャー企業に対して、既存の企業が提携し双方の成長を目指すシステムが、アクセラレータープログラムです。
アクセラレータープログラムを行う既存企業は、サポートを行うスタートアップを募集し、自社の持つノウハウやリソースを提供して、具体的なビジネスプランを構築します。

今回は、アクセラレータープログラムについて、現在募集されているものを含めて紹介します。

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この記事の目次

アクセラレータープログラムとは?概要について


こちらでは、アクセラレータープログラムの概要について説明します。

アクセラレータープログラムは、スタートアップやベンチャー企業の事業に対し、アクセラレーターと呼ばれる既存企業がサポートを行うものです。
双方のアイデアやノウハウをそれぞれに持ちより、新たなビジネスを創生することを目的としています。

アクセラレーターとは

アクセラレータープログラムにおいて、スタートアップと提携する既存企業が、アクセラレーターです。

アクセラレーターとは、英語で「accelerator」=加速するもの・促進剤などの意味です。
つまり、スタートアップの事業において、発展や成長を加速させる位置付けであり、アクセラレーターとは事業の発展・加速をサポートする企業・団体・人員すべてを指します。

アクセラレータープログラムは、スタートアップの事業を短期間で成長させることが目的であり、およそ数カ月程度の期間で実施されます。

アクセラレータープログラムには大手企業も参入

アクセラレータープログラムには、国内でも有数の大手企業も積極的に参入しています。
大手企業は、事業を大きくするためにリスクを避け現状を保つための経営に注力する向きがあり、新しい分野へ乗り出すことを躊躇するケースがよくあります。

そこで、自社にイノベーションを起こすことを目的としてアクセラレータープログラムに参入し、スタートアップと提携する大手企業が増えているのです。

アクセラレータープログラムのメリット

アクセラレータープログラムでは、スタートアップや既存企業に次のようなメリットをもたらします。

スタートアップへのメリット

スタートアップなどの企業が、既存企業から受けられるサポートによるメリットとは、主に以下のようなものです。

・ビジネスプランの改善
自社が練りあげたビジネスプランについて、より良い事業展開ができる改善策を得られます。

・ビジネスノウハウの提供
既存企業がこれまで成長してきたノウハウを受け継ぐことで、自社の事業に生かすことができます。

・設備や人材、資金などのリソース提供
起業したてでは、資金やスペースの問題でそろえきれない設備や人材といったリソースを、既存企業から提供してもらうことができます。

既存企業へのメリット

一方、既存企業が受けられるメリットとは、主に以下のようなものです。

・新たなアイデアの吸収
スタートアップが持つ、これまでにない斬新なアイデアを取り入れ、新たなビジネスとして昇華できます。

・従来の社風への変化
長く事業を続けるうちに凝り固まった経営方針や社風に、テコ入れを行うことができます。

・新規事業への進出
スタートアップのアイデアをもとに、従来では難しかった新規事業に参入するプランを具体的に立てられます。

アクセラレータープログラムを成功させるために


アクセラレータープログラムを成功させるためには、その意義とポイントを理解しておくことが大切です。

アクセラレータープログラムが持つ意味を理解しよう

スタートアップと既存会社が対等に提携する

起業したてのスタートアップとアクセラレーターたる既存企業は、サポートを受ける側と提供する側という関係性により、対等ではないようにも見えます。
しかし、アクセラレータープログラムの目的は、双方が対等な立場のビジネスパートナーとして提携し、新たなビジネスの創出を行うことです。

前述のように、単純にスタートアップが支援を受けるだけではなく、既存企業も変わりゆく市場をいち早く察知し、新規事業へシフトすることもアクセラレータープログラムの要素です。
双方がお互いに持つ強みを出し合い、対等な関係性でビジネスを創り上げていくことが求められます。

既存企業の社風に新たな風を取り入れる

時代の流れに伴い、様々な市場は様相を変えつつあります。そのため、既存企業が従来どおりの事業展開を行っていると、瞬く間に市場に取り残される可能性が高いです。
起業したばかりで、市場のリアルタイムのニーズを捉えているスタートアップの存在は、既存企業の経営方針や社風に新たな風を取り入れることにつながります。
スタートアップが持つアイデアは、既存企業の凝り固まった社風では生まれなかったものであることも多いです。

そのため、アクセラレータープログラムによって、スタートアップは既存企業の重要なパートナーになり得ます。

スタートアップのリソースを確保する

スタートアップにおいては、資金繰りに苦労することも多く、求めている設備や人材などのリソースが足りないこともあります。

そこで、アクセラレータープログラムに参加すれば、既存企業が長年育ててきた設備や人材、ノウハウを確保できます。
これにより、事業のスピーディな成長が実現するだけではなく、既存企業のマーケティング技術により市場を分析することで、的確な商品やサービスの開発も叶います。

アクセラレータープログラムを成功させるポイントについて

時代や市場のニーズに合わせて柔軟に事業を検討する

前述のように、アクセラレータープログラムは、時代とともに変わる市場のニーズに応えられるビジネスを創出することが目的です。
そのため、既存企業が求めている課題を解消できるアイデアを提供するべく、スタートアップが提案する事業内容は、よく検討することが求められます。

検討する内容には、アイデアをより具体的に示すことや、既存企業が求めている目的に合致するかなどを意識しましょう。

アクセラレーターと同じ目線で事業成功を目指す

アクセラレーターたる既存企業は、アクセラレータープログラムにおいてスタートアップと同じ目線で事業展開するパートナーです。
双方には、それぞれ想像もつかないアイデアやノウハウがあります。それらを組み合わせることで、これまでにないビジネスを成功させることを目標にすべきです。

そのためには、スタートアップも単純に既存企業に助けてもらうといった意識ではなく、自社が持つ強みを提供して同じ目標を目指す意識が必要です。

アクセラレーターのビジネスサイクルを考慮する

いつでもパートナーシップを結べる準備を整えています。

スタートアップは、このようなチャンスを逃すことなく、常に募集をチェックしておきましょう。

アクセラレーターを突き動かす明確な目的を持つ

アクセラレーターとなる既存企業は、スタートアップと提携することで大きなオープンイノベーションを期待しています。
そのため、スタートアップは既存企業を突き動かす目的を持たなければなりません。

例えば、事業においてアイデアを明確に具現化する計画や、市場にどのようなインパクトをもたらせるかのビジョンなどです。
さらに、既存企業にとって魅力がある事業を提案するとともに、新たなビジネスを成功させたいという情熱と覚悟を持つことも大事です。

アクセラレータープログラムの種類4つ


アクセラレータープログラムには、以下のような4つの形態があります。

1.既存企業自らパートナーを募集する

アクセラレーターとなる既存企業が、自らパートナーたるスタートアップを募集し運営も担う形です。
この場合、既存企業がアクセラレータープログラムに関する知識を持っている必要があります。

2.アクセラレータープログラム運営会社が双方を仲介する

アクセラレータープログラムは、スタートアップと既存企業の間に入る運営会社が存在することがあります。
運営に特化し中立した会社が入ることで、客観的な視点で進めることができます。

3.アクセラレータープログラム運営会社が率先してマッチングする

上記のアクセラレータープログラム運営会社が、複数のスタートアップと既存企業の中から、ビジネスプランや目的などの相性が良い企業をマッチングさせるシステムです。
参加を希望するスタートアップと既存企業の中から、多様な組合せが生まれることが期待できます。

4.アクセラレータープログラム運営会社が事業のアドバイスを行う

プログラムに参加するスタートアップと既存企業それぞれに、創出すべき事業を有益に導くアドバイスを行い、ブラッシュアップをサポートする運営会社もあります。
つまり、運営会社が双方に寄り添ったコンサルティングを行う形態であり、プログラムの最適化を行うことが可能です。

アクセラレータープログラムに参入する会社の傾向


アクセラレータープログラムは、新たなアイデアを持ったスタートアップが、既存企業とともに事業を成長させるものですが、参加する企業にはある程度の傾向が存在します。

参入する既存会社のジャンル

アクセラレータープログラムに参入し、オープンイノベーションを求める既存企業の業種は、主に以下のようなものです。

・マスコミ系
常に時代の最先端の情報を取り入れることが求められるマスコミ系は、スタートアップの新たなアイデアを求めています。

・製造業
目まぐるしく変わる商品へのニーズに応え、新たな商品を製造するにあたり、スタートアップの新鮮な発想が必要とされています。

・各種サービス業
様々なサービスを提供する業種でも、顧客が満足できるサービスを新たに創出するために、スタートアップと提携してイノベーションを起こすことを期待しています。

応募するスタートアップの傾向

一方、求められているスタートアップの経営者は、一定の社会経験および知識を得た人物が求められる傾向にあります。
そのため、経営者には以下のような人物像が求められることが多いです。

・上場企業での勤務実績がある
第一線で躍進する企業での勤務実績により、十分な社会経験を積んで市場のニーズや経営ノウハウを身に付けていることを重視されます。

・大学院を修了している
これは、一定の分野を深く研究した実績として、事業展開したいジャンルに特化した知識を得ていることを証明するものです。

アクセラレータープログラム運営会社の意義

アクセラレータープログラムにおいて、スタートアップと既存企業をつなぐ役割を行う運営会社は、双方の企業が出会うきっかけになり得ます。
それだけではなく、スムーズかつ効果的なプログラム運営を行い、スタートアップが求めるサポートや、既存企業が取り入れるべきアイデアを双方が得やすくする役割を担います。

アクセラレータープログラム運営会社は、もともと以下のような事業を行っていることが多いです。

・投資会社
既存企業がスタートアップへ資金を投資するにあたり、適切な方法や金額をアドバイスできます。

・経営、金融コンサルティング会社
企業の経営はもちろん、資金繰りなどにもアドバイスできるコンサルティング会社が運営しているケースもあります。

アクセラレータープログラムの成功事例


こちらからは、アクセラレータープログラムの成功事例について紹介します。

アクセラレータープログラムの先駆者であるインターネット事業会社

国内大手のあるインターネット事業会社は、アクセラレータープログラムを国内で導入した先駆者といわれています。
実施したプログラム数も多く、これまでに様々なスタートアップを支援してきました。

その実績にならい、オープンイノベーションのきっかけにすべくプログラムに参入した企業も少なくありません。

化粧品メーカーと最新鋭技術を持つスタートアップとの共生

大手化粧品メーカーでは、化粧品の開発や顧客それぞれに合った美を提供するシステム構築のために、最新鋭の技術を持つスタートアップと提携しました。
その技術とは、デジタルや量子コンピュータに特化したもので、人間とコンピュータの共生を目標にプロジェクトが順調に展開されています。

インフラ事業者とともに目指す地域創生

生活インフラを提供するガス会社では、スタートアップと協力することで、新たな地域創生を目標としています。

ガスエネルギーの提供だけではなく、電気エネルギーを利用したサービスや新たなライフスタイルの提案のように、既存では捻出されなかったアイデアを多数取り入れ、成功しています。

現在募集中のアクセラレータープログラム5選

以下では、2024年5月現在で募集中のアクセラレータープログラムをあげていきます。

FASTER 中小機構アクセラレーションプログラム

独立行政法人 中小企業基盤整備機構は、「FASTER 中小機構アクセラレーションプログラム」2024年度第一期(第11期)の公募を受け付けています。

専門家によるメンタリングを受けて事業計画を作成したり、支援イベントやデモデイの実施によってVCや大企業と引き合わせてくれたりなど、さまざまなメリットがあるアクセラレーションプログラムです。

受付期間:2024年5月1日(水)~6月14日(金)17:00必着

応募条件:起業前・起業から5年以内(2019年4月1日以降に起業)であること(創薬などの分野では10年以内)、個人・あるいは中小企業など

15〜20程度の応募者を採択する予定だそうです。

参考:FASTER 中小機構アクセラレーションプログラム

JR東日本スタートアッププログラム

JR東日本スタートアップ株式会社は、「JR東日本スタートアッププログラム」の公募を受け付けています。

「JR東日本スタートアッププログラム」の一番の特徴は、実証実験へのコミットです。JR東日本のリソースをうまく使い、JR東日本にもメリットのあるような製品・サービスがあれば、採択されるでしょう。

JR東日本が抱えている「運輸」「流通・不動産・ホテル」「設備」「建設」「電気・エネルギー」などの各ジャンルにおける課題について、新たな展開が期待できるような取り組みの提案が求められています。

受付期間:2024年5月31日(金)まで

応募条件:すでに自社の製品・サービスがあること、年度内に実証実験が可能で起業から10年以内の企業など

Demo Dayで「スタートアップ大賞」を受賞した企業には100万円、「優秀賞」には50万円の賞金も用意されています。

参考:JR東日本スタートアッププログラム

東南アジア進出スタートアップ支援プログラム

Japan Connect Initiative(JCI)は、「東南アジア進出スタートアップ支援プログラム」の応募を受け付けています。

シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムの四カ国への進出を計画しているスタートアップを対象に、セミナーやメンタリング、デモデイや現地企業とのマッチングなど、多方面からサポートしてくれるアクセラレータープログラムです。

受付期間:2024年5月1日(水)〜6月3日(月)

応募条件:東京に本社があること、すでに売上実績があること、2024年9月に現地の渡航が可能なことなど

日本だけでなく、成長著しい東南アジア諸国での事業展開を考えているスタートアップの方は、ぜひ応募してみてください。

参考:東南アジア進出スタートアップ支援プログラム

あわぎんアクセラレータープログラム2024

阿波銀行は、「あわぎんアクセラレータープログラム2024」の応募を受け付けています。

徳島県のリーディングバンクとして知られている阿波銀行は、地域で急増する高齢者顧客をサポートできるようなデジタル施策を求めており、そうしたアイデアを提案できると採択される可能性も上がるでしょう。徳島県でビジネスをしている、あるいはこれから展開していきたいスタートアップの方は、ぜひ応募してみてください。

受付期間:2024年5月26日(月)20:00まで

応募条件:スタートアップ法人であること

現時点で徳島県への展開をしていないスタートアップでも、テクノロジーやサービス内容にシナジーがありそうであれば、応募してみることをおすすめします。阿波銀行の強固なネットワークを生かして、ビジネスを拡大できるでしょう。

参考:あわぎんアクセラレータープログラム2024

NGAS-Accelerator Program

日本海ガス絆ホールディングスは、「NGAS-Accelerator Program」の応募を受け付けています。

北陸エリアのインフラを長年にわたってサポートしてきた日本海ガス絆ホールディングスが主宰するアクセラレータープログラムです。エネルギー分野やくらし分野、地域課題解決分野などにおいて、何かイノベーティブなアイデア、商品、サービスを持っているスタートアップ企業はぜひ応募してみると良いでしょう。

受付期間:2024年5月31日(金)まで

応募条件:法人、もしくは個人がそのビジネスプランの実現にフルコミットしている、あるいはフルコミットできる見込みがあることなど

北陸エリアでスタートアップを運営している方や、これから北陸エリアで新しくビジネスを展開していきたいスタートアップの方におすすめです。

参考:NGAS-Accelerator Program

まとめ・2024年に募集中のアクセラレータープログラムに応募しましょう

アクセラレータープログラムは、起業したてのスタートアップやベンチャー企業と、既存企業が協力してオープンイノベーションを目指す仕組みです。
スタートアップの新たなアイデアと既存企業のノウハウやリソースを持ちより、それぞれの目的が一致した場合、これまでに例を見ない事業展開を行うことが期待できます。

参加するスタートアップは、既存企業を対等なパートナーとして捉え、事業が軌道に乗れば自らの手で成長させていくことを見据えましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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