注目のスタートアップ

障害児と健常児がともに使える「IKOUポータブルチェア」などの企画・販売を手がける「Halu」が5,000万円調達

company

2023年7月10日、株式会社Haluは、総額5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Haluは、障害者や高齢者など、従来のプロダクト開発では見逃されていた人びとのニーズに着目し、当事者を巻き込んで共創するデザインアプローチ「インクルーシブデザイン」を軸としたインクルーシブブランド「IKOU(イコウ)」を展開しています。

2023年7月現在、障害の有無によらず多様な子どもが使える折りたたみ式のキッズチェア「IKOUポータブルチェア」、バンダナ型のよだれかけ「IKOU Bib」、キッズウェア「IKOUキッズウェア」を展開しています。

「IKOUポータブルチェア」は、体幹が弱い乳幼児でも安定して座ることができる折りたたみ式のキッズチェアです。日常に溶け込むデザインや、大人用の椅子にも簡単に取り付けできることなども特徴としています。

今回の資金は、「IKOUポータブルチェア」の認知向上、スポーツ・商業施設など企業・団体への導入拡大に向けた営業・マーケティング、ユーザーネットワークの構築、事業領域の拡大、組織づくり・体制強化に充当します。


出生時の事故、病気、生活中の事故などにより身体的な障害を抱える乳幼児がいます。

乳幼児期は心身の発達のため非常に重要な時期ですが、障害はその正常な発達を阻害する可能性があるため、適切な支援を要します。

一方、乳幼児は他の年齢層よりも事故などに遭うことが少ないことから、相対的に障害者数が少なく、支援・プロダクト・サービスの量・質が充分でないことが課題となっています。

とくに障害を持った乳幼児向けのプロダクトは機能性に特化したものがほとんどであり、見た目も障害児用とわかるようなデザインになっています。これによって障害を持った乳幼児やその親は疎外感を味わうこととなっています。

また、乳幼児向けのプロダクトに限らず、市場では障害者向け健常者向けの市場ははっきりとわけられており、この構造が健常者の障害者への理解、障害者の健常者への理解を阻害しているという指摘もあります。

近年は、ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)という語を旗印に、あらゆる人が取り残されず、社会の一員として支え合って生きていける社会をつくることを社会全体で目指すようになってきています。

インクルーシブデザインは、これまでのプロダクトデザインなどにおいて、ターゲットとして考慮されずに外されてしまう属性の人びとが存在していたことを鑑み、マイノリティの人びとも含めてより多様な人びとがプロダクトやサービスを利用できるようデザインするため、デザインプロセスの初期から排除されてきた人びとを巻き込んでプロセスを進めていくという考え方です。

Haluは、身体的にチャレンジを抱える子どもたちの体験を起点としたデザインを通じたプロダクトの企画・販売を行うブランド「IKOU」を通じ、外出先での多彩な体験をサポートするプロダクト・サービスづくりに取り組んでいます。

事業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ D2C Halu IKOU IKOUポータブルチェア インクルーシブデザイン キッズ サポート デザイン ブランド 乳幼児 株式会社 資金調達 障害 障害児
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

農業向けドローン・ソリューション提供の「スカイマティクス」がMBOと9億円の調達を実施
2019年10月1日、株式会社スカイマティクスは、総額約9億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、この資金調達により、経営陣が議決権の過半数を保有します。 創業株主である三菱商事株式会社は…
LTV最大化を実現するBX(Brand Experience)プラットフォーム「BOTCHAN」を運営する「wevnal」が10億円調達
2023年4月12日、株式会社wevnalは、総額10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また直近では、2023年2月8日に総額10億円の調達を発表しています。これによりシリーズBラウンドで…
ソフトバンク発のイベントテック企業「MICEプラットフォーム」が「ヒビノ」と資本業務提携
2023年9月1日、ヒビノ株式会社は、MICEプラットフォーム株式会社と、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 MICEプラットフォームは、ソフトバンクグループの社内起業制度「ソフトバンクイ…
子供向けオンライン英会話スクール「GLOBAL CROWN」を運営の「ハグカム」が資金調達
2021年3月9日、株式会社ハグカムは、資金調達を実施したことを発表しました。 子供向けオンライン英会話スクール「GLOBAL CROWN」を運営しています。 独自のレッスン・メソッドである「夢中メソ…
乗り捨て料金が完全無料の片道専用レンタカーサービス「Simpway」が東京-大阪間でスタート
2022年3月22日、Pathfinder株式会社は、「Simpway(シンプウェイ)」を東京-大阪間で開始したことを発表しました。 「Simpway」は、乗り捨て料金が完全無料の片道専用レンタカーサ…

大久保の視点

スタートアップワールドカップ九州大会:優勝は医薬品開発のStapleBio!熊本で開催
世界最大級のビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ」の九州予選である「KYUSYU REGIONAL 2024」が、2024年8月27日(火)に開…
(2024/8/27)
「スタートアップビジネスMBA講座」明治大学MBAの執筆陣と出身起業家が解説
創業手帳代表も執筆陣に参加。注目のスタートアップ本 起業家教育が近年注目を浴びています。しかし、スタートアップはまだ新しい領域であり、不確実性も高く、学問に…
(2024/7/29)
世界最大級のビジネスコンテスト・スタートアップワールドカップ東京大会優勝はDigital Entertainment Asset山田耕三さん
世界最大級のビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ」の東京予選である「TOKYO REGIONAL 2024」が、2024年7月19日(金)に開催…
(2024/7/19)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】