注目のスタートアップ

大規模言語モデルソフトウェアを開発する「Spiral.AI」が1.5億円調達

company

2023年5月17日、Spiral.AI株式会社は、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Spiral.AIは、大規模言語モデル(巨大言語モデル:LLM)の導入・活用を目指す企業に対し、高度なLLMの利用を支援するサービスを提供しています。

カスタムChatGPTを作れる高機能AI言語モデルプラットフォーム「Spiral.Bot」の提供と、独自LLM「Spiral.LLM」の開発、「Spiral.LLM」による自由度の高い言語モデルの提供を行う予定です。

「Spiral.Bot」は近日リリース予定であるほか、「Spiral.LLM」では60億パラメータ級、商用利用可能な日本語言語モデル開発に着手しています。

今回の資金は、優秀なエンジニアや事業開発メンバーの採用、開発インフラの拡充に充当します。


近年、OpenAI社のAIチャットボットChatGPTのベースとなっているGPTシリーズなど、大規模言語モデル(LLM)の注目が世界的に高くなっています。

LLMとは、従来の言語モデルよりも大規模なパラメーターを持つディープラーニングモデルのことであり、幅広いタスクの処理を行えることを特徴としています。

OpenAI社のChatGPTは、自然な文章による質問への回答、テキストの要約、企画書・小論文の執筆、プログラミングなどさまざまなことを、自然な文章のやり取りで行うことができるAIチャットボットです。

人間が行うタスクをかなりの精度で代替して行ってくれることから、さまざまな業界に大きな衝撃を与えました。

さらに、OpenAI社は、こうしたLLMの性能は、たった3つの変数のべき乗則で説明できることを説明した論文を公開し、その証明のためにLLMの開発を行っています。

この3つの変数は、モデルサイズ、学習させるデータサイズ、学習を行う予算であり、さらには性能向上の上限がないことも示唆されています。つまりお金を投じれば投じるほどLLMの性能が向上することから、LLM開発は莫大な資金が集まる領域になるという予想もあります。

一方でLLMをビジネスで活用する際にはいくつかの課題があります。代表的な例としては、嘘の回答を行ったり情報を提供したりすること、法律がまだ整備されておらず、将来的にどのように規制されるのか不透明であること、特定のタスクなどに特化させるための学習・訓練に一定のノウハウが必要となることなどが挙げられます。

Spiral.AI株式会社のコメント

このニュースを受けまして、Spiral.AI株式会社 代表取締役 佐々木雄一氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

優秀なエンジニア・ビジネスメンバーの採用、および、開発の計算リソースに活用して参ります。

・今後の展望を教えてください。

巨大言語モデル (LLM) という新興技術のノウハウの蓄積を通して、多くの企業がこの革新的なテクノロジーを使いこなしていけるようご支援して参りたいと思います。

・読者へのメッセージをお願いします。

LLMは、確実に世界を変える転換点になっていくと思います。

仕事が奪われるという話も良く出ますが、使いこなす側になればこれほど心強いテクノロジーはありません。

すべての人々がLLMを活用し、自分の能力超えた生産性を生み出す社会になればと願っております。

AIは業務効率化にとっても重要な技術です。創業期はなにもない状態からはじまるため、最新のシステムを導入するのにうってつけです。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備について詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI ChatGPT Large Language Model LLM Spiral.AI Spiral.Bot Spiral.LLM モデル 大規模言語モデル 巨大言語モデル 株式会社 言語 言語モデル 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

体重測定できるバスマット「スマートバスマット」を展開する「issin」が5.3億円調達
2023年1月19日、issin株式会社は、総額5億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 issinは、体重測定できるバスマット「スマートバスマット」を開発・販売しています。 見た目…
ロボアドバイザー提供の「お金のデザイン」が59億円調達へ
平成30年6月27日、株式会社お金のデザインは、総額59億円の資金調達を実施することを発表しました。 今回の資金調達で、創業からの累計資金調達額は104.8億円となります。 お金のデザインは、AIを活…
東京大学・松尾研究室発のAIスタートアップ「パンハウス」が資金調達
株式会社パンハウスは、資金調達を実施したことを発表しました。 パンハウスは、東京大学松尾研究室が開発したAIスタートアップ起業家育成プログラム「起業クエスト」の卒業1期生が創業したAIスタートアップで…
モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」運営の「INFORICH」が59億円調達
2021年11月18日、株式会社INFORICHは、総額59億円の資金調達を実施したことを発表しました。 モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT(チャージスポット)」を運営しています。 …
画像中の顔を自動検出し顔を隠してプライバシーを保護できるアプリ「顔隠しアプリ」が正式リリース
2022年6月15日、株式会社KICONIA WORKSは、「顔隠しアプリ」をiOS版とAndroid版で正式リリースしたことを発表しました。 「顔隠しアプリ」は、画像中の人間の顔を自動で検出し、簡単…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集