注目のスタートアップ

車窓XRの基盤システムを開発する「DUAL MOVE」が資金調達

company

2023年3月14日、株式会社DUAL MOVEは、資金調達を実施したことを発表しました。

DUAL MOVEは、自動車などの車窓への映像表示により、車窓越しに見える実際の景色に重ね合わせるXRコンテンツ(車窓XR)を表示するための技術を開発しています。

また、車窓XRに関する技術を起点に、自動車の車室内空間において利用者の五感を高度に刺激する、インフォテインメントなどのデジタルコンテンツの基盤システムの構築も進めています。

今回の資金は、エンジニア人材の獲得、パートナー開拓に充当します。


すこし昔まで自動運転技術はSF的な技術でした。しかしAIの著しい発展により、世界各国で自動運転技術の開発が進められており、すでにある程度のレベルの自動運転技術が社会実装されています。

自動運転は、どこまで運転を自動化するかによって0~5の6段階にレベルがわけられています。

国内では、2020年4月に自動運転レベル3に対応するため改正道路交通法が施行されました。

自動運転レベル3は「特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態」と国土交通省によって定義されています。

レベル3はシステムが警報を鳴らした場合にはドライバーがすぐに運転を代わることができる状態にならないといけないというものですが、これが次のレベルであるレベル4になるとドライバーは運転席に座る必要がなくなります。緊急時の対応もシステムが行うことになるため、無人での運行が可能となるものであるため、レベル3とレベル4は大きな変化となります。

レベル4に対応した改正道路交通法は2022年4月19日に可決・成立しており、この改正法は2023年4月に施行される予定です。

レベル4では、たとえばシャトルバスなどの自動運行などが実現され、自動運行技術を活用した新たなサービスが提供されることになると予測されています。

そしてレベル5は、どのような環境下であってもドライバーを必要とせず、システムがすべての運転操作を行うものです。レベル5が実現されると人びとの移動が大幅に変化すると考えられています。

レベル5が実現された時代では、クルマは趣味を除いて個人所有が大幅に激減し、無人タクシーや無人バスが人びとの主な移動手段となると考えられます。

また、こうした無人の車内では、窓は大きなメディア(媒体)となります。目的地までの地図を表示したり、周辺の情報を表示したり、タクシー・バスでは広告を表示したりするものとして活用されると予想されます。

DUAL MOVEは、車窓をメディアとして利用するための技術、車窓XRを開発しています。

xRとは、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)など、現実世界と仮想世界(デジタル世界)を融合させる技術を総称したものです。

たとえば、車窓を媒体として周囲にある飲食店にその店舗の口コミを重ね合わせて表示するのはARと呼ばれます。

自動運転車が広く普及するにはまだ時間がかかりそうですが、こうした車窓XRは観光列車などでも活用できると考えられます。DUAL MOVEの技術がどのように展開されていくのか注目が必要です。

最新技術の開発には、潤沢な資金が必要となります。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるための方法など、資金調達に関するノウハウを解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AR DUAL MOVE MR XR インフォテインメント クロスリアリティ コンテンツ メディア 媒体 技術 株式会社 自動車 自動運転技術 自動運転車 資金調達 車窓 車窓XR
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

eギフトサービス「AnyGift」を運営する「AnyReach」が1.1億円調達
2023年1月25日、AnyReach株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 AnyReachは、eギフトサービス「AnyGift(エニーギフト)」を運営しています。 ECやD2Cを運営す…
グローバルVC「Antler Japan」が医薬品流通プラットフォーム「Yap-cloud」を開発する「Yap」に出資
2024年2月27日、グローバルベンチャーキャピタルAntlerの日本法人Antler株式会社は、Yap株式会社に出資したことを発表しました。 Yapは、医薬品流通管理BPO「Yap-BPO」の提供と…
こだわり生産者が集うオンライン直売所「食べチョク」運営の「ビビッドガーデン」が6億円調達
2020年8月5日、株式会社ビビッドガーデンは、総額6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 こだわり生産者が集うオンライン直売所「食べチョク」を運営しています。 こだわりを持つ生産者から、直接…
D2CブランドやD2Cソリューション事業の「Brandit」が資金調達
2021年4月12日、株式会社Branditは、資金調達を実施したことを発表しました。 インフルエンサーを起用したD2Cブランド「TRUNC 88」や、生産から物流までをワンストップで提供するD2Cソ…
化学デジタルプラットフォームの構築を目指す「Sotas」が4.8億円調達
2024年10月23日、Sotas株式会社は、総額4億8000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Sotasは、化学のデジタルプラットフォーム構築を目指し、「Sotas工程管理」「Sotas…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集