注目のスタートアップ

手術支援ロボットを開発する「F.MED」が資金調達

company

2022年10月18日、F.MED株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、大分銀行の関連会社である大分ベンチャーキャピタル株式会社が運営する「大分VCサクセスファンド6号投資事業有限責任組合」です。

F.MEDは、福岡県ロボット・システム産業振興会議と国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の補助事業により、九州大学先端医療オープンイノベーションセンターで実施されてきた、マイクロサージャリー支援ロボットの開発継続と事業化を目的に2021年3月に創業した医療機器ベンチャーです。

マイクロサージャリーとは、直径1ミリメートル程度の血管などを縫ってつなぎ合わせる手術技術のことです。

F.MEDはこのマイクロサージャリーの領域において、医師の動作を縮小化し、さらに手の震えを除去して正確に再現する支援ロボットを開発しています。

今回の資金は、マイクロサージャリー支援ロボットの開発促進に充当します。

マイクロサージャリーは、手術用の顕微鏡を用い、血管などの縫合を行う手術の技術のことです。

マイクロサージャリーは、神経・血管・リンパ管の修復において重要な技術ですが、髪の毛よりも細い糸と極めて小さい針を使用するため、医師には高いスキルが求められます。

限られた病院以外での実施が難しいことが課題となっており、多数の病院でも高いクオリティのマイクロサージャリーを実現するため、高精度なマニピュレーター装置(ロボットハンド)が求められています。

F.MEDは、このマニピュレーター装置を開発する医療機器ベンチャーです。

特許技術であるリニアモーター駆動のパラレルリンク機構マニピュレーターにより、高精細・高剛性・高速度の動作を実現していることを特徴としています。

従来のパラレルリンク機構は動作範囲の狭さが欠点だったのですが、腕に該当するポジショナーが自動連動して角度調整することで克服しています。

F.MED株式会社のコメント

このニュースを受けまして、F.MED株式会社 代表取締役 下村景太氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

人材確保、ロボット設計開発の期間短縮。

・今後の展望を教えてください。

現在試作機の開発を続けており、2024年の医療機器承認申請、2025年の販売開始を目指している。

・読者へのメッセージをお願いします。

マイクロサージャリーは患者さんのQOL(Quality of Life)向上に必須の技術でありながら、技術的困難故に実施できる医療機関が限られており、その選択肢を得られない患者さんも多く存在する。ロボットの支援により実施できる医師や医療機関を増やし、マイクロサージャリーで救える患者さんを増やしたいという思いで事業化に取り組んでいる。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ F.MED マイクロサージャリー ロボット 医師 医療 医療機器 手術 支援 株式会社 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

バーチャルライブ、メタバース、動画作成支援ツールを開発・運営する「VARK」が10億円調達
2023年5月11日、株式会社VARKは、総額約10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 VARKは、エンターテインメント特化型メタバース「VARK」、3Dアバター向け動画作成支援ツール「VA…
海外の製品特化した新規治療薬開発・市場化の「ヘカバイオ」が5.5億円調達
2018年12月7日、ヘカバイオ株式会社は、総額5億5,200万円の資金調達を実施したことを発表しました。 海外の製品の導入に特化して新規治療薬の開発や市場化を展開しています。 主にがん、自己免疫性炎…
手術支援ロボットを開発する「F.MED」が資金調達
2022年4月11日、F.MED株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 F.MEDは、福岡県ロボット・システム産業振興会議と国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の補助事業により…
オンラインM&Aマッチング・プラットフォーム運営の「M&Aクラウド」が2.2億円調達
2020年6月24日、株式会社M&Aクラウドは、総額約2億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 オンラインM&Aマッチング・プラットフォーム「M&Aクラウド」を運営しています。 オン…
クラウド型企業情報データベース「Musubu」を提供する「Baseconnect」が54億円調達
2023年2月7日、Baseconnect株式会社は、総額54億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Baseconnectは、クラウド型企業情報データベース「Musubu」の提供や、ユーザーが…

大久保の視点

ニコニコ超会議・学生ピッチ甲子園ビジネス部門優勝&1000万円獲得はウェルヘルス土井久生馬さん
2024年4月27日(土)~2024年4月28日(日)に幕張メッセでニコニコ超会議実行委員会で『ニコニコ超会議2024』が開催された。 『ニコニコ超会議20…
(2024/4/28)
「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】