注目のスタートアップ

デジタルウォレットアプリ提供の「Kyash」が49億円調達

company

2022年3月17日、株式会社Kyashは、総額49億円の資金調達を実施したことを発表しました。

デジタルウォレットアプリ「Kyash」を提供しています。

アプリから仮想的なVisaカードを発行でき、銀行口座・クレジットカード・デビットカードを登録することで、Visaオンライン加盟店において利用することができるサービスです。

Apple Pay、Google Payに対応しており、登録することでQUICPay+加盟店で非接触決済として利用することも可能です。

また、「Kyash Card」・「Kyash Card Lite」の2種類の物理的なカードを発行することもでき、これにより実店舗での利用も可能なります。

今回の資金は、人材採用による組織の拡充、事業領域の拡大・サービス運用体制の強化に充当されます。

Kyashの目的は、送金・決済といったお金にまつわる領域を統一された体験・サービスにすることにあります。

2017年4月に個人間の無料送金サービスとして始まった「Kyash」は、2018年3月にウォレットアプリとしてリニューアルし同年5月からリアルカードの発行も開始し、ほぼクレジットカードとして利用できるサービスとして展開してきました。ポイント還元率が良いことや、VISAブランドのバーチャルカードが即時発行できることなどから注目を集め、国内FinTechベンチャーとして大きな存在となっていきました。

VISA加盟店、QUICKPay加盟店からの決済手数料で収益を得るという構造でやってきており、近年は後払いサービスの手数料なども収益のひとつとなっています。

今回の資金調達では、「Kyash法人送金サービス」も評価されています。このサービスは、企業が個人に対し報酬などを支払う際の利用が想定されているもので、受け取り側にほぼリアルタイムでお金をKyash残高として送金することができるというものです。

デリバリー・テイクアウトアプリ「menu」の報酬支払手段として導入されているほか、東京オリンピックでのボランティアへの交通費の支払いでも使用されたという実績があります。

「Kyash法人送金サービス」は、受け取り側としてはKyashアプリのインストールという手間がひとつ増えるものの、リアルタイムで入金される、携帯電話番号ひとつで報酬を受け取ることができるというメリットがあります。また、事業者側は、口座振替よりも安価な手数料で送金できるというメリットがあります。

一方で、PayPayや海外の決済ベンチャーなど強力な競合が存在していることも事実です。Kyashは、送金が無料であること、非接触決済がすぐに使えることなどの大きな特徴があるため、こういった面をどのように打ち出していくか、またさらに便利にするような新サービスを開発していくのかが重要となってくるでしょう。今後の動向に注目が必要です。

クレジットカードは法人においても便利に利用することができます。「冊子版創業手帳」では、法人カードの活用法や、おすすめのカードについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Fintech Kyash Visa アプリ ウォレット クレジット・カード デジタル バーチャル・カード プリペイド・カード 株式会社 決済 資金調達 非接触決済
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「福祉はぐくみ企業年金基金」を中心に企業年金制度の導入・設計をサポートする「ベター・プレイス」が2.3億円調達
2024年3月5日、株式会社ベター・プレイスは、総額2億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 この資金調達は、2023年6月に実施したシリーズBの延長ラウンドとして実施したものとなり…
クラウドロボティクスプラットフォームを提供する「ラピュタロボティクス」が資金調達
2024年3月28日、ラピュタロボティクス株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 ラピュタロボティクスは、クラウドロボティクスプラットフォームの開発と、ロボットソリューションの開発・導入・…
中食プラットフォーム「TakeEats」提供の「ランプ」が1億円調達
2021年2月1日、株式会社ランプは、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 飲食店向けテイクアウトの予約・決済サービス「TakeEats(テイクイーツ)」を運営しています。 初期費用・…
シェア買いアプリ「カウシェ」運営の「X Asia」が1.8億円調達
2020年11月30日、株式会社X Asiaは、総額約1億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 シェア買いアプリ「カウシェ」を運営しています。 商品を選び、割引価格での購入を決定した…
プラスチックの革新的なリサイクルソリューションを提供する「esa」が2.6億円調達
2022年9月28日、株式会社esaは、総額2億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、京都大学の認定ファンド運営事業者の、みやこキャピタル株式会社が運営するファンドです。 …

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集