注目のスタートアップ

Landit Inc.(ランディット株式会社) 藤林謙太|モビリティテックの事業展開が注目の企業

モビリティテックの事業展開で注目なのが、藤林謙太さんが2021年に創業したランディット株式会社です。

現在、第4次産業革命がおこり、IoTやAI、ビッグデータを用いた技術革新がますます進んでいます。
その波はモビリティ業界にも波及しており、人とモノの快適な移動を実現する技術革新が日進月歩で行われています。

特に企業や事業者にとって必要不可欠な物流・営業・作業のための移動に関する整備が進んでいくことは、業務負荷を軽減するだけでなく、環境に配慮した企業成長を促したり社会との良い関係性を築き上げていく上でも大切な要点となります。
例えば、車両の自動運転化や事故を未然に防ぐ設備設置、移動ルートの最適化や臨機応変な車両配備など、既に実装されているものも含め、こうした様々なモビリティテックの活用がこれからの社会に大きなインパクトを与えることは必至です。

こうした移動網整備において必要不可欠なのが「移動車(者)用のスペース」、いわゆる “拠点” です。その時々の状況、例えば移動車の大きさや重量、運搬物の内容や現場での作業内容に見合った駐車スペースをリアルタイムに確保できなければ、いくら移動網が完備されたとて移動車を動かすことが出来ません。
現に今、駐車違反による事故や苦情が発生しているのは皆さんもご存じのとおりです。

そこで、よりフレキシブルな移動を可能する為の土台ともいえるスペース問題に着目し、モビリティサービスを社会に普及させるべく挑戦を始めている起業家に、今注目が集まっています。

ランディット株式会社のモビリティテックの事業の特徴は、リアルタイムにスペースデータを把握し、そのスペースに対して最も適した利用者(車両)をマッチング、不動産業界の経験豊富なメンバーによるトラブル対応を含めたきめ細やかなワンストップサービスを提供している、という点です。

ランディット株式会社の藤林謙太さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

・このプロダクトを開発するに至った経緯について教えて下さい。

弊社は2040年、2050年の世界から逆算して必要な基盤構築を期しており、具体的には自動運転車両の駐停車や自動配送の拠点に関するデジタルインフラの提供を目指しております。
その為に必要である「リアルタイムトランズアクション」と「リアルタイムスペースデータ」をいかに整えるかという事に重きを置いており、 「リアルタイムスペースデータ」を集積させるために不動産側の課題を解決し、メリットを提供する仕組みを構築しなければならないと考えました。駐車場の利用者属性を「to B」と「to C」で大別し、期間を「中長期」と「短期」の2種類と置いた場合、パターンは4つあると考え、不動産側の課題である稼働率に一番貢献出来そうなボラティリティが低く規模が大きい「to B」の「中長期」の需要を取り扱う事としたことがきっかけです。
又、業界選定の手法として、TAMの大きさ、情報の非対称性の存在、多重下請け構造の存在が重要と考えていた為、市場の規模の大きい順からソートをかけた結果、不動産、物流、建設、モビリティの共通のテーマである「駐車場」を切り口としてピックアップした経緯があり、不動産業界・物流業界・建設業界・モビリティ業界における駐車場関連のアナログオペレーションをデジタル化する事で、メッセンジャーアプリの様に使って当たり前、モビリティやデバイスに搭載して当たり前というプロダクトを浸透させる事で皆さまの生活を最適化する事に少しでも貢献できるのではないかと考えました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

at PORTに関しては検索、見積、予約、利用、決済がデバイス一つで完了するので、お客様の手を煩わせることなく、明確に手間が削減出来る点です。
建設や物流のコア業務システムとの連携や、不動産側にも同様の連携を進めていくのでより簡単にデジタル上で貸し手、借り手の取引が簡単に完結する事になります。
又、仕組み上、使えば使うほど利用料が安くなるという仕組みを取っている点も特徴です。裏側では衛星データ×AIや自動化がコアとしてあるので、現在様々なサービスのローンチを準備しております。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

不動産、物流、建設、モビリティの業界の方々で業務効率性を高めたい方々にご利用頂きたいと考えております。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

大きくは人口減少による生産性低下という課題解決の一助になればと考えています。
又、誰でもいつでもどこでも検索・予約・利用・決済が出来る事による回遊させない仕組みの浸透や駐車の効率性を高める事で渋滞の削減やCO2の削減に貢献します。
現在は自家用車の減少と駐車場の供給過多という需給のアンバランス現象が起きている状況ですが、車と駐車場の最適化や利用ニーズに合わせた移動手段のデザインといった課題解決にも貢献したいと考えております。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

銀行口座が開けない、給料日のキャッシュ残高を見るのが憂鬱で自分に支払いたくない、寝ても覚めてもすっきりしない、という起業家の皆様が通られてきた道のようなことはありました。
中々トラクションが伸びず、仮説がそもそも間違ってるのでは?と思った事は数え切れず、自分を疑う事は多々あったぐらい底辺だったので、お客様からの厳しいフィードバックは我々にとって貴重で大変という類ではなかったかもしれないですが、身近な仲間の離脱などは少し辛かったです。
それもお客様からの支持やチームのメンバーに支えられてなんとか一つ一つ今も乗り越えている最中です。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

弊社は「世の中を最適化し、豊かにする」というミッションを掲げており、真剣に実現したいと考えています。
例えば、人や組織はバックグラウンドや大事にしているものが異なりますし、その時々で判断軸も異なると思っている中で、大事にしたいのはそれぞれの多様な状況を尊重した上で「最適」なものをgive出来るかどうかだと考えています。
判断するのは個々人ですが、その判断の結果が「豊か」になっているかどうかが大事だと思いますし、これは家族や友達などいち人間関係においても言えることですが、一例として一緒に働いている人が、「最適」な環境や判断を都度選択出来ず、「豊か」ではなければそれは“NO”ということであり、そんな価値観をお客様やプロダクト開発も含めて全方位に向けて大事に出来るチームであると良いなと思っています。

又、前述の通り、今はメッセージアプリを皆さん普通に使っていますが、メッセージアプリはなかった時に前の生活が想像出来なくなるほどに生活を変えてくれている存在だと私は思っています。メッセージアプリのように、時として市場とお客様のニーズとサービスの付加価値が掛け合わさる事で社会の形を変える事が出来る存在はある、と私は思っているのでLanditの提供するサービスもそのようなサービスを目指したいと思っています。

「モビリティに関するインフラ機能」と「テックによる不動産の更なる可能性を拡張」という壮大なテーマを担う事と同時に、組織が心身共にヘルシーな状態で顧客のニーズを正確に捉えて価値提供を続ける会社でありたいと考えており、「世の中を最適化し、豊かにする」というミッションにはそんな全方位的な想いを込めています。

・今の課題はなんですか?

巨大市場を対象に様々なサービスを準備している為、事業開発もプロダクト開発も営業も常に正念場です。

・読者にメッセージをお願いします。

Landitという会社名自体は知って頂かなくても良いかなと思うのですが、皆様にご利用される事を通して「あれ、Landitのサービスだったの?」という形で良いので、ちょっとでも世の中が良くなることに貢献したいと思っております。皆様どうぞ宜しくお願いします。

会社名 Landit Inc.(ランディット株式会社)
代表者名 藤林謙太
創業年 2021年
事業内容 モビリティテック、不動産テック
所在地 東京都港区芝5-13-11 ザイマックス三田ビル 8F
代表者プロフィール 2010年、三菱商事株式会社入社。三菱商事にて建設機械・産業機械・自動車事業に従事し、その後、株式会社産業革新機構、外資系リテール企業、IT企業を経て、2021年5月にLandit Inc.を創業
カテゴリ 有望企業
関連タグ Landit モビリティテック ランディット 不動産テック 建設テック 物流テック 藤林謙太 駐車場
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