東京都企業立地相談センターの使い方 都内の起業・進出の立地探しを強力サポート

創業手帳

東京都企業立地相談センターの概要を解説します

画像は東京都企業立地相談センターHPより

(2020/08/09更新)

東京都内で起業したい、進出したいと思った時に、「事業所の場所を探す」という大きなイベントがあります。東京都内の物件情報は選択肢が多く、地域によって地価も大きく異なります。都内の地理に詳しくなかったり、どの地域にどんなビジネスが集まっているのかといった肌感がない場合は、最適な立地探しのハードルが高くなりがちです。

そんな時に役立つのが、「東京都企業立地相談センター」です。東京都が展開している企業立地を探す人向けの支援センターで、事業者が求める条件に合う物件の紹介から、活用できる公的支援制度の紹介までカバーしています。具体的にどんな形で活用できるのか、概要を解説します。

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

無料で利用できる創業手帳の冊子版では、オフィスの環境を整える際に役立つノウハウやサービスを紹介しています。記事とあわせて参考にしてみてください。

専門のアドバイザーが立地探しをサポート

東京都企業立地相談センターは、東京都内で展開を検討している企業や個人事業者を対象に、専門のアドバイザーが立地探しをサポートしてくれる機関です。探せる立地はオフィスだけでなく、店舗、工場、事業用地など幅広い用途が対象となっています。起業時の立地探しはもちろん、「東京に進出したい」「工場を拡大したい」「東京に支店を持ちたい」といった時に相談可能です。

また、企業立地の相談だけでなく、都や都内区市町村の企業立地支援制度や産業振興施策など、各種支援制度の情報提供を受けることもできます。都内の自治体で行われている物件誘致のための奨励金制度・マッチング支援制度なども網羅しています。

協力不動産事業者へ物件情報の一斉照会

東京都企業立地相談センターは、都内の不動産事業者と提携しています。利用者は、事業で必要な立地のニーズを専門家とすり合わせることで、条件に合致する都内の企業立地を一斉照会することができます。紹介を受けることができる物件は、民間のものと公的物件の2種類あります。

民間物件 民間不動産事業者へ一斉照会し、工場、店舗、事務所、事業用地などの物件情報を提供
公的物件 東京都・都内区市町村等が保有・管理している事業用物件の公募情報(貸工場、貸店舗など)を紹介。

経営者にとっては、複数物件情報をまとめて照会ができるため、不動産屋の店舗などを回る時間を省くことができる点が魅力です。また、民間不動産事業者への一斉照会は、企業名、連絡先を開示することなく行うことができます

東京都企業立地相談センターのメリット

  • 相談は何回でも無料
  • まとめて探せる利便性
  • 都の相談機関なので信頼度が高い

紹介の流れ

東京都企業立地相談センターで物件の紹介を受けるまでのお大まかなステップは、以下の通りです。

1、WEBから情報提供依頼の申込みをする

まずは、東京都企業立地相談センターのHPにアクセスし、「情報提供依頼」のフォームから相談の申込みを行います。
物件の種別、売買か賃貸か、希望するエリア、取得予定時期など、基本的な情報を入力すればOKです。

申請自体は事業主本人でなくとも行うことができますが、その場合は媒介契約をしている代理人からのみの受付となっているので注意しましょう。

2、ヒアリングを受ける

エントリーが完了したら、東京都企業立地相談センターより、ヒアリングの案内がメールもしくは電話で届きます。利用者は、電話か直接センターに訪問して、より具体的なヒアリングを行うことができます。

3、協力事業者への物件情報提供依頼

ヒアリングののち、物件紹介のために必要な書類※を相談センターに提出します。エントリーシートの作成は、相談員がサポートしてくれるので、わからないことなどあれば聞きながら作成することができます。

※代理人が申請する場合は、媒介契約書のコピーが必要です。

必要書類の用意が完了したら、相談センターから協力事業者に対して情報提供の依頼が行われます。

4、物件提示、詳細の相談

協力事業者から条件にマッチする物件情報が集まったら、相談センターから利用者に提示されます。利用者は、「センター利用に関する事前同意書」をご提出した上で、紹介された物件の情報を検討することができます。気に入った物件を見つけたら、相談センターに詳細と紹介した不動産事業者の連絡先を取得し、直接不動産事業者とコンタクトを取って契約の交渉に進みます。

※東京都企業立地相談センターは、不動産業者との交渉・契約には関与しません。

東京都企業立地相談センターを利用できないケース

風俗営業施設、換金性のある遊技施設、宗教法人施設、暴力団・その他反社会的団体及びそれらの構成員が利用する事務所等、反社会的行為の用に供する施設については、相談の対象になりません。また、前述の業種に当てはまらない事業であっても、立地場所で自ら事業を行わないもの(投資用物件、サブリース、駐車場用地、住宅用地など)は紹介の対象外となるので注意しましょう。

まとめ

東京都企業立地相談センターは、物件探しの競争が激しい東京で企業立地する際に心強い味方になってくれます。公式HPには、新着の募集情報が随時更新され、また地図から物件を探すこともできます。都内での事業を考えている経営者は、一度相談に行ってみてはどうでしょうか。

無料で利用できる創業手帳の冊子版では、事業の環境を整える際に役立つサービスやノウハウをまとめて解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

関連記事
物件契約までの流れ【美容室・サロンの開業手帳 ~5.店舗物件を決める~】
プロが解説!オフィス移転の「原状回復工事」 費用削減のために経営者がすべきこと

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す