DATAFLUCT 久米村 隼人|データから業界を読み解きDXを推進

創業手帳
※このインタビュー内容は2023年06月に行われた取材時点のものです。

データで各産業を繋げ、企業から社会をよくする


データを分析した結果をもとに、課題解決のための施策やビジネスの構築を行うなど、現代ではデータ蓄積や解析が必要不可欠なものと言っても過言ではありません。

そんな中、「データを商いに。」というビジョンを掲げ、企業のDX課題や社会課題をサポートしているのが株式会社DATAFLUCT(データフラクト)です。

企業が抱える課題を一つ一つ見つけ出し、どんな企業でもデータを有効に活用して最適解を導き出せるように、データ活用支援を行っています。

自らAIサービスを開発することで、支援に必要不可欠な各業界におけるデータと知財を獲得し、それぞれの産業に特化したサービスを提供しています。

今回は代表取締役CEOを務める久米村さんの起業に至るまでの経緯や、どのような視座で新規事業を考えるか創業手帳代表の大久保がインタビューしました。

久米村 隼人(くめむら はやと)
株式会社DATAFLUCT 代表取締役CEO
1980年生まれ。2007年にベネッセコーポレーション入社。以降複数の企業にて、広告・ヘルスケア・データサイエンスなどの領域で15サービス以上の新規事業を創出。
2019年、データとサイエンスの⼒で社会課題を解決することをミッションに「株式会社DATAFLUCT」を設立。同年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のJAXAベンチャーに認定。現在、幅広い業界に向けてデータ活用支援・新規事業創出を行う。これまでローンチした新規事業は30を超える。
早稲田大学大学院商学研究科(夜間主MBA)修了。JAXA J-SPARCプロデューサー。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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様々な企業での経験から起業までの道のり

大久保:久米村さんは起業までの経緯が豊富とお伺いしているのですが、起業の流れをお聞かせ願えますか。

久米村:新卒でベネッセコーポレーションに入社し、CRMやダイレクトマーケティングに携わっていたのですが、将来起業したい気持ちが強く、仕事をしつつ31歳のときにMBAを取得しました。

31歳のときに初めて転職し、その後リクルートマーケティングパートナーズに入社しました。リクルートには「New Ring(現Ring)」という新規事業コンテストがあり、ここでたくさんのビジネスを作らせてもらいました。賞もいただいたりして、結構新規事業を作れるようになったと自負しておりました。

将来起業したいという想いを持ったまま、更に転職をし、弁護士ドットコムなどに籍を置かせてもらいました。そんな中、古くからある産業や企業がもっと改革を推進していかないと、日本のGDPが上がらないという問題意識を持っていたのもあり、次の転職先には日本経済新聞社を選びました。

歴史ある大企業であり、変革を推し進めたいがなかなか上手くいっていないと聞いていたので、ここなら自分のバリューを存分に発揮できると考えましたね。

日経では音声コンテンツやクリエイター向けのプラットフォームを展開するスタートアップなど、さまざまな企業とのコラボに携わりました。しかし、1年で15本新規事業をプレゼンして、3,4本しか取れなかったんです。

会社員である限り、どんなにアイディアを出しても提案が通らなければそれまでで、本当にやりたいことは自分でお金出してやるしかないと気がつきましたね。

1年間で10本新規事業を立ち上げられるようにしたいと強く思い、ようやく起業を決心しました。最初に立ち上げたのが「株式会社FACTORIUM」です。

大久保:資金面はどのように考えていたのでしょうか。

久米村:資本金は100万円で登録し、日本政策金融公庫を利用しました。1か月目の売上は100万、2,3か月目400万という流れでコンスタントに稼いでいけば年間3000~4000万は達成できるという見込みを持っていました。

このときに思ったのは、自身の給料はそこまで高くなくてよいし、できる限り事業に投資していくべきだということです。

この資金を新規事業に投資していくという考えのもと立ち上げたプロジェクトのひとつが「株式会社DATAFLUCT」のデータを商いにするものです。

大久保:ご自身の手持ちと言いますか、用意できる資金のみで回していくのはすごいですね。エンジェル投資などの利用を視野には入れずに進められたのは強みです。

久米村:各ラウンドやシリーズA、シリーズBなどのタイミングで資金調達は行っていますが、毎年様々なサービスを作ってはローンチをするのを繰り返していきました。その中で、いろいろな企業が投資をして下さいまして、3年間で30本以上のプロダクトを開発していき、データビジネス開発のコア技術を習得しました。今では4本のプロダクトを柱にして事業展開をしていますね。

新規事業を一気通貫で支援できる強み

大久保:多くの企業を立ち上げた経験があると思いますが、1社目の創業時のお話からお聞かせ願えますか。

久米村:1社目は「FACTORIUM(ファクトリアム)」で、新規事業を手助けする企業です。

当時はオープンイノベーション(※1)ブームでもあったのですが、まだ多くの企業がデジタル事業開発にまで手を出せない状況でした。

プラットフォームビジネスやデジタルビジネス、デジタル・データサイエンスが得意な自分が日本企業のデジタル事業開発を担うことにより、日本の企業へ貢献しようと思いました。

ミッションは「社会的価値がある事業を100社分作る」というものです。

戦略立案からサービスのデザイン、アジャイル開発(※2)、グロースハック(※3)、組織開発まで一気通貫した支援を行いました。当時はなかなか同じような企業がなかったので、これを強みに展開していけば、勝つことができると考えました。

1年目はいろいろな企業とともに合計15本ほどプロジェクトを立ち上げ、今では終了してしまったプロジェクトも数多くあるのですが、中でも手応えがよかったDATAFLUCTプロジェクトに焦点を当てていくことになります。

※1:オープンイノベーション・・・外部から知識の流入を図り、自社での開発などを推進していく概念。

※2:アジャイル開発・・・ソフトウェア開発の手法で、計画よりも柔軟性を重視したアプローチ法。

※3:グロースハック・・・限られたリソースを有効活用し、急速にユーザー数や市場のシェアを拡大するための戦略や手法。

JAXAの中から見た衛星データの可能性

久米村:様々な肩書きを持った上で独立をしたのですが、当時はJAXAの職員という肩書きも持っていました。ポートフォリオワーカー(※4)ですね。

大久保:素晴らしい肩書きをたくさんお持ちだったんですね。

久米村:様々な企業で働かせていただき、各業界の知見を得ていました。中でもJAXAは自分の中で特異な分野だと感じていて、衛星データを軸にした事業を立ち上げたら面白いと考えました。そこで立ち上げたのがDATAFLUCTという企業です。

当時は新たなデータ産業を作ることをミッションとし、衛星データを始めとしたこれまであまり使われてきていなかった各種データと、SDGsなどの課題をかけ合わせることで、多くの新規事業を創出することができると確信していました。次の資本主義のインフラを作ろうという想いがありましたね。

例えば「気象データの企業とタッグを組み、食品スーパーの仕入れのアルゴリズムを作る」「携帯会社とタッグを組み、商圏分析のサービスを作る」といったものです。

1年間で10本ほどサービスを作りましたが、これを同時多発的事業展開モデルという形で定義し、このモデルに沿ってビジネスを回しました。実際に10本のプロジェクトに関わったメンバーの多くはのちに起業し、客員起業家を起用したモデルは立証されたと考えています。

※4:ポートフォリオワーカー・・・一つの組織に属するのではなく、複数の仕事やプロジェクトに参画する働き方のこと。

コロナの影響により企業のDX推進支援へと舵を切る

久米村:1年間で10本ほどプロダクトをローンチした際に、コロナがやってきたんです。世の中がリモート・DXブームに変わっていき、私もターゲットをDX推進企業に絞ることにしました。自社だけでデータ活用を推進するのが困難な企業をサポートするビジネスへ舵を切ります。

DX推進には、ビジネスからPaaS構築まで全体のノウハウが必要ですが、フルスタックのデジタルコンサルティングは相場が高かったです。そこで私が掲げたのが「Data As A Service」という考え方で、お客様が持っている課題とさまざまなデータを組み合わせてビジネスを創出していくことをソリューションとしています。

安く、早く、簡単に使えるものをコンセプトに、どんな職種、どんな企業でもデータ活用ができるサービスを届けるというものです。サービス提供だけでなく、データ基盤設計や、アルゴリズム受託もある、という現在の形態です。

基本的に企業のDXを支援するAIであったり、事務作業であったり、脱炭素であったり、そういったことに対するソリューションを届けています。

大久保:時代の流れに合わせる身のこなしが素晴らしいですね。

ニッチなスモール事業から事業展開していく

大久保:他の企業が手をつけていない部分を見つけ、ビジネス化していく能力が素晴らしいです。目の付け所が違うのでしょうね。

久米村:ありがとうございます。わかりやすいケースをひとつ挙げると、「becoz(ビコーズ)」という脱炭素の事業があるのですが、ニッチなんです。

世の中にある脱炭素のスタートアップはBtoBがほとんどです。しかし私たちはBtoCでやっています。将来BtoC向けの脱炭素事業が来ると睨んでいるんです。みんな気にしないような産業でも、弊社でしかやっていない先端的な取り組みを行い、一番初めにナンバーワンになるという戦略を取っています。

このスタンスで行動をしていると、とてもいい企業がパートナーとして名乗りを挙げて下さるんです。ひとつの例がクレディセゾンさんと開発した「SAISON CARD Digital for becoz」です。

カードの利用情報からCO2排出量を可視化できる日本唯一の新たなカードです。賞もいただいています。

あとは企業の中の物流や、梱包材のサイズを算出するシステムなど細やかなDX支援を地道に行っています。

大久保:目立たず少し変わった組み合わせを狙っているんですね。

久米村:はい、王道を進もうとしてしまうと、メインストリームを闊歩している強い人たちとぶつかってしまうんですよね。

例えばチャットボット事業もスタートアップがたくさんあったのですが、私は手をつけなくて本当によかったと思っています。OpenAIが出てくると分かっていたら誰も手を出さなかったと思います。

このように特出した企業が出てきてしまうと他社が全て吹き飛ばされてしまいかねないので、王道は避けていましたね。

大久保:なるほど、競合他社が少ない分野だからこそ、取り組めば一番になりやすいということですね。

久米村:どれが流行るかは誰にもわからないので、プロジェクトを作って失敗したら次に行くことを繰り返して、3周もすればコアとなる事業が3つくらいは絞れてくるという流れですね。

衛星データを扱う事業も柱のひとつですが、この柱で稼げなくなっても構わないように、データ基盤やAIなど、これらの事業を組み合わせて進めています。

大久保:もうデータを提供するスタジオというより工場みたいな感じですね。一定の手順は既に確立されていて、あとは往々にして変化していくような。

部署を越えた事業支援

久米村:ビジネスモデルはシンプルでステップを3つに分けて支援を行います。ただそれぞれの企業にあわせたメニューをしっかりと作っていますね。

大久保:企業からしたらトライしたくてもやり方がそもそも分からないし、企業内の事業としてやるにしても身動きが取りづらいような、ほどよいところを狙ってイニシアチブを取りに行く形なんですね。

久米村:おっしゃる通りで、例えばゼネコンで基本的にはビルを作っているけどスマートシティ(※5)とか不動産テックとか、少し外れた分野を狙ってパートナーシップを結んでいます。規模が大きい企業は確実に利益を上げられる産業だと思っていますし、規模が大きいと企業内に多数の部署があるんですよね。一つの部署だけではなく、部署を跨いで複数案件を受託していくことに繋げられます。

大久保:ロゴが違うと違う企業ぐらい熱が立つと言われますよね。

久米村:はい、最初は1社で1プロダクトという形でやりたいと思っていた時期もあったのですが、1プロダクトだと非効率だなと考えたんですよね。1社に対して1プロダクトのみで終わってしまったら、勿体ないです。

1社に対してニッチで小さな課題が10個あれば、それだけ事業を展開できるというビジネスモデルを作ろうと思いましたね。例えばある部署では企画経営、ある部署ではサプライチェーンという形で複数の部署にまたがって営業をかけていきます。

既に他の部署でデータ基盤をやっているので、システム部門との連携もうちでやりますというと、喜ばれるんですよ。私たちはビジネスパートナー戦略と呼んでいるのですが、1社に対して少しずつ事業を展開し、繋げていく形です。

大久保:ひと昔前までは技術も追いついていなかったり、企業もオープンじゃなかったりと、なかなかできなかったスタンスですが、今の時代にとてもマッチした方法ですね。

久米村:オープンイノベーションであったりスタートアップが増えたり、環境が大きく変化して、結果的に私たちのビジネスモデルがやりやすくなったのかなと思いますね。

※5:スマートシティ・・・ICT(情報通信技術)を活用して都市の機能を最適化、効率化し、抱えている様々な問題を解消していく都市のこと。

事業を動かすための5つのアプローチ

大久保:久米村さんは多くの事業を展開されていらっしゃいますが、どのように頭を切り替えているのでしょうか。

久米村:切り口となる5つのアプローチという考え方がありまして、それをもとに推し進めています。

これまでコンサル会社で70社ほどコンサルをさせていただいたのですが、同じ業界では同じテーマでコンサルをしないようにしてきました。70回新しいことをしてきたんです。この経験をしていくことで、各産業それぞれが抱える課題が見えてきます。

食品業界は何に困っているのか、物流業界は何に困っているのか、これらを解決していくための企業アイディアが無限に浮かんできます。このような、その企業の抱える課題をしっかりと把握することが1つ目です。

2つ目は、1社の中でも部署ごとにさまざまなDXテーマが存在していることです。

3つ目は、バックキャスティング(※6)、脱炭素とか未来志向で考えた場合のDXテーマです。

4つ目は、デジタルツイン(※7)やAIなどの技術を企業に実装していくという観点です。

5つ目は、データマネジメントをデータサイエンティストが見たときに見いだせる課題です。

これらの課題というものが新規事業の種なのだとしたら、5つの方法から企業の課題は見出すことができます。

大久保:どの切り口から事業を展開したとしても、切り込めるわけなんですね。

久米村:それぞれの事業で求められるソリューションが分かると、あるべき姿というのが鮮明になり、プロジェクトも形作られていきます。

※6:バックキャスティング・・・戦略策定などを行う際に用いられる思考方法の一つで、「未来から現在の課題を考えるアプローチ」と言う意味合いで使われている。

※7:デジタルツイン・・・物理空間にある製品などの情報をデータ化し、デジタル空間上で再現したモデル、またはその技術のこと。

日本の苦手分野をDATAFLUCTが開拓していく

大久保:バックキャスティングや未来志向といった日本の企業が不得意とするような部分に関しては、どのように審査しているかコツはありますか。

久米村:あります。海外の事例を日本に持ってきますね。

大久保:なるほど、海外ではこうなっているから、10年後には日本も同じようになるのではないかということですね。

久米村:技術的な分野においては意外と早く日本も浸透するんですが、脱炭素を例に挙げると、炭素税とかカーボンプライシング(※8)など政治も関わってくる場合、時間がかかります。ここにビジネスチャンスがあると思っています。

日本のルールは今後このように変わっていくだろうと予測を立て、それに沿ったデータを先に集めておこうという考えで始めていますね。脱炭素で言えば何年後かにはカーボンプライシングにおいてコンシューマーのデータが必要になるはずだから今からデータを集めておく、といった考えです。

大久保:なるほど、海外の情勢や事業をきちんと掴んでおくことが重要だということですね。

久米村:その通りですね。あとは、環境やジェンダー問題に関しても同じことが言えます。

自由主義の社会は自然と感覚や価値観がフラットになっていくもので、それがサステナブルなんだと思っています。

大久保:進んでいく方向は既に示されていて、大きな流れは止まらないから比較的予想しやすいということなんですね。

久米村:はい、おっしゃる通りです。そういう流れのもと、いろいろな企業とビジネスを作っていく役割を担っていると考えています。

※8:カーボンプライシング・・・企業などが排出するCO2やその他温室効果ガスに価格を設定し、排出に対して費用を課すアプローチのこと。

世界最先端のツールを使いこなしていく

大久保:OpenAIやGoogleとか、海外企業が強くてAIやデータ業界はグローバルが強いと言われていますが、一方で日本ではここを狙うべきなどありますか。

久米村:OpenAIやGoogleが強いのは、基本的にツールの部分なんですよ。ChatGPTは素晴らしいツールだと思います。しかしいくら強い武器があったとしても、それを使いこなすことができなければ意味はないので、私たちはそちら側に立ちたいですね。

私たちは、研究開発を沢山して発明をすることよりも、発明されたツールを民主化して、みんなが使えるようにしていくことに注力します。OpenAIとは別の企業が出てきたとしても、今度はその企業とスクラムを組むようなイメージになります。

私に研究者のように魂を込めて開発に勤しむような力は全くないですね。あくまでデータをビジネスで取り扱う商社です。そのためには人材も集めます。

大久保:人材も外部から探してくるということなんですね。

久米村:はい、副業ができる人材などを揃えますね。新しい産業でプロジェクトを立ち上げる場合、その産業で経験があるエンジニアを探します。そうしてさまざまな分野で強くなっていきます。いろいろな人と仕事をしていくと勉強にもなりますね。

大久保:日本の純粋培養みたいな形だと先に広がっていかない面もありますからね。大手と仕事をすることはどのように感じましたか。

久米村:なぜDATAFLUCTを選んでくれたのか、いくつかのポイントがありまして、大手企業がいろいろな企業にオファーを出したりしますが、細かな事業内容まで落とし込んで一緒にやりましょうと言ってくれるのがDATAFLUCTだけだったと言われたりするんですけど、まず本気の企業だと思ってもらえている点が大きいです。

私たちはその産業に対して興味があるメンバーを揃えてからアサインをするため、みんなその産業が大好きなんですよ。それだけでチームは盛り上がり、企業側も本気のパートナーだと思ってもらえるというのが、一番大事なポイントだと思います。

現場に好かれると、DATAFLUCTを現場の人が他部署や上司に紹介をしてくれたりもして、いい関係性を築けていると思いますね。

大久保:OpenAIや外資なんかはあまり怖いと思うことはないってことですね。

久米村:はい、むしろ仲間だと思って歓迎していますね。

起業や事業展開は失敗しながら学ぶ

大久保:とても順調そうに感じるんですが、こういうところは大変だったとかうまくいかなかったとかあるでしょうか。

久米村:基本的に楽しんで取り組んでいますが、うまくいかなかったことのほうが多いと思っています。昔は社員を多く取っていましたが事業が失敗したときには辞めていくメンバーもいましたし、新規事業をたくさん立ち上げていますけど、それだけたくさん失敗しています。

失敗すれば大勢の人が辞めていきますし、事業撤退すれば、チームは解散して辞めていく人が出ますし、スタートアップとしてはうまくいかなかった部分もあります。

基本的に実験思考で、7人中1人ぐらいしか本当に活躍できる人材とは出会えないだろうなと思っています。

事業に関してもだいたい7分の1ぐらいの成功率で進んでいます。7本プロジェクトを立ち上げて1本が続いていく。

大久保:最後にこれから起業される方や起業したばかりの方へアドバイスいただきたいです。

久米村:私は本当に起業してよかったと思っています。会社員時代のころ、お金をもっと稼ぎたいという気持ちはなく、自分の好きなことを自分で考えて稼ぐために起業したいと考えていましたね。

起業しているといろいろな情報も入ってきますし、いろいろな課題にも直面します。しかしこれら全てを楽しめる、会社員ではできなかったことができるというのが面白いので楽しんで取り組んでみてください。

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(取材協力: 株式会社DATAFLUCT 代表取締役CEO 久米村 隼人
(編集: 創業手帳編集部)



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